【完】婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました

さこの

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セリーナへの告白

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「セリーナ大丈夫か?」

 王宮で手当てを受けるセリーナ。足を捻っただけなのに王宮に連れてこられるとはなんとも過保護なような気がしますわね。

 教室から馬車まではジェフェリー様に運んでもらいましたし、馬車を降りてもそれは変わらずでしたの。

「えぇ。ちゃんと手当てはしていただきましたし、一週間ほど安静にしていれば問題ないと言われました」


 足首と手首には痛々しい包帯が巻かれています。固定すると言う意味も含めての処置ですが、大袈裟ですわ。


「利き手が使えないのは不便だな」

 ジェフェリー様が私の座っているソファの隣に腰掛けました。


「そういえばこの部屋は?」


 壁紙はアイボリーにグリーンの装飾、小物はピンクとゴールドで纏めてありました。可愛くて落ち着く室内ですわね。

 客室とはまた違う雰囲気で貴族の令嬢のお部屋と言うイメージかしら? 家具もまだ使われていないように綺麗です。どなたかのお部屋とか?


「……セリーナの、部屋、なんだ……」

「私の????」


「……………………………………」


 あら? 久しぶりの無言タイムですわね。












「…………数年前に……用意して、言い出せないまま……今に至ります」


 膝に肘を置いて下を向き顔を隠してぽつりぽつりと説明を始めました


「王宮に……その、部屋があると、何かと、その、便利だから……着替えが必要な場合とか……その、疲労の際に休める、個室を……」


 ジェフェリー様が用意をしてくださっていたのですね。知りませんでしたわ


「ありがとうございます、嬉しいですわ」

 こんな事をしてくださっていたのですね。そう思い感謝を告げました。伝えるのが下手というか……伝わりませんわよ! もうっ!


「後ろ……見て」


 後ろ? 振り向くとそこには純白のドレスの裾に向かって小さなピンクと紫の宝石まるで花のように見えるデザインのものでした。可憐で華奢なデザインはおそらく皆さんの目に触れると注目を浴びる事になるでしょう。


「素敵なドレスですわね」





「…………セリーナのデビュタントのドレスなんだ」


「え! ジェフェリー様が用意してくださったのですか」


「…………婚約者、なんだから」



「言ってくだされば良かったのに……私知らなくてジェフェリー様に酷いことを、」


「いや、それは私が悪かったんだ。誤解させるような態度をとっていた。今更だけど……本当にセリーナの事を思っているんだ」




 このドレスを見ているとジェフェリー様の言葉は嘘ではないと思いました。恐らくですがこのドレスを作るのには相当な時間が掛かったと思いますもの。


「はい、謝罪はしかと受けとりました。私もジェフェリー様を理解していなかったんだと痛感しました。お互い様ですのね」



 ジェフェリー様はスーハースーハー…………と息を整えてよし! と私の前に跪きました。わたしの手を取り


「セリーナ・ランディ嬢、今まで君に失礼な態度をとっていた事を心から詫びます。君と出会って婚約をして間もなく十年が経とうとしている。今までもこれからも私の一番は君なんだ」



 真っ直ぐに私の目を見て告白してくださいました。その事が嬉しかったのです。私はジェフェリー様と目を合わせてお話をしたかったのです。


「私もジェフェリー様が一番です」


 にこりと笑って手を重ねました。ビクッとするジェフェリー様はまた呼吸を整えて、わたしの膝に一旦手を置いて、ポケットから何やら小箱を取り出し、ドレスと同じ紫色の宝石のついたリングを、私の指にそっと嵌めてくださいました。


「綺麗ですね。ジェフェリー様の瞳の色ですね」

 改めて付けてくれたリングを間近で見る。

「セリーナの瞳の色も紫だから……」


 もう一箱をポケットから出してきて


「セリーナ私の指にも嵌めてくれない?」


 お揃いのリングでした。


 リングを受け取り緊張しながらジェフェリー様の指に嵌めました。


 少し指が震えてしまいました。ジェフェリー様もこの緊張感の中であんなに堂々と告白してくれたのだと思うと、胸が熱くなりました。


「婚約して十周年だから少し奮発した」


 多分ですが少し奮発どころではないような……。


「少しは格好付けたくて」


 照れながらもきちんとお話をしてくださるジェフェリー様を見ると胸のあたりがぽかぽかとしてきた。


「十分かっこいいですよ。知りませんでしたもの、ジェフェリー様がこんな事を考えていてくれたなんて……嬉しいです」


 感動して涙が込み上げてきました。私に興味がないと思っていたのに、この部屋にあるもの全てが私の好きなものばかりです。


 私が欲しかった言葉も貰えました。


「ありがとう、ジェフェリー様」


 涙を浮かべながらなんとか笑顔を作って感謝を伝えると、目を逸らされましたわ。




「不意打ちのセリーナの笑顔が可愛すぎて尊い……」




 いつものジェフェリー様に戻りました








*☼*―――――*☼*―――――

お知らせです!
飛ばしてくださって結構です( ˊᵕˋ ;)💦

先日から新作の投稿をしました。

【愛していますよ。だから幸せになってくださいね!】と言うタイトルです。

お時間ございましたらそちらも、よろしくお願いします( ๑⃙⃘ˊᵕˋ๑⃙⃘ )


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