【完結】内緒で死ぬことにした〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を、なぜわたしは生まれ変わったの?〜  

たろ

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2話

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目が覚めると何故か涙が出ている。

いつからだろう、わたしは夢をみる。
いつも同じ夢。

「金食い虫」と言われ「お腹が空くなら働け」と言われ働くと「なんでちゃんと出来ないんだ!」と鞭で叩かれる。
泣くとさらに叩かれて食事を抜かれる。

誰もいない大きな屋敷に一人で暮らす。
沢山の使用人はわたしをいじめるために毎日楽しそうにしている。
でもわたしに優しくしてくれる人たちもいた。

夜中こっそり食事を運び、怪我の治療をしてくれる人もいた。

夢なのに苦しくて、夢なのに辛くて、夢なのにもう二度とあの屋敷に戻りたくない。

そして夢の中でいつも可愛い男の子がにこにこして現れる。
誰なのかしら?
その男の子はいつもわたしの心を癒してくれる。

わたしが妹に酷い事を言われても王子に酷い事を言われても、その男の子が夢に出てきて、
「大丈夫だよ」と言ってくれる。

わたしは、お父様もお母様も大好きだ。

妹の意地悪な言葉に傷つくこともあるけど、「お姉様」と言って慕ってくれているのも確かだ。
でも…ターナとどう付き合っていけばいいのかよくわからない。

三人が仲良く話している時はわたしはその中に入らないようにしている。

ううん、入ってはいけない気がするのだ。

そう、わたしは似ていないから……わたしが三人の中に入るのはとても奇妙に見える。

「一人だけ変なのが混じっているな」
王子に何度か言われた。

いつも意地悪ばかり言うので、わたしは絶対に名前を呼ばない。

「王子」としか呼ばない。
王子は私が呼んでも返事をしてくれない。
ターナが「クリス殿下」と呼ぶと嬉しそうに返事をして仲良く話すくせにわたしが「王子」と呼んでも無視をされる。

もちろんわたしも最近は話しかけない。
話しかけないと私の横に来て
「お前ってほんと無愛想で可愛くない」とか
「お前の本当の親、誰だか教えてあげようか?」
と、意地悪な顔をして話しかけてくる。

わたしは一切返事をしない。

すると「ブス!」と言ってどこかへ行ってしまう。

「はあ、今日もまたターナに何を言われるのかな……でもお父様たちの前では笑顔、笑顔」

わたしは鏡の前で笑顔の練習をしてから服を着替えて部屋を出る。

何故かわたしは侍女達の手伝いがなくても一人でなんでも出来る。

だからわたしには侍女がいない。
というか、要らないと断っている。

一人でゆっくり部屋で過ごしたい。

人に気を使いたくない。

そして、部屋を出ると

「おはよう」
廊下を歩いているといろんな使用人に会う。

「おはよう」

わたしはみんなに挨拶をしながらにこにこして歩く。

「お嬢様、おはようございます」

みんなも笑顔で答えてくれる。

でも使用人をそばに置くのは抵抗がある。

夢の中のような酷い事をしたりする使用人はいない。

なのにどうしてあんな夢をみるのか………わからないわ。


そして朝食を家族で摂るため、食堂へ行く。

「お父様、お母様、おはようございます」

そして席に座ると、反対の席にターナも座っている。

「ターナ、おはよう」

「お姉様、おはよう」

私たちは仲の良い姉妹に見える。
お互いにっこり微笑んで、食事中も昨日の出来事や面白かった本の話など、四人でいて話題は尽きない。

そう、最初から四人の時はみんなと仲良く過ごせる。

でも三人でいる時にわたしが入るのは躊躇ってしまう。
わたしが躊躇っているとターナは横目でちらっと見て嘲笑うかのように口元を少し歪めてわたしを視線から外す。
まるで「あなたはこの場所には入れないのよ」と言っているみたいに。

お父様が気がついて
「アイシャ、おいで」
と言ってくれるけど、わたしは「用事があるので」と断ってしまう。
お母様が、「後にしなさい、アイシャいらっしゃい」と言ってくれるけど「お母様わたし急いでいるの」と言ってさっさと部屋に戻るようにしている。

全て笑顔で、楽しそうに「またゆっくり話すわ!」と最後に笑顔で。

わたしのこの気持ちは誰にも気づかれないように。

そっとずっと隠し続ける……

わたしはアイシャ・レオンバルド、とても明るい女の子。






◆ ◆ ◆

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