6 / 22
葛藤と後悔(サロモン)
しおりを挟む
元婚約者セレスティーヌ・バイエ侯爵令嬢
私が七歳になった時に婚約者になった。
幼い頃の彼女はまるで絵画の中から現れたのではないかと言う様な天使的な可愛さだった。
子供らしくふっくらした頬はマシュマロの如く柔らかそうで、ピンクゴールドの髪の色は彼女の可愛さを際立てた。
手を繋いでバラ園をよく散策した……懐かしい思い出だ。
婚約者として王子妃の教育で週の半分は王宮で一緒に過ごした。
歳を重ねて行くうちに、可愛らしい少女から美しいレディへと成長する、私の隣で笑っていてほしいと思っていた。
優秀な彼女といると、自分に劣等感を抱く事もあるが、彼女に気づかれない様に自分の感情に蓋をする。
たまたま散策に行った下町で笑顔の可愛い子に会った。
その屈託のない笑顔が何故か気になり話しかけた。
身分は子爵令嬢だった。貴族だったか……
家は裕福ではないため、商家に預けられ手伝いをしているのだと言う。
苦労をしているのだな……
この子のために何かをしてやりたいと思ったのが運の尽きだった……
なぜ十年を共に過ごした彼女の存在を軽く見てしまう様な真似をしたのか……
共に学び共に成長をしてきたのに……
子爵令嬢といると自分が優位に立ったつもりになったのか……
初めのうちは可愛いと言う感情でこれが恋だと思った。
学園にも裏から手を回し入学できる様に細工した。
子爵令嬢と人目を忍んで逢瀬する時間はスリルがあった。
アニエスから婚約者に申し訳ないから別れたいと言われた時に、婚約者のことを愛していない、愛しているのはアニエスだ! と、勢い余って言ってしまった…
婚約破棄もするなどと口を滑らした
婚約者であるセレスティーヌにそのことを告げると、悲しむどころか喜ばれてしまった
応援するとは何事だっ……!
セレスティーヌよ! なぜ泣かない?
私の事をどう思っているんだよ……
嫌だよ十年も美しい君と一緒に居たのに
なぜサインをするんだ……
将来私の隣にいて欲しいのはセレスティーヌ君なんだ……そう思う心があるのに彼女は
真実の愛の前では自分は邪魔だの……
真実の愛は素晴らしいだの……
全く話にならないではないか!
結局したくないサインを書かされ婚約が白紙となってしまった。
アニエスのマナーや不勉強な所には呆れる一方で、セレスティーヌとつい比べてしまう
学園でもセレスティーヌを目で追ってしまう……。
叔父上が帰ってくるパーティーにはセレスティーヌも参加するだろう。
パートナーは誰だ……
セレスティーヌは誰の手を取るのだ……
考えていると眠れなくなる
自分が蒔いた種なのに葛藤と後悔で頭が痛い。
私との婚約が白紙となり友人と笑いあうセレスティーヌを見た。
可愛かった……目が離せなかった……
あんな顔っ! 幼少の時以来ではないかっ!
アニエスは学園の寮で暮らしている。
今日のパーティーのエスコートをするため寮まで迎えに行く。
父上がアニエスを見ると言っていたな……
気が重い……
女子寮の為、応接室で待つ様にと案内され、ソファに腰掛けてアニエスを待つ
「サロモン様お待たせしました!」
ドレスを着込み部屋に入ってくるアニエスを見て、度肝を抜かれた……
……なんだそのドレスは……
奇抜なピンク色にド派手なリボン……
頭に大きなリボン……
胸元に大きなリボン……
腰にも大きなリボン……
散らばった大小のリボンリボンリボン……
……頭痛が襲ってきた
……センスのかけらもないではないかっ!
「えへへ、可愛いでしょ?」
何か言葉を発さなくては……冷や汗が出てくる。
「あぁ…似合って、い、る」
なんとか一言だけ褒める言葉が出てきた自分を褒めてやりたい……
「どうかしたの?具合、悪そうですよ……」
心配そうに見つめるアニエスの顔……
顔は可愛いんだよな……
しかし品がないんだその化粧……
「サロモン様、顔色が……」
侍従に頼みアニエスと共にパーティーに行ってくれる様に頼み
「悪い少し休んでから出席するよ……」
馬車を用意させ一人王宮へと戻る事にした
アニエスのドレスを作ろうと、いつものデザイナーに発注をかけようとしたが、セレスティーヌのドレスでないのなら作りたくないと断られた。
デザイナーを探す時間がなく、アニエスの実家が世話になっている商家に頼むと言うので任せたのが悪かった……
コネを使ってでも自力でデザイナーを頼むべきだったのだ……
私が七歳になった時に婚約者になった。
幼い頃の彼女はまるで絵画の中から現れたのではないかと言う様な天使的な可愛さだった。
子供らしくふっくらした頬はマシュマロの如く柔らかそうで、ピンクゴールドの髪の色は彼女の可愛さを際立てた。
手を繋いでバラ園をよく散策した……懐かしい思い出だ。
婚約者として王子妃の教育で週の半分は王宮で一緒に過ごした。
歳を重ねて行くうちに、可愛らしい少女から美しいレディへと成長する、私の隣で笑っていてほしいと思っていた。
優秀な彼女といると、自分に劣等感を抱く事もあるが、彼女に気づかれない様に自分の感情に蓋をする。
たまたま散策に行った下町で笑顔の可愛い子に会った。
その屈託のない笑顔が何故か気になり話しかけた。
身分は子爵令嬢だった。貴族だったか……
家は裕福ではないため、商家に預けられ手伝いをしているのだと言う。
苦労をしているのだな……
この子のために何かをしてやりたいと思ったのが運の尽きだった……
なぜ十年を共に過ごした彼女の存在を軽く見てしまう様な真似をしたのか……
共に学び共に成長をしてきたのに……
子爵令嬢といると自分が優位に立ったつもりになったのか……
初めのうちは可愛いと言う感情でこれが恋だと思った。
学園にも裏から手を回し入学できる様に細工した。
子爵令嬢と人目を忍んで逢瀬する時間はスリルがあった。
アニエスから婚約者に申し訳ないから別れたいと言われた時に、婚約者のことを愛していない、愛しているのはアニエスだ! と、勢い余って言ってしまった…
婚約破棄もするなどと口を滑らした
婚約者であるセレスティーヌにそのことを告げると、悲しむどころか喜ばれてしまった
応援するとは何事だっ……!
セレスティーヌよ! なぜ泣かない?
私の事をどう思っているんだよ……
嫌だよ十年も美しい君と一緒に居たのに
なぜサインをするんだ……
将来私の隣にいて欲しいのはセレスティーヌ君なんだ……そう思う心があるのに彼女は
真実の愛の前では自分は邪魔だの……
真実の愛は素晴らしいだの……
全く話にならないではないか!
結局したくないサインを書かされ婚約が白紙となってしまった。
アニエスのマナーや不勉強な所には呆れる一方で、セレスティーヌとつい比べてしまう
学園でもセレスティーヌを目で追ってしまう……。
叔父上が帰ってくるパーティーにはセレスティーヌも参加するだろう。
パートナーは誰だ……
セレスティーヌは誰の手を取るのだ……
考えていると眠れなくなる
自分が蒔いた種なのに葛藤と後悔で頭が痛い。
私との婚約が白紙となり友人と笑いあうセレスティーヌを見た。
可愛かった……目が離せなかった……
あんな顔っ! 幼少の時以来ではないかっ!
アニエスは学園の寮で暮らしている。
今日のパーティーのエスコートをするため寮まで迎えに行く。
父上がアニエスを見ると言っていたな……
気が重い……
女子寮の為、応接室で待つ様にと案内され、ソファに腰掛けてアニエスを待つ
「サロモン様お待たせしました!」
ドレスを着込み部屋に入ってくるアニエスを見て、度肝を抜かれた……
……なんだそのドレスは……
奇抜なピンク色にド派手なリボン……
頭に大きなリボン……
胸元に大きなリボン……
腰にも大きなリボン……
散らばった大小のリボンリボンリボン……
……頭痛が襲ってきた
……センスのかけらもないではないかっ!
「えへへ、可愛いでしょ?」
何か言葉を発さなくては……冷や汗が出てくる。
「あぁ…似合って、い、る」
なんとか一言だけ褒める言葉が出てきた自分を褒めてやりたい……
「どうかしたの?具合、悪そうですよ……」
心配そうに見つめるアニエスの顔……
顔は可愛いんだよな……
しかし品がないんだその化粧……
「サロモン様、顔色が……」
侍従に頼みアニエスと共にパーティーに行ってくれる様に頼み
「悪い少し休んでから出席するよ……」
馬車を用意させ一人王宮へと戻る事にした
アニエスのドレスを作ろうと、いつものデザイナーに発注をかけようとしたが、セレスティーヌのドレスでないのなら作りたくないと断られた。
デザイナーを探す時間がなく、アニエスの実家が世話になっている商家に頼むと言うので任せたのが悪かった……
コネを使ってでも自力でデザイナーを頼むべきだったのだ……
339
あなたにおすすめの小説
好きにしろ、とおっしゃられたので好きにしました。
豆狸
恋愛
「この恥晒しめ! 俺はお前との婚約を破棄する! 理由はわかるな?」
「第一王子殿下、私と殿下の婚約は破棄出来ませんわ」
「確かに俺達の婚約は政略的なものだ。しかし俺は国王になる男だ。ほかの男と睦み合っているような女を妃には出来ぬ! そちらの有責なのだから侯爵家にも責任を取ってもらうぞ!」
傲慢令嬢にはなにも出来ませんわ!
豆狸
恋愛
「ガルシア侯爵令嬢サンドラ! 私、王太子フラカソは君との婚約を破棄する! たとえ王太子妃になったとしても君のような傲慢令嬢にはなにも出来ないだろうからなっ!」
私は殿下にお辞儀をして、卒業パーティの会場から立ち去りました。
人生に一度の機会なのにもったいない?
いえいえ。実は私、三度目の人生なんですの。死ぬたびに時間を撒き戻しているのですわ。
王太子殿下から婚約破棄されたのは冷たい私のせいですか?
ねーさん
恋愛
公爵令嬢であるアリシアは王太子殿下と婚約してから十年、王太子妃教育に勤しんで来た。
なのに王太子殿下は男爵令嬢とイチャイチャ…諫めるアリシアを悪者扱い。「アリシア様は殿下に冷たい」なんて男爵令嬢に言われ、結果、婚約は破棄。
王太子妃になるため自由な時間もなく頑張って来たのに、私は駒じゃありません!
初夜に前世を思い出した悪役令嬢は復讐方法を探します。
豆狸
恋愛
「すまない、間違えたんだ」
「はあ?」
初夜の床で新妻の名前を元カノ、しかも新妻の異母妹、しかも新妻と婚約破棄をする原因となった略奪者の名前と間違えた?
脳に蛆でも湧いてんじゃないですかぁ?
なろう様でも公開中です。
【完結】女王と婚約破棄して義妹を選んだ公爵には、痛い目を見てもらいます。女王の私は田舎でのんびりするので、よろしくお願いしますね。
五月ふう
恋愛
「シアラ。お前とは婚約破棄させてもらう。」
オークリィ公爵がシアラ女王に婚約破棄を要求したのは、結婚式の一週間前のことだった。
シアラからオークリィを奪ったのは、妹のボニー。彼女はシアラが苦しんでいる姿を見て、楽しそうに笑う。
ここは南の小国ルカドル国。シアラは御年25歳。
彼女には前世の記憶があった。
(どうなってるのよ?!)
ルカドル国は現在、崩壊の危機にある。女王にも関わらず、彼女に使える使用人は二人だけ。賃金が払えないからと、他のものは皆解雇されていた。
(貧乏女王に転生するなんて、、、。)
婚約破棄された女王シアラは、頭を抱えた。前世で散々な目にあった彼女は、今回こそは幸せになりたいと強く望んでいる。
(ひどすぎるよ、、、神様。金髪碧眼の、誰からも愛されるお姫様に転生させてって言ったじゃないですか、、、。)
幸せになれなかった前世の分を取り返すため、女王シアラは全力でのんびりしようと心に決めた。
最低な元婚約者も、継妹も知ったこっちゃない。
(もう婚約破棄なんてされずに、幸せに過ごすんだーー。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる