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フランツ・エル・シーバ
しおりを挟む私の名前はフランツ・エル・シーバこの国の第五王子として誕生した。父と母がどうしても女の子が欲しいと言い女の子が産まれるまで……と頑張ったらしいのだが産まれて来たのは私だった。
流石に五人目ともなるとドクターストップがかかり父と母の望みは叶わなくなった。
両親は私達兄弟の妻や婚約者にはとても優しく本当の娘のように接している。私達兄弟にはとても厳しいのにな……
その影響もあり私達兄弟の妻や婚約者は皆仲が良く本当の姉妹のようにも見える。
母を囲んで月に何度も茶会をしているがそれはそれは華やかなもので、そこだけ別世界と言った感じもする。
兄の妻や婚約者は公爵家・侯爵家・伯爵家・子爵家と様々な身分で私の婚約者はアリスフィア・ブラックという伯爵家の令嬢だ。
アリスフィアの父親は大臣をしていて、母親は王妃との親交もあり、兄は私の長兄である王太子の側近を務めていてブラック伯爵家は絶大なる信頼がある。それ故アリスフィアが婚約者となったと言う経緯がある。
古くからの家門で王家に忠実……周りから見たら婚約して当然。と言う流れだった。
アリスフィアは黙っていれば可愛いのだが、生意気だ。そこが難点。
女なんて男の言うことをはい。と聞いていればいいのに、すぐに反論するのだ!
『うるさい! 黙っていろ! 俺の言う事に口出しをするな! お前は生意気なんだよ! 一緒にいたら息が詰まる! お前の顔を見たくない』
三ヶ月ほど前に口論の挙句にアリスフィアにそう告げた。
するとアリスフィアはなんと言ったと思う?
『分かりました。何も言う事はございません。顔を見たくないとおっしゃるのならそのように』
そう言って背中を向け去っていった。この時点で分かるだろう? この生意気加減が!
ちゃんとした挨拶もなしに去っていったのだ! 淑女ならば淑女らしくきちんとした礼があるだろう! それに私が“出ていけ”と返事をする前に去っていった!
そんなことを言いながらもどうせ会いに来るに決まっている。母上達との茶会もあるのだから! そして学園でも声をかけて来るに違いない。
と思っていたのに……学園では顔を見る事が全くなかった。おかしい。
……母上達と茶会はしているんだよな?
え? もう帰った? そ、そうか。
……学園には来ているんだよな?
え? 毎日通っている? そ、そうか? それなら、うん、良い……
そして一ヶ月が経ち、下校の際馬車に乗り込むアリスフィアの姿を見た。後ろ姿だがあのストロベリーブロンドの髪は間違いない。
良い加減に謝りに来いっ! お前のせいで執務も滞りこっちは寝不足だ!
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