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え! お魚を捌くのですか?
しおりを挟む「ジェシー凄いな、五匹も釣れたのか?」
アーネスト様がジェシーさんを褒めていました。
「うん、網に入れるのはてつだってもらったけどいっぱい釣れた!」
「ジェシーさん、すごいですね!」
バケツの魚を見て言いました。
「おねーちゃんは焼いたお魚好き?」
「えぇ、好きですよ」
グリルをして香草をたっぷり乗せてある魚料理は美味しいですよね。
「お昼は僕の釣ったお魚を焼いて食べようね」
釣ったばかりの新鮮なお魚を食べられるなんて贅沢ですわね。
「まぁ。それではご馳走になります」
と言って笑った──
******
「アーネスト様、危ないのではないですか? 子供に包丁を持たせるなんて……」
心配で見ていられません。まさかジェシーさんがお魚を捌くなんて思いもよりませんでしたもの!
「大丈夫ですよ。ジェシーは小さい頃から剣術を習っていますし、剣に比べると包丁は扱いやすいですから」
えっと……そういう問題ではないような?
「うちの下働きには小さな子供もじゃがいもの皮を剥いています。それが仕事ですし、ジェシーには教育だと思っています」
教育?
「ジェシーが釣った魚にも命があります。それを頂くので感謝しなければなりません。自分で釣った魚を捌くというのはそういう事なのです。捌けないのなら始めから釣りなどしない方が良いです」
魚は生きていて、それを私たちが食べるということはそういう事だとアーネスト様は言った。
しばらくして私もジェシーさんが魚を捌く所を見る事にした。
頭を切り落とし、内臓を取り出していた。器用に包丁を使い食べられるように処理をしていた。血のにおいがした。
ジェシーさんは火をおこし魚を串に差し焼きはじめた。私は知らなかった。調理された魚しかしらなかったから。
「ジェシーさんは凄いですね」
心からそう思った。まだ小さいのに魚をいただくという事の意味が分かっているのでしょう?
「ヘヘッ。はじめは慣れなくて大変だったんだけど、アーネストに教えて貰ったんだ」
誇らしげに言うジェシーさんは素敵だと思いました。
「クララさんもお魚を捌くのですか?」
「うん。大きいのは無理だけどこれくらいの大きさなら出来るよ」
女の子でも関係なしに魚釣りをして捌くのですね。
「おねーちゃんは釣り嫌になった?」
正直言うと驚きました。きっと私には無理だと思うけれど、これから魚を見るたびにこの光景を思い浮かべると思う……
「いいえ。今度私にも教えてくださいね」
クララさんはうん。っと嬉しそうにしていました。
「……アリス嬢は無理をしなくても良いのですよ。捌くのは他のものにやらせますから、釣るだけでも、」
「いいえ。アーネスト様の教えに感銘を受けました。命を頂いているのですもの」
怖い気持ちはあるけれど出来るか出来ないかではなく“やる”のよ。そういう気持ちが大事なんだと思う。
「おねーちゃん焼けたよ。はいどうぞ」
そう言って少し焦げた魚を渡された。ジェシーさんはアーネスト様とクララさんにも同じものを渡していた。
塩で味付けをしてあるようだった。これは屋台のようにそのまま口にしていい食べ物なのよね? そう思っているとジェシーさんがかぶりついて魚を食べていた。
「美味しいよ、おねーちゃんも食べてみて」
このような食べ方をするのは初めてだったけれど何事も挑戦。パクッと口に入れると魚の白身と塩がとてもマッチしていて柔らかくてジューシーで今まで食べた魚料理の中で一番美味しく感じた。
今日のランチはアーネスト様、ジェシーさん、クララさんと私の四人で外で食べていた。魚の他は外で食べてもいいようにサンドイッチなど手軽に食べられる物が用意されていた。
外でする食事はとても開放的でのんびりとしていて穏やかな時間だ。見上げるとそこにはゆっくりと流れ形を変えていく雲。
王都にいたらこんな体験できなかったわよね? そろそろ何か動きがありそうな気がするわね。
******
いつもご覧いただきありがとうございます! エールやコメントもありがとうございます( .ˬ.)"この場を借りてご挨拶申し上げます。お返事遅れています。
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