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隣国の王子 レナード
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「フランク侯爵、お久しぶりです」
「本当にいらしたんですね王子殿下…」
「挨拶に行くと手紙を出したでしょう?ミレイユにはなんと?」
「娘には伝えておりません、時間が欲しいのです」
「ふーん、またですか?一回目はそれでクロヴィスに取られたんだけどね」
侯爵の額からは冷や汗が流れる…
「婚約が解消されたばかりですから娘の気持ちを慮って頂きたいのです」
「勿論だ!しかし前例があります、ミレイユに会わせてください」
「娘は現在療養中のため、領地におります」
「会いにいって良いか?」
「無理な事をなさらないとお約束いただければ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ミレイユ、どうしたの、呆けちゃって」
母に言われ
「今日は何をしようかと考えていたの」
領地に帰りたいと言ったのは自分なのに、何もすることがないと一日がとてつもなく長く感じる。
「そうねぇ、ルイがいたら一緒に遊んでくれるのにね」
母が笑いながらミレイユを見る
「そうなの…ルイと家族になってこんなに離れたことがないから寂しいわね」
「クロヴィス殿下もでしょ?」
「…そうだけど、もう婚約者ではありませんし」
「あなた達は幼い時、仲が良くていつも一緒に遊んでいたのにね」
「婚約をしてから昔のように過ごすことが出来なくなりました…あら?おかしいわ殿下の顔が思い出せない」
「お嫌いではないんでしょう?」
「えぇ、幼馴染として嫌いにはなれません」
「ミレイユの好きにしたら良いわ、あなたの将来ですものね」
くすくすと笑われた
「なによ!お母様ったら」
「暇なら街に行ってみたら?護衛を付けていってらっしゃいな」
「お嬢様、動きやすい格好にお着替えいたしましょう」
メイドに用意された服を着る。
シンプルだが気品のあるふくらはぎほどの丈のワンピースだった。
「確かに動きやすいわね、王都でこんなに短いスカートを履いていたら驚かれそうね」
ふふっと笑うミレイユ
久しぶりに笑うミレイユを見たメイドは嬉しそうに
「ヘアースタイルも変えましょう」
手早く編み込みをされハーフアップになった
「さぁ、お嬢様行きましょう」
侯爵家の馬車に乗り街へと出掛ける
のんびりとした静かな風景を見ていると王都での喧騒が嘘のようだ
急に馬車のスピードが落ちてきた
「どうしたのかしら?」
ミレイユがメイドに尋ねる
「少し見て参ります、お待ちくださいませ」
馬車が完全に止まってしまったのでメイドが馬車を降りて従者に聞き行くと焦って戻って来た
「っお嬢様、その、」
「なぁに?」
メイドを見る
「ミレイユ!」
綺麗で良く響く声の男の人から名前を呼ばれた
「えっ?」
メイドの後ろから、声の持ち主で懐かしい顔の男の人が現れた
「…レナード殿下?」
「久しぶりだね」
優しい笑顔を、ミレイユに見せる
「お久しぶりでございます、その、どうして…」
「どうしてって?ミレイユに会いにきたんだよ、領地にいると侯爵に聞いた」
馬車の入口からそっとミレイユに手を差し伸べるレナードに躊躇する
「ん、どうしたの?お手をどうぞ、お姫様」
「いけません…レナード殿下にはフィアンセがいらっしゃるではありませんか」
困ったように眉を下げるミレイユ
「いないよ」
「お隣にいらっしゃる女性を見かけました」
「あの子とは(仮)婚約だよ」
「えっ?」
意味が分からず動きが止まってしまう
「私は幼い頃から好きな子がいて、諦めきれなくて、周りがうるさいから(仮)婚約だった、彼女は私の側近が好きだったんだけど、どうやら周りからは反対されていて、この度私との話が白紙になって、めでたくそいつと婚約したよ」
機嫌良く説明するレナード
「そうでしたの、存じ上げませんでした」
驚くミレイユ
「だから、私の手を取ってくれ」
躊躇うミレイユだが隣国の王子に恥をかかせるわけにはいかないので、おずおずと手を取ると馬車から降ろされた
「今からどこへ行くの?」
「街の散策に行こうと思いまして…」
「私も一緒にいっても良い?」
「レナード殿下が、うちの領地の街へわたくしとですか?」
「ダメ?」
困ったような顔をするイケメンは反則だ…断れない
「ダメ…では…ありません」
「オッケーと言うことだね」
にこりと微笑まれた
「本当にいらしたんですね王子殿下…」
「挨拶に行くと手紙を出したでしょう?ミレイユにはなんと?」
「娘には伝えておりません、時間が欲しいのです」
「ふーん、またですか?一回目はそれでクロヴィスに取られたんだけどね」
侯爵の額からは冷や汗が流れる…
「婚約が解消されたばかりですから娘の気持ちを慮って頂きたいのです」
「勿論だ!しかし前例があります、ミレイユに会わせてください」
「娘は現在療養中のため、領地におります」
「会いにいって良いか?」
「無理な事をなさらないとお約束いただければ」
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「ミレイユ、どうしたの、呆けちゃって」
母に言われ
「今日は何をしようかと考えていたの」
領地に帰りたいと言ったのは自分なのに、何もすることがないと一日がとてつもなく長く感じる。
「そうねぇ、ルイがいたら一緒に遊んでくれるのにね」
母が笑いながらミレイユを見る
「そうなの…ルイと家族になってこんなに離れたことがないから寂しいわね」
「クロヴィス殿下もでしょ?」
「…そうだけど、もう婚約者ではありませんし」
「あなた達は幼い時、仲が良くていつも一緒に遊んでいたのにね」
「婚約をしてから昔のように過ごすことが出来なくなりました…あら?おかしいわ殿下の顔が思い出せない」
「お嫌いではないんでしょう?」
「えぇ、幼馴染として嫌いにはなれません」
「ミレイユの好きにしたら良いわ、あなたの将来ですものね」
くすくすと笑われた
「なによ!お母様ったら」
「暇なら街に行ってみたら?護衛を付けていってらっしゃいな」
「お嬢様、動きやすい格好にお着替えいたしましょう」
メイドに用意された服を着る。
シンプルだが気品のあるふくらはぎほどの丈のワンピースだった。
「確かに動きやすいわね、王都でこんなに短いスカートを履いていたら驚かれそうね」
ふふっと笑うミレイユ
久しぶりに笑うミレイユを見たメイドは嬉しそうに
「ヘアースタイルも変えましょう」
手早く編み込みをされハーフアップになった
「さぁ、お嬢様行きましょう」
侯爵家の馬車に乗り街へと出掛ける
のんびりとした静かな風景を見ていると王都での喧騒が嘘のようだ
急に馬車のスピードが落ちてきた
「どうしたのかしら?」
ミレイユがメイドに尋ねる
「少し見て参ります、お待ちくださいませ」
馬車が完全に止まってしまったのでメイドが馬車を降りて従者に聞き行くと焦って戻って来た
「っお嬢様、その、」
「なぁに?」
メイドを見る
「ミレイユ!」
綺麗で良く響く声の男の人から名前を呼ばれた
「えっ?」
メイドの後ろから、声の持ち主で懐かしい顔の男の人が現れた
「…レナード殿下?」
「久しぶりだね」
優しい笑顔を、ミレイユに見せる
「お久しぶりでございます、その、どうして…」
「どうしてって?ミレイユに会いにきたんだよ、領地にいると侯爵に聞いた」
馬車の入口からそっとミレイユに手を差し伸べるレナードに躊躇する
「ん、どうしたの?お手をどうぞ、お姫様」
「いけません…レナード殿下にはフィアンセがいらっしゃるではありませんか」
困ったように眉を下げるミレイユ
「いないよ」
「お隣にいらっしゃる女性を見かけました」
「あの子とは(仮)婚約だよ」
「えっ?」
意味が分からず動きが止まってしまう
「私は幼い頃から好きな子がいて、諦めきれなくて、周りがうるさいから(仮)婚約だった、彼女は私の側近が好きだったんだけど、どうやら周りからは反対されていて、この度私との話が白紙になって、めでたくそいつと婚約したよ」
機嫌良く説明するレナード
「そうでしたの、存じ上げませんでした」
驚くミレイユ
「だから、私の手を取ってくれ」
躊躇うミレイユだが隣国の王子に恥をかかせるわけにはいかないので、おずおずと手を取ると馬車から降ろされた
「今からどこへ行くの?」
「街の散策に行こうと思いまして…」
「私も一緒にいっても良い?」
「レナード殿下が、うちの領地の街へわたくしとですか?」
「ダメ?」
困ったような顔をするイケメンは反則だ…断れない
「ダメ…では…ありません」
「オッケーと言うことだね」
にこりと微笑まれた
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