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食事の後
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「とても美味しかったです。飾り付けも華やかで繊細な味付けでした」
「満足いただけて良かったです。でもお礼ですのにどうしてアーネスト様がお支払いされるのですか!」
お礼のつもりで誘ったのにこれじゃ私がただご馳走になっただけ!
「まさかアリス嬢に支払いなんてさせられませんよ。こういう時は男に格好つけさせてください」
いつ支払いされたか分からないから困ったものだわ。
「アーネスト様はこういう場面に慣れていますの? とてもスマートな行動に戸惑ってしまいます」
「まさか! 部屋に入る前に係の人に支払いは私がする。と言ったのです。係の方はもちろん私が支払いするだろうと思っていたので不思議そうな顔をしていましたよ」
確かにこういう場面では男性がお支払いしますわよね。女性が支払っている姿を見たことがないですけれど、私の場合は名前を言えば家に請求される。お父様も了承している。
「予約の時点でうちで支払うと伝えておけば良かったですわね……」
そうよ! 予約して時点でうちの支払いになるのに。部屋に入る前アーネスト様は係の人と話していたわね。だけど一瞬だったと記憶している。
「案内のお礼ですよ。こんなふうに王都でのんびりと食事をするのはいつぶりか思い出せないほど久しぶりで楽しかったです。良かったらまた案内していただけますか?」
「もちろんですわ。今度こそお礼をしますからね」
「それは楽しみですね」
アーネスト様に送ってもらい無事帰宅した。外食となるとアーネスト様は支払いをしそうだわね……
その後散策がてら何度か会うことになった。アーネスト様は王都への滞在が本当に珍しいようで来客の対応に追われているのだとか。
私も王都に戻ってきて友人たちからお茶会の誘いがあり出かけることにした。親しい友人たちだけが集まる場だから気兼ねなく話をする事が出来た。そして噂とは早いものでフランツ殿下が北の大地へ向かった事がもう知れ渡っていた。レイラとは別行動だったことから二人は別れたことも知っていた。狭い世界だものね。
王族所有の南にある青の宮殿の改修工事が始まったと友人から聞いた。陛下たちが引退後に過ごすことになるから改修に入っているようだった。
「誰かが住まわれるみたいで、聞いた時はフランツ殿下が住むと噂になっていて、貴族たちの反対の声が上がっていたようだけど完全に否定していたから、別の王族の方が住む予定だとか? 近いうちに発表があるだろうって聞いたわ」
隠しきれないわよね……まさか陛下が引退するだなんて。もうすぐ発表があるみたいだし知らないふりをしよう。
「そう言えばアリスがお世話になっていたグレマン卿だけど、お父様たち世代からの人気が高いみたいね。せっかく王都に来ているのだからと自分の娘を紹介したいとグレマン卿のもとに縁談が殺到しているみたいだね」
だから最近忙しくされているのだわ。と思うと少し心がピリッとなった。なんだろう?
「グレマン卿ってどんな方?」
「そうねぇ。優しくて隣国との対話を続けていて素晴らしい方だと思うわ」
グレマン領でお世話になっていたときと王都での振る舞い方の違いを思い出しふふっと笑う。
「へー。そうなんだ。実はうち父も私に会ってみないかって話を進めているみたいで今度会うかもしれないのよね」
お見合い。
「そう……」
「ちゃんと報告するから安心してね」
そうよね。アーネスト様は婚約者がいてもいい年頃だもの。お父様も言っていたわ。アーネスト様はお父様世代に人気があるのよ。グレマン伯爵も隣国との和平に力を尽くした方だからその息子さんとなると花婿に欲しいって思うわよね。アーネスト様が今回王都に長く滞在されている理由って婚約者を見つけるためだとか? それなら私がいたら邪魔じゃない! 王都を案内するなんて約束をしたからその約束を守ってくださっているだけ。どうせ食事に行ってもお礼をさせてくれないのだから、お礼はお父様にお任せしてなるべく会わないようにしよう。
夕食の時間になり家族が集まった。
「アリス、今日王宮でアーネスト殿に会ったぞ。最近は忙しいようだ。アリスは元気にしているかと聞かれた。また食事にお誘いしたらどうだ?」
王宮に通っていらっしゃるのね。
「そうですね。でもお食事に行ってもお礼をさせていただけませんから、お父様からお礼をしていただいてもよろしいですか? なんだか時間ばかり取らせているようで申し訳ありませんもの」
お忙しいのにわざわざ食事だけのために時間をとってもらうのが申し訳ない。これは正直な気持ちでもある。
「そうかい。それなら何か検討してみよう」
「お願いしますね」
これでいい。
「満足いただけて良かったです。でもお礼ですのにどうしてアーネスト様がお支払いされるのですか!」
お礼のつもりで誘ったのにこれじゃ私がただご馳走になっただけ!
「まさかアリス嬢に支払いなんてさせられませんよ。こういう時は男に格好つけさせてください」
いつ支払いされたか分からないから困ったものだわ。
「アーネスト様はこういう場面に慣れていますの? とてもスマートな行動に戸惑ってしまいます」
「まさか! 部屋に入る前に係の人に支払いは私がする。と言ったのです。係の方はもちろん私が支払いするだろうと思っていたので不思議そうな顔をしていましたよ」
確かにこういう場面では男性がお支払いしますわよね。女性が支払っている姿を見たことがないですけれど、私の場合は名前を言えば家に請求される。お父様も了承している。
「予約の時点でうちで支払うと伝えておけば良かったですわね……」
そうよ! 予約して時点でうちの支払いになるのに。部屋に入る前アーネスト様は係の人と話していたわね。だけど一瞬だったと記憶している。
「案内のお礼ですよ。こんなふうに王都でのんびりと食事をするのはいつぶりか思い出せないほど久しぶりで楽しかったです。良かったらまた案内していただけますか?」
「もちろんですわ。今度こそお礼をしますからね」
「それは楽しみですね」
アーネスト様に送ってもらい無事帰宅した。外食となるとアーネスト様は支払いをしそうだわね……
その後散策がてら何度か会うことになった。アーネスト様は王都への滞在が本当に珍しいようで来客の対応に追われているのだとか。
私も王都に戻ってきて友人たちからお茶会の誘いがあり出かけることにした。親しい友人たちだけが集まる場だから気兼ねなく話をする事が出来た。そして噂とは早いものでフランツ殿下が北の大地へ向かった事がもう知れ渡っていた。レイラとは別行動だったことから二人は別れたことも知っていた。狭い世界だものね。
王族所有の南にある青の宮殿の改修工事が始まったと友人から聞いた。陛下たちが引退後に過ごすことになるから改修に入っているようだった。
「誰かが住まわれるみたいで、聞いた時はフランツ殿下が住むと噂になっていて、貴族たちの反対の声が上がっていたようだけど完全に否定していたから、別の王族の方が住む予定だとか? 近いうちに発表があるだろうって聞いたわ」
隠しきれないわよね……まさか陛下が引退するだなんて。もうすぐ発表があるみたいだし知らないふりをしよう。
「そう言えばアリスがお世話になっていたグレマン卿だけど、お父様たち世代からの人気が高いみたいね。せっかく王都に来ているのだからと自分の娘を紹介したいとグレマン卿のもとに縁談が殺到しているみたいだね」
だから最近忙しくされているのだわ。と思うと少し心がピリッとなった。なんだろう?
「グレマン卿ってどんな方?」
「そうねぇ。優しくて隣国との対話を続けていて素晴らしい方だと思うわ」
グレマン領でお世話になっていたときと王都での振る舞い方の違いを思い出しふふっと笑う。
「へー。そうなんだ。実はうち父も私に会ってみないかって話を進めているみたいで今度会うかもしれないのよね」
お見合い。
「そう……」
「ちゃんと報告するから安心してね」
そうよね。アーネスト様は婚約者がいてもいい年頃だもの。お父様も言っていたわ。アーネスト様はお父様世代に人気があるのよ。グレマン伯爵も隣国との和平に力を尽くした方だからその息子さんとなると花婿に欲しいって思うわよね。アーネスト様が今回王都に長く滞在されている理由って婚約者を見つけるためだとか? それなら私がいたら邪魔じゃない! 王都を案内するなんて約束をしたからその約束を守ってくださっているだけ。どうせ食事に行ってもお礼をさせてくれないのだから、お礼はお父様にお任せしてなるべく会わないようにしよう。
夕食の時間になり家族が集まった。
「アリス、今日王宮でアーネスト殿に会ったぞ。最近は忙しいようだ。アリスは元気にしているかと聞かれた。また食事にお誘いしたらどうだ?」
王宮に通っていらっしゃるのね。
「そうですね。でもお食事に行ってもお礼をさせていただけませんから、お父様からお礼をしていただいてもよろしいですか? なんだか時間ばかり取らせているようで申し訳ありませんもの」
お忙しいのにわざわざ食事だけのために時間をとってもらうのが申し訳ない。これは正直な気持ちでもある。
「そうかい。それなら何か検討してみよう」
「お願いしますね」
これでいい。
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