【完】貴方達が出ていかないと言うのなら、私が出て行きます!その後の事は知りませんからね

さこの

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医師を呼ぶ

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 執事長とメイド長を呼んだ。

「聞いていましたわよね?」

 アナベルが言うと二人からは、はい。と言う返事が聞こえた。


 メイド長にはクララさんの持ち物はジェラール様の部屋に運ぶようにと指示した。


 あくまでも私物のみ。


 我が家の物を勝手に使わせないようにと言い、全てのゲストルームに鍵を掛けておくようにと言った。ついでに備品庫も。



 執事長には婚約破棄の書類を早急に用意するようにと伝えた。もちろん当主であるお母様の承認が必要ですけれど、それは手紙をお送りする事にして……。


「結婚する前で良かったわ。こんなことになるなんてね……。正直書類に手をつけない時点で一緒になる事は遠慮したいと思ったのだけど」


「お嬢様、差し出がましい事を申しますが、早々に縁を切った方がよろしいかと……」


 執事長に言われて頷いた。


「嫌がらせをするわけではないけど、愚かな二人の末路をしっかりと見ておきたくて意地悪しちゃった。だって婚約者の家で使用人もどきと相部屋で暮らすというのよ? 考えなくても自分達に非があると分からないのかしら? そうだ! 医師の手配はできてる?」


 病人ですからお医者様に来てもらいましょう。謎の病かもしれませんしね。


 それにしても相部屋がお嫌なのにジェラール様はなぜクララさんと同じ部屋で過ごすと言うのかしら? 



「はい、手配済みです」


「それでは明日の早朝に来てもらいましょうか」


「そのように」



 そう指示すると執事長とメイド長は執務室から出て行きました。



 私は溜まっている書類と格闘することにした。ジェラール様にやらせる事は諦めましたし、重要な書類もあるのだから情報を渡す事は出来ません!



******

 ~翌朝~


 朝食を取り終わると、医師が来たそうで早速ジェラール様の部屋にいるクララさんの様子を見てくれました。


 二時間程で医師は出てきて、私に説明をしてくださいました。


 体に悪いところは見られませんね。と言いましたので、それならどこが悪いんですの? と聞きました。


 


 帰ってきた答えは





 【頭】です……。





 医師が真顔で答えますので、つい笑いそうになってしまいましたわ。



 診断中に、胸が苦しい。と言うので、胸の音を聴くと悪いところはない。

 お腹が痛い。というので触診をしたが、おかしなところはない。

 胃が痛い。と言うので検査をしようとしたら、机の上にはお菓子を食べた形跡や酒瓶が……。


 歯が痛い。と言うので口の中を見ると虫歯がありましたな……。


 歯を磨くようにと言っておきました。私は歯科医ではないのでな。


 その後も、足が痛い、腕が痛い、頭痛がするなど言ってきたのですが、どこもかしこも悪いところは見当たりませんよ。


 そんなに調子が悪いのならベッドで寝ているようにと言いました。




 例えて病名をつけるとならば……………

  


 な、何かしら!





 【仮病】ですな。






 随分と勿体振りましたわね…………。






 いろんな病気の患者を診断してきました。患者は皆生きるのに必死で、治したい一心で治療を受けるのです。


 まだ若くて、働けるのにあんな嘘ばかりを並べてサボる様な人間にはお灸を据えてやらねばなりませんなぁ。


 まずは一日中寝かせておきなさい。そして、病人食のレシピを渡しておきます。
 この通りに一日二食出してやりなさい。健康な人間なら耐えられないでしょうな。

 おぉ、そうだ。ついでにこれも飲ませてやりなさい。


 とても苦い薬草。


 何に効くかというと胃もたれ。

 あの部屋にある砂糖たっぷりの菓子や酒を没収してきましたぞ。


 これからは看護師に一日二回患者の具合を見に行かせます。




 あら、嫌だわ。このお医者様って素敵な性格の持ち主ね。ふふっ嫌いじゃないわ。


「分かりましたわ。わざわざおいでくださってありがとうございました。お医者様の言う通りに致しますわね」


 お互いに、笑い合ったのは…………気のせいですわよ!





 




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