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外出禁止です
「脅迫状?」
私付きのメイドが話があると報告してきた。
「はい。脅迫状だと……思います。お嬢様宛だったのですが差出人が書かれていないく気持ちが悪かったので、執事さんとクレイグ様に相談し開封をさせていただきました。念のためしばらく外出を控えていただく事となりました」
「外出禁止?!」
「はい。何か必要なものがありましたら私が購入してきますので仰ってください!」
「いいえ、そういうわけではないのよ。用事はないのだけど悪いこともしていないのに外出禁止と言われるとね。それより手紙の内容を聞かせてもらってもいい?」
グレマン子息と会うのはやめろ。
釣り合わない。
今度二人で会っているところを見かけたら命はない。
「ざっくりですがこのような文面がびっしりと書かれていて脅迫文というか気持ち
が悪かったですね」
「今まででみた事がある文字だった?」
メイドに手紙の管理を頼んでいるから何か気づいた事は無いかと聞いてみる。
「いいえ、定規か何かを使って書かれた角ばった文字でした」
「そう。それは悪質ね。アーネスト様と食事に行ったことを知っているという事ね」
「そのようですね。何があるか分かりませんのでグレマン卿とは会われない方が良さそうですね」
アーネスト様を婿にと狙っている家の人なのかしら。二人で(実際は二人じゃ無い)レストランにも行ったし街歩きもした。どこで見られているか分からないから気をつけるに越した事ない。
※
「お邪魔します。王都に美味しいケーキ屋さんがあるから誘おうとしたら家に来て欲しいなんて返事があったものだから体調でも悪いのかと思って心配したわ。元気そうじゃないの」
「シーラ。ごめんなさいね。ちょっと訳あってしばらく屋敷から出ないようにお父様に言われているの。教えてもらったケーキは買ってきてもらったわ」
ケーキ屋さんに誘われてお店に行きたかったけど、脅迫状の件もあるから断った。でもシーラが話があるというものだから屋敷に来てもらう事に。ケーキ屋さんの名前を言うとメイドたちは知っていて、有名なお店だと言う。お客さんはほぼ貴族のようで、料金設定も高めだと聞いた。買ってきてもらったお礼にケーキを渡したらすごく喜んでくれた。キラキラしたフルーツ、艶々したチョコレートが見るからに美味しそうで人気が出るのがよくわかる。
「ありがとう! いつも行列なのに用意してくれて嬉しいわ」
まずはケーキでお腹を満たしてから……
「美味しかったわね。たくさん買ってきたから残りはお土産に持って帰ってね」
「ありがとう、お母様が喜ぶわ」
ケーキを片付けてもらい、ちょっとつまめるようなお菓子と紅茶を用意してもらった。
「そういえば手紙に話があるって言っていたわね。何かあったの?」
学園で何かあったとか? 長期休暇も終わっているのだけど私は学園に通っていない。学力的には問題ないし卒業試験もクリアしてあるから行かなくて問題がないし、婚約破棄騒動があったのに平気な顔をして学園に通うほどの強心臓は持ち合わせていないのだ。こうして友人と会うこともできるし、学園へ行かずとも全く問題がない。
「そうだった! この前のお茶会でグレマン卿とお会いするかも。なんて冗談で話が出ていたじゃない?」
冗談だったの? シーラのお父様は乗り気だとか言っていたわよね?
「えぇ」
何人の令嬢とお会いしているのかしら……
「一昨日グレマン卿にお会いしたの。アリスが言った通り優しい方だったわ」
「……そう」
「何を話したか知りたくないの?」
「それは……プライバシーに関わる事だから聞けないわよ」
私が無理やり聞き出して知った顔をしたくもない。
「そう? 問題ないわよ。だってアリスの話しかしてないもの。はじめは笑顔だったけど素っ気ない感じ? の印象だったのよ。グレマン卿は自分のことを話すわけでもなく場つなぎみたいな感じで私のことを聞いてきて、年齢とか学園に通っていることを話したらアリスの話題になってね」
ん?
「なぜ私の話題に?」
「もちろんグレマン卿からアリスの名前を出したわけではなくて、私がアリスと友達でグレマン卿に話題をふったのよ」
「そう。シーラからならいいわ。シーラと会っているのに他の異性の話をしたのなら失礼だと思って」
「ふふ。それはないってば! 話題がなくて共通の知り合い? の話をしたらたまたまアリスだったのよ。最近グレマン卿とお会いしてないんでしょう?」
「えぇ。会う理由がなくて。グレマン領でお世話になったお礼がしたいのにさせてくれなくて……アーネスト様もお忙しいでしょうからお父様にお礼を頼んだの」
「……忙しくてもアリスと食事をする時間はありそうだけど?」
「お父様が王宮でお会いしたと言っていたけれど忙しそうだったと言っていたわ。こんな長く王都に滞在するのは珍しいみたいね」
あれからまた王宮でアーネスト様に会ったと聞いたもの。会議などにも出席しているようだし、外国のゲストを迎えた食事会にも参加していたって。以前は私もフランツ殿下の婚約者として出席したこともある。
「アリスは元気かと聞かれたわよ。慣れない王都にいるから知り合いに会いたいのかも」
「気にはされているかもしれないけれど私とばかりいたらアーネスト様のためにならないわよ。アーネスト様は婚活……されているのでしょう?」
「あぁ、そういう噂だったけれど全くその気はないみたいよ。それよりも! グレマン卿と話をしなさいね。急に連絡が途切れたらグレマン卿もどうすればいいか分からないでしょう?」
そう言われてもねぇ……
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