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9話 カイザ編
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わたしはすぐに王宮で働いているリサに連絡を取った。
もちろんレオンバルド公爵家にも使いは出した。
アイシャが黙って屋敷を出た。
わたしの所に来たからよかったが、もし誰かに拐われでもしたらと思うと肝が冷える。
いつも明るいアイシャ、親に心配などかけない優秀で人の機微に長けた子だ。
アイシャがいくら笑顔で明るくわたしに接していても、今アイシャが何かを抱えてわたしのところへ来たことはわかった。
でもこの子が必死で隠しているのだからわたしは誤魔化されておく事にした。
アイシャ付きの護衛騎士のロウトと侍女のメリッサを屋敷に呼び寄せた。
アイシャが本当に心開く二人がそばにいてくれる方がアイシャもわたしの屋敷で過ごしやすいだろうと思ったでのことだ。
アイシャは二人を見ると嬉しそうにするよりも申し訳なさそうにそっと扉に隠れてしまった。
「アイシャ?どうした?」
わたしがアイシャを手招きして二人の前に立たせると
「ロウト、メリッサ、心配かけてごめんなさい」
シュンとしてアイシャが謝っていると、ロウトがむすっとして言った。
「屋敷を出たかったならわたしに声をかけてください
一緒について行きますから!」
ロウトは公爵でもあるわたしに臆することもなくアイシャのことをとても心配して怒っていた。
「だってロウトがついて来たら、ロウトがお父様達に叱られるでしょう?」
「叱られるよりアイシャ様がいなくなってしまうほうがよっぽど辛いです。言いましたよね?わたしの前では素の自分でいてくださいと!
我慢しないで泣きたい時は泣いたらいいんです!」
(ロウトはアイシャが我慢していることを知っているのだ。
何に対してだ?アイシャに何があったんだ?)
「そうです、わたしもアイシャ様がいないと知った時、どうしてクビになってもターナ様に逆らわなかったか後悔しました」
(メリッサが今、ターナと言った?)
「ごめんなさい、二人に迷惑をかけたくなかったの。でもこちらに来てくれて嬉しい、しばらくお祖父様の屋敷で過ごす予定なのでよろしくね」
アイシャは二人に優しく微笑んだ。
◇ ◇ ◇
「リサ、ハイド、アイシャが思い詰めた顔をしてわたしのところに屋敷を抜け出して来たんだが、お前達は理由を知っているのか?」
わたしはアイシャが眠った頃に屋敷を出て、娘夫婦に会いに行った。
「アイシャが?思い詰めるって……転んで入院したことは知っていますが、今わたしは鉱山で事故が起こりその対処に追われてしまい、アイシャの誕生日を祝うどころかお見舞いにも行けていないのです。あと数日は帰るのは遅いと思います」
ハイドが持っている鉱山で坑道が崩壊し、坑道内に閉じ込められていた作業員2人が4日ぶりに救助された。
その事故処理に追われている。
今回は仕事が先だとわかる。しかし……
リサがハイドの横でじっと考え込んでいた。
そして重たい口を開くと……
「アイシャは殿下とターナに虐められているみたいなんです」
「夫婦で話し合って、しばらく様子をみようということになりました」
「ターナはまだ8歳です。いつも姉を慕っているわ。アイシャもターナに対してとても優しく接しています。わたしが見ていてもおかしなところはないのです」
リサが落ち着きなくイライラとしていた。
「でも、この前病室でアイシャとメリッサが話しているのが聞こえたんです
『どうして殿下はいつもアイシャ様に意地悪をするのでしょう……ターナ様もそれを見て一緒になってされています……』」
「ターナに時間が出来たらそれとなく聞くつもりではいました」
ハイドが言い訳のように言った。
「アイシャが下を向いて涙を流していたんです。
わたしは転んで出来たと言っている傷も不審に思い二人にされたのかもしれないと聞くと
『アイシャ、その傷は誰にされたの?』
『この怪我はわたしが転んだのです。心配かけてすみませんでした……お母様、ちょっと頭が痛いです……しばらく横になってもいいですか?』
と誤魔化されたんです。本人は言いたくないみたいでした」
「リサ、そのあと殿下とターナのことを調べたのか?」
「………少しだけ屋敷の者に聞きました」
リサは口篭って言った。
「で、なんと?」
「ターナとアイシャは仲が良く喧嘩することもないと言っています。
メリッサとロウトも特には何も言いません。
あんな素直で姉思いのターナが虐めなんてする訳ない。あの話は間違いだと思っているんです」
「お前はでは病室で聞こえた話はなかったことにするんだな」
もちろんレオンバルド公爵家にも使いは出した。
アイシャが黙って屋敷を出た。
わたしの所に来たからよかったが、もし誰かに拐われでもしたらと思うと肝が冷える。
いつも明るいアイシャ、親に心配などかけない優秀で人の機微に長けた子だ。
アイシャがいくら笑顔で明るくわたしに接していても、今アイシャが何かを抱えてわたしのところへ来たことはわかった。
でもこの子が必死で隠しているのだからわたしは誤魔化されておく事にした。
アイシャ付きの護衛騎士のロウトと侍女のメリッサを屋敷に呼び寄せた。
アイシャが本当に心開く二人がそばにいてくれる方がアイシャもわたしの屋敷で過ごしやすいだろうと思ったでのことだ。
アイシャは二人を見ると嬉しそうにするよりも申し訳なさそうにそっと扉に隠れてしまった。
「アイシャ?どうした?」
わたしがアイシャを手招きして二人の前に立たせると
「ロウト、メリッサ、心配かけてごめんなさい」
シュンとしてアイシャが謝っていると、ロウトがむすっとして言った。
「屋敷を出たかったならわたしに声をかけてください
一緒について行きますから!」
ロウトは公爵でもあるわたしに臆することもなくアイシャのことをとても心配して怒っていた。
「だってロウトがついて来たら、ロウトがお父様達に叱られるでしょう?」
「叱られるよりアイシャ様がいなくなってしまうほうがよっぽど辛いです。言いましたよね?わたしの前では素の自分でいてくださいと!
我慢しないで泣きたい時は泣いたらいいんです!」
(ロウトはアイシャが我慢していることを知っているのだ。
何に対してだ?アイシャに何があったんだ?)
「そうです、わたしもアイシャ様がいないと知った時、どうしてクビになってもターナ様に逆らわなかったか後悔しました」
(メリッサが今、ターナと言った?)
「ごめんなさい、二人に迷惑をかけたくなかったの。でもこちらに来てくれて嬉しい、しばらくお祖父様の屋敷で過ごす予定なのでよろしくね」
アイシャは二人に優しく微笑んだ。
◇ ◇ ◇
「リサ、ハイド、アイシャが思い詰めた顔をしてわたしのところに屋敷を抜け出して来たんだが、お前達は理由を知っているのか?」
わたしはアイシャが眠った頃に屋敷を出て、娘夫婦に会いに行った。
「アイシャが?思い詰めるって……転んで入院したことは知っていますが、今わたしは鉱山で事故が起こりその対処に追われてしまい、アイシャの誕生日を祝うどころかお見舞いにも行けていないのです。あと数日は帰るのは遅いと思います」
ハイドが持っている鉱山で坑道が崩壊し、坑道内に閉じ込められていた作業員2人が4日ぶりに救助された。
その事故処理に追われている。
今回は仕事が先だとわかる。しかし……
リサがハイドの横でじっと考え込んでいた。
そして重たい口を開くと……
「アイシャは殿下とターナに虐められているみたいなんです」
「夫婦で話し合って、しばらく様子をみようということになりました」
「ターナはまだ8歳です。いつも姉を慕っているわ。アイシャもターナに対してとても優しく接しています。わたしが見ていてもおかしなところはないのです」
リサが落ち着きなくイライラとしていた。
「でも、この前病室でアイシャとメリッサが話しているのが聞こえたんです
『どうして殿下はいつもアイシャ様に意地悪をするのでしょう……ターナ様もそれを見て一緒になってされています……』」
「ターナに時間が出来たらそれとなく聞くつもりではいました」
ハイドが言い訳のように言った。
「アイシャが下を向いて涙を流していたんです。
わたしは転んで出来たと言っている傷も不審に思い二人にされたのかもしれないと聞くと
『アイシャ、その傷は誰にされたの?』
『この怪我はわたしが転んだのです。心配かけてすみませんでした……お母様、ちょっと頭が痛いです……しばらく横になってもいいですか?』
と誤魔化されたんです。本人は言いたくないみたいでした」
「リサ、そのあと殿下とターナのことを調べたのか?」
「………少しだけ屋敷の者に聞きました」
リサは口篭って言った。
「で、なんと?」
「ターナとアイシャは仲が良く喧嘩することもないと言っています。
メリッサとロウトも特には何も言いません。
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