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再会〜リアン〜
しおりを挟む「リアン様。お久しぶりですわ」
マリアが屋敷に到着した。途中まで迎えに行きたかったのだが、休みを取るためにはどうしても今やっている仕事を終わらせたかった。会議もあるし視察もあるしで大忙しだった。そしてやっと休暇となった。疲れているところは見せたくない。遠いところ来てくれるマリアも疲れているだろう。
半年ぶりに見るマリアは、幼さが抜け驚くほど美しく大人の女性になっていた。艶のある髪に陶器のようなキメ細い肌エメラルドグリーンの瞳はキラキラと輝いて見えた。俺をみて嬉しそうに頬を緩めて挨拶をする。
「久しぶりだな。会いたかったよ。迎えに行けなくて悪かった」
「マリーちゃん、疲れたでしょう休憩にしましょう。シェフが張り切ってお菓子を沢山作ってくれたのよ」
母もマリアに会えて嬉しそうだ。父は不在にしていた。
「お義母様、ありがとうございます。わたくしの為に用意してくださったんですか。嬉しいです」
屋敷の使用人にも挨拶していて使用人達も嬉しそうにしている。執事長なんてまるで孫を見るような目つきだ。
マリアと母と三人でお茶をし、マリアの学園での話を聞いたり家族の話を聞く。友達の家に招かれたようで特産の岩塩を土産に貰ったようで、シェフに渡していた。まろやかな風味が料理を引き立てるようだ。
学園では淑女らしく裁縫の時間があるようで、刺繍を嗜むようになったようだ。
母と私に刺繍したハンカチを渡してきた。母はとても喜んでいた。女の子って良いわね……むさ苦しい男とは違って。なんて言っていた。それから少しして母は、あとは二人で……なんて言って出て行った。
「部屋に行って休憩するか?」
今いる場所はサロンだ。到着早々サロンで話をしていて息をつく暇もないだろう。着替えをしたり湯浴みをしたいだろう。
「そうですね。楽な服装に着替えても良いですか? 所々で休憩をしてきたので、そこまで疲れていませんよ。お気遣い頂きありがとうございます」
使用人が見ているからかマリアは、外向けの口調だった。
手を取って歩き出し部屋へ案内しようとすると、ぎゅっと腕を組まれた。
「リアン様、とても会いたかったですよ」
「あぁ、俺も会いたかったよ」
にんまりと笑うマリアを見たら半年なんてあっという間だな。と思った。毎日が忙しくて屋敷には寝る為に帰ってきているようなものだ。
「今回は滞在が短いのでまた寂しくなっちゃいますね」
「来たばかりなのに、もう帰ることを考えているのか? それは寂しいな」
交通の便を考えると片道一週間は長いよな。国境近くにある領地を通りたくなくて、大回りしてこなくてはいけない。ショートカット出来れば一日~二日は早くなるはずだ! そう思い国境近くの領地の領主と話し合いをする事にした。盗賊が多く治安も悪い。
しかも通行税がやたらと高いくせに、貴族や商人の馬車が狙われることも多々あり放っておく事は出来ない。
領地の視察へ向かうと賞金首の奴らが匿われていた。犯罪組織も明るみになり、領主を捕らえ領地を没収し王の名の下、領地改革を行う事になった。その為にはまず道路の舗装をする事になった。
なんで今まで出来なかったのか? それは王家の恥である元第一王子が口出ししていた、曰く付きの領地だったからだ。上納金を納めるように言いおいしい思いをしていたようだ。一生監禁だな……道理で金回りがいいと思った。
「寂しく思ってくれるのですね。嬉しいです」
部屋に入り並んでソファーに腰掛ける。妙に緊張する……半年ぶりだからだろうか。
「リアンさん、疲れた顔してるよ? リアンさんこそ休憩しなきゃ……また私のために無理してない?」
二人になるといつもの口調に戻った。
「……無理はしていない。最近少しバタバタしているから休日が取れなくてな……だからマリアが来てくれて休暇が取れたから良かったよ」
「来た甲斐があったね」
「今回はしっかり休みを取ったから一緒に過ごそう。王宮の夜会もあるからその時にマリアを皆に紹介する」
「はい。リアンさんとの夜会に行くの久しぶりだね」
「紹介しろと、職場でも言われているんだ。面倒だけど頼む」
「リアンさんが恥じないように頑張るね!」
ドレスやアクセサリーなどはすでに用意してある。俺の好みのドレスをマリアに着せられると言うのは悪くない。
婚約してからマリアベルはこの国の夜会に初めて参加する。きっと注目を浴びるだろうな。
問題があるとしたら……
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