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しおりを挟む「どうして本心を言わないの?」
青色の瞳はしっかりと私を写していた。
動揺した。本心なんて最近は、いや、新しい『私』が生まれてから一度も言ってなかったから。
弁解しようかと考えたけど彼は確信したようだったしいつまでも一人でこの秘密を抱え込んでいるのも(ストレスがたまるから)嫌だったし、言い訳しても仕方ない。
「あのね、私は……」
「じゃあ君にとって俺は未来で酷いことをする人ってこと…?」
「うん、そう。だけど今貴方と婚約しなかったら別の人が婚約者になっちゃうじゃん?それは嫌なんだよね~」
「…随分、砕けたしゃべり方になったね…。そっちが本当の君?」
すべてを話終えた後、気を抜いて話かけると驚いたように聞かれて少し迷った。
「どっちも本当の私だよ」
ただ前世の方がなんかしっくり来るってだけで。記憶はちゃんとあるし…。
「でも信じられない。皇太子はそんなハニートラップにかかる人じゃないし、俺がそんな浮気するような奴らだと思われるのも心外……」
悲しいことに否定された。
皇太子と友達だからかな?
まあ、自分が将来的に婚約者放って浮気してるよ、って言われたら信じられないと思うけど真実なんだよ。
頬を膨らませてる可愛らしい婚約者(仮)
の頭を撫でながら話かける。
「じゃあ、婚約しよ?私も貴方も知らない婚約者をつけられるより良いし、貴方が別に主人公のことを好きになったら婚約解消してあげるからお互いwinwinでしょ?」
私の言葉に彼は反応して脱力したように椅子にもたれる。
「確かに楽だけどさ……」
彼も何かしらの猫を被っていたからか言葉に気楽さがのったような気がする(語彙力低い)
「でもさ…」
言葉を続けた彼の次の言葉を待って話に耳を傾けた。
「もしも俺が…その主人公って子のことを好きにならなかったら…俺と結婚してくれる?メリー、君に興味が湧いたんだ!」
『ミア、君に興味が湧いたんだ!』
「っっ!!!」
小説の主人公に言ったセリフとスゴく似ていて……いや、同じで年甲斐もなくドキドキしてしまう。
主人公を好きになった、気になった時に言ったセリフでそれが主人公じゃない人に言われると思わなかったのだ。
「(この人は好きになっちゃいけない人だから!)」
自分に言い聞かせたけれどその原因である彼は私の気持ちに気づいてない。
オロオロしてる彼を見ながら絶対に好きにならないと、そう心に決めた。
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