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第三部 暗殺者編
第159話 呼び出し
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クレイ 「やべぇ、連絡忘れてたわ…」
クレイは思いつきで王都への滞在を決めてしまい、それを誰にも連絡していなかったのだ。
ガルム小隊の隊長アダモにはチラっと王都の奴隷商に行ってくると伝えた気がするが、それだけである。
そう言えば、通信用の魔導具を用意できないかエリーに相談しようと思っていたのだが、ズルズルと後回しにしてそのままになっていた。
通信機はアダモ達やルル・リリに持たせるつもりであったが、そもそも、何か用があればクレイが転移で彼らの元に移動して直接伝えられてしまうので、クレイ的にはあまり必要性を感じていなかったのだ。
ただ、アダモ達やルル・リリと別行動をしている時、彼らのほうからクレイと連絡を取りたい時があると言われ、じゃぁ通信機でも、となったのだが、現実にはダンジョン攻略に当たって別行動をする機会はほとんどなく、それほど必要性を感じていなかったのである。
また、ダンジョンを攻略後は、父親と兄には通信機を渡しておいてもいいかと思うところもあったのだが、頻繁に実家に呼び出される図を想像したらそれも抵抗があり、連絡したい場合はギルドに言伝をしておいてくれと言って放置してしまっていた。
そもそも、携帯できるレベルの通信機は、この世界では古代遺物級の品となる。大っぴらに使えば、それを手に入れたいという泥棒や権力者が動くことも想像に難くないので、あまり積極的にそれを作ろうという気にもなれないのであった。
それはともかく、手紙である。内容は、王から招待を受けているから、都合がつき次第早急に連絡をくれ、と言うものであった…。
幸い、期日の決まった問答無用の登城命令というわけではないらしいので良かったが、とは言え、王命である事には変わりない。ヴァレット子爵としても可及的速やかに対応する必要があるのは当然であろう。
仕方なく、クレイはヴァレットの屋敷に向かった。ルルとリリも一緒である。実は二人はワルドマのお気に入りなので、なるべく一緒に連れてきてくれと言われていたのだ。
* * * *
■ヴァレット領主の執務室
ブランド 「やっときたか、待ち侘びたぞ…」
ちょっと待てと言ってブランドは執務室の裏にある準備室に入ると、すぐに出てきたが、後ろにはワルドマが居た。
※ワルドマは、ダンジョンの管理室でダンジョンの改良案を練る日々であったが、管理室へ通じる転移ゲートは、執務室裏のクローゼットに隠されている。つまり、隣の部屋に呼びに行くのと変わらない気軽さでワルドマを連れてこれるわけである。
ワルドマ 「やっと来たか、一体どこに行ってたんだ?」
クレイ 「ちょっと王都で観光を…」
ブランド 「王都に居たのか?! それが分かっていれば、そのまま王宮に連れていけたな…」
クレイ 「ご、ごめん…」
結局、王からはクレイに会いたいと催促があったそうで、ブランド的には放置しておく事もできず。そのまますぐに王都にもう一度行くと言う事になってしまった。
クレイ 「どうせだから、王都の屋敷とこの屋敷を結ぶ転移ゲートを作っとく…?」
※余談だが、クレイは、実家に居る時、言葉遣いがブレる。それは、【子供モード】【貴族モード】【領主と臣民モード】【冒険者モード】で言葉使いが微妙に変わるからである。家を出て平民の冒険者になった以上、貴族と平民のポジションを崩すべきではないとクレイも思っているので、極力敬語を使うようにしているが、どうしても父や兄と話している時はつい気が緩んで子供モードに引き戻されてしまうのであった。(そのほうが父と兄も嬉しいようなのである。)
ワルドマ 「できるのか?」
クレイ 「簡単だよ」
ブランド 「いや、それは止めておこう。クレイの能力は秘密にしておいたほうがいい。もしバレたら大変な事になる」
ワルドマ 「あ~…」
クレイ 「じゃぁ転移で移動…」
ブランド 「それも駄目だ。馬車で移動する」
クレイ 「馬車で? 今からだと夕方になってしまうよ?」
王都までは馬車で半日、騎馬で急行すれば二時間強である。だがクレイならば転移で一瞬である。
ブランド 「忘れたのか? 城門を通る人間は全てチェックされている」
クレイ 「ああ、そうだったっけ…」
王都だけではない、ヴァレットの街も城門を出入りした人間はすべて記録されている。領主家の人間だったクレイも当然それを知っていたので、以前はクレイも気にして態々街の外に転移して門を通るようにしていたはずである。
それが、いつの頃からか、気にせず街中から直接転移で出入りするようになってしまった。
思い返してみれば、ダンジョンを日帰り攻略していたからであると自覚したクレイ。クランベースとダンジョンを転移ゲートで往復するようになって、転移ゲートの存在が半公認化した事もあり、感覚が麻痺してしまったのだ。
クレイ 「王都にも転移で移動しちゃってたけど、拙かった……?」
クレイは思いつきで王都への滞在を決めてしまい、それを誰にも連絡していなかったのだ。
ガルム小隊の隊長アダモにはチラっと王都の奴隷商に行ってくると伝えた気がするが、それだけである。
そう言えば、通信用の魔導具を用意できないかエリーに相談しようと思っていたのだが、ズルズルと後回しにしてそのままになっていた。
通信機はアダモ達やルル・リリに持たせるつもりであったが、そもそも、何か用があればクレイが転移で彼らの元に移動して直接伝えられてしまうので、クレイ的にはあまり必要性を感じていなかったのだ。
ただ、アダモ達やルル・リリと別行動をしている時、彼らのほうからクレイと連絡を取りたい時があると言われ、じゃぁ通信機でも、となったのだが、現実にはダンジョン攻略に当たって別行動をする機会はほとんどなく、それほど必要性を感じていなかったのである。
また、ダンジョンを攻略後は、父親と兄には通信機を渡しておいてもいいかと思うところもあったのだが、頻繁に実家に呼び出される図を想像したらそれも抵抗があり、連絡したい場合はギルドに言伝をしておいてくれと言って放置してしまっていた。
そもそも、携帯できるレベルの通信機は、この世界では古代遺物級の品となる。大っぴらに使えば、それを手に入れたいという泥棒や権力者が動くことも想像に難くないので、あまり積極的にそれを作ろうという気にもなれないのであった。
それはともかく、手紙である。内容は、王から招待を受けているから、都合がつき次第早急に連絡をくれ、と言うものであった…。
幸い、期日の決まった問答無用の登城命令というわけではないらしいので良かったが、とは言え、王命である事には変わりない。ヴァレット子爵としても可及的速やかに対応する必要があるのは当然であろう。
仕方なく、クレイはヴァレットの屋敷に向かった。ルルとリリも一緒である。実は二人はワルドマのお気に入りなので、なるべく一緒に連れてきてくれと言われていたのだ。
* * * *
■ヴァレット領主の執務室
ブランド 「やっときたか、待ち侘びたぞ…」
ちょっと待てと言ってブランドは執務室の裏にある準備室に入ると、すぐに出てきたが、後ろにはワルドマが居た。
※ワルドマは、ダンジョンの管理室でダンジョンの改良案を練る日々であったが、管理室へ通じる転移ゲートは、執務室裏のクローゼットに隠されている。つまり、隣の部屋に呼びに行くのと変わらない気軽さでワルドマを連れてこれるわけである。
ワルドマ 「やっと来たか、一体どこに行ってたんだ?」
クレイ 「ちょっと王都で観光を…」
ブランド 「王都に居たのか?! それが分かっていれば、そのまま王宮に連れていけたな…」
クレイ 「ご、ごめん…」
結局、王からはクレイに会いたいと催促があったそうで、ブランド的には放置しておく事もできず。そのまますぐに王都にもう一度行くと言う事になってしまった。
クレイ 「どうせだから、王都の屋敷とこの屋敷を結ぶ転移ゲートを作っとく…?」
※余談だが、クレイは、実家に居る時、言葉遣いがブレる。それは、【子供モード】【貴族モード】【領主と臣民モード】【冒険者モード】で言葉使いが微妙に変わるからである。家を出て平民の冒険者になった以上、貴族と平民のポジションを崩すべきではないとクレイも思っているので、極力敬語を使うようにしているが、どうしても父や兄と話している時はつい気が緩んで子供モードに引き戻されてしまうのであった。(そのほうが父と兄も嬉しいようなのである。)
ワルドマ 「できるのか?」
クレイ 「簡単だよ」
ブランド 「いや、それは止めておこう。クレイの能力は秘密にしておいたほうがいい。もしバレたら大変な事になる」
ワルドマ 「あ~…」
クレイ 「じゃぁ転移で移動…」
ブランド 「それも駄目だ。馬車で移動する」
クレイ 「馬車で? 今からだと夕方になってしまうよ?」
王都までは馬車で半日、騎馬で急行すれば二時間強である。だがクレイならば転移で一瞬である。
ブランド 「忘れたのか? 城門を通る人間は全てチェックされている」
クレイ 「ああ、そうだったっけ…」
王都だけではない、ヴァレットの街も城門を出入りした人間はすべて記録されている。領主家の人間だったクレイも当然それを知っていたので、以前はクレイも気にして態々街の外に転移して門を通るようにしていたはずである。
それが、いつの頃からか、気にせず街中から直接転移で出入りするようになってしまった。
思い返してみれば、ダンジョンを日帰り攻略していたからであると自覚したクレイ。クランベースとダンジョンを転移ゲートで往復するようになって、転移ゲートの存在が半公認化した事もあり、感覚が麻痺してしまったのだ。
クレイ 「王都にも転移で移動しちゃってたけど、拙かった……?」
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