私は幼い頃に死んだと思われていた侯爵令嬢でした

さこの

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自制が……

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 思わずマリアを抱きしめてしまった……。

「マリアが可愛いことを言うからいけない」

 マリアを抱きしめながら視線をメイド達にやり、手を振るとメイド達が部屋から出て行った。扉は少し開けてあるようだ。こんな姿をメイド達に見られるとは……


 完敗だ……



「え? なんで? 思ったことを言っただけですよ」


「いつもの話し方はどうした? 見た目だけではなく中身も変わったのか?」

 可愛いかったマリアが大人の女性へと変化している。会えなかった時間がそうさせたのか? 俺に距離を感じているとか? 妙な焦りがそうさせてしまったのかもしれない。

「それは、リアンさんに私が変わった? ところを見せたかったから……だってリアンさんは大人だから……私はまだ大人になってないっていうか、」

「俺の為?」

「はい。リアンさんのお隣に居たいから、ちゃんと学んでいるんですよ」

 ……単なる可愛い理由だったのか。マリアは学生で同じ年頃の子息との出会いも多い。夜会などに行くと声をかけられる事もあるだろう。情けない事に嫉妬をしているようだ。好かれている事に胡座をかいては行けない。

「二人の時はいつものマリアで居てくれ。落ち着かない」

「……落ち着かないのは、今だよ。リアンさんどうしたの? 甘えたさんになったの?」

 マリアが俺の頭をヨシヨシと撫でてきた。心地がいい。

「……そうかもな。マリアが腕の中にいると思うと安心できるよ」

「……リアンさんこれ誘惑作戦?」

 ……今マリアに誘惑されると自制が効かないかもしれない。それくらいマリアに会えて嬉しいと思っているなんて……

「……いや、本心で伝えているんだ」

「恋人みたいだね」

「そうだな。マリアが嫌じゃないならしばらくこうしていたい」

 マリアの髪に少し顔が埋まりくすぐったいが、悪くないな……

「うん。リアンさんの胸の中は心地が良い。厚い胸板も落ち着く」

 数分後マリアは息が苦しくなったのかはぁはぁと息をしながら顔を赤く染めていた。白い肌にその姿は艶かしく写る。1~2年待ってね。と言われてから1年ほどが経った。後1年待つとマリアはどうなるのか……本当に末恐ろしい。後1年でマリアが18歳で俺が30歳……



「悪い。つい力が入ってしまった」

 マリアの身体を解放した。

「ねぇねぇリアンさん」

「ん?」

「大好きだよ」


 ……今言うなって! ようやく落ち着いてきたばかりなのに……

「俺も好きだよ!」

 また敗北感……下を向き頭を両手でぐしゃぐしゃと掻きむしった。

「どうしたの?」

 マリアは天然で俺の心を擽る天才だ……考えてもダメだ。

「いや、マリアの事思っていた以上に好きみたいだ」

 何言ってんだよ。今更かよ……と自分でも思う。そうじゃないと婚約なんてしないのに、言い訳していたんだろうな。

「リアンさん……嬉しいよ」

 そう言ってぎゅっと俺の胸に飛び込むマリア……あぁ可愛いな。背中を撫でるがそろそろ離れてもらわなきゃ色々と困る。年頃の娘というのは色々と成長が早いものだ……

 マリアの頭にキスを落とした。

「ドレスが皺になるぞ。そろそろ食事の時間だし両親を待たせるのも悪いから行くか……」

「うん。お食事が済んだらリアンさんお仕事?」

 今日はマリアが来るので早く帰ってきたくて仕事を持ち込んで来た。書類の確認をするくらいだ。帰ってくる途中で出来る書類は終わらせた。あと一時間もあれば終わるだろう。

「あぁ。少しだけやらなければならない仕事があるんだが、寝る前に少し時間あるか?」

「うん。夕食の後は読みかけの本を読んで湯浴みして寝るだけだよ」

 最近マリアはうちの国の言語で書かれた本を読み復習しているようだ。教師が用意した教科書もうちの国の言葉で書かれている。そしてメイド達に流行の本を教えてもらい読んでいる。と聞いた。

「見せたいものがあるから、夜に部屋へ迎えに行くよ」
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