【完結】内緒で死ぬことにした〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を、なぜわたしは生まれ変わったの?〜  

たろ

文字の大きさ
28 / 97

28話  リサ編②

しおりを挟む
「お母様、一人で屋敷にいるのはとても寂しいです」
ターナが一人きりになることが増えた。

今までならアイシャと二人で過ごすことも多かっただろう。
アイシャはターナの気持ちを考えてはいないのかしら。

「ターナ、お母様は今患者さんが増えていて時間が取れないのよ、もうしばらく我慢してちょうだい」

「お姉様はずるいです。一人でお祖父様のところへ行って!
わたしだけ一人にするなんて!」

「アイシャだって、向こうでは一人よ?お祖父様だってお忙しいからかまってはいないと思うわ」

「だってお姉様にはメリッサとロウトがいるわ」

「ターナにだって専属の護衛騎士も侍女もつけているじゃない。アイシャは二人だけだけど、ターナには二人ずついるわ」

「違う!だってあの二人はお姉様と仲良しなんだもの、わたしもあの二人がいいの!」

「はあ、ターナ、我儘ばかり言わないで!」

「どうしてですか?いつもお母様はわたしの我儘はと言ってくれていたではないですか?」

「そうね、ターナの甘えん坊は、アイシャみたいに我慢している子よりよほど可愛くみえるわ」

「だったらあの二人をわたしにください!
お姉様はお母様がいない時、わたしにとても冷たいんです!
話しかけても無視するし、わたしが怪我のこと心配して話しかけたらわたしのことを馬鹿にして笑ったんです!
酷いです!
お姉様は魔法もたくさん出来て、お勉強も優秀だからわたしを見下しているんです」

ターナは涙をいっぱいためて泣き出した。

今までターナはアイシャに冷たくされて傷ついていたようだ。

「ターナ、ごめんなさい。お母様も忙しくてついイライラしてしまったの……ロウトとメリッサが必要なら侍女長と話して貴女に回すようにするから心配しないで、貴女は笑顔でいてちょうだい」
ターナを抱きしめて頭にキスをすると
「ほんと?お母様大好き」
と言って嬉しそうにしていた。

ターナはアイシャを虐めていたなんてやはり間違いだったのね。
年下のこの子が、姉を虐めるなんておかしいと思っていたの。

アイシャはとても良い子だけど、大人びているからターナの我儘に対しても冷たい態度をとるのかしら?

もしかしたら逆だったとか?

わたしは急ぎターナ付きの護衛と侍女を呼んだ。

「ねえ、ターナとアイシャの関係を教えて欲しいの」

四人は顔を見合わせてしばらく黙った。

「わたしは正確な情報が知りたいの」

机を指で叩きながら四人が話し出すのを待った。

するとターナ付きの侍女がおずおずと話し出した。

「ターナ様はアイシャ様をとても慕っております。でもアイシャ様はターナ様の話し掛けに返事をする事はあまりありません」

「ターナ様はアイシャ様とお二人でいる時、一生懸命に話題を作り話しかけるのですが……アイシャ様は冷たい顔をしていることがよくあります」

二人の侍女が話し出した。

護衛の二人は、
「ターナ様はとても健気でなんとかアイシャ様と打ち解けようと努力されております」
「お可哀想な時も多いです」

など、どう聞いてもターナの方がアイシャに冷たくされているようだ。

そのあと、ターナと接することの多い何人かの使用人達にも話を聞いた。

みんなターナが意地悪を言ってなどいない、なんとか二人の関係を良くしようと健気に頑張っていると言うのだ。

わたしはそれからターナの様子を見ていたが、誰かに意地悪なことをすることもなく使用人達との仲も良好だ。

ハイドが仕事が落ち着いて屋敷に帰って来れるようになってから、アイシャのこと、わたしが聞いて調べた屋敷での二人のことを伝えて話し合った。

「アイシャがターナを冷遇していた?」
ハイドは驚いていた。

「そうなの……何人にも聞いたの、わたしだって信じられなかったわ。でもね、ターナの様子を見ていたけどお父様が言ったようにターナが虐めているなんて様子は見られなかったわ、全く意地悪なんてしていないしとても穏やかなの」

「リサ、一方的な話だけを聞いて鵜呑みにしていないか?」

「貴方は仕事ばかりで子どものことなど全く見ていないじゃない。わたしは二人をずっと育ててきたのよ、でも、まさかわたしの見えないところでアイシャがターナに意地悪をしていたなんて…それを隠すために反対のことをお父様に伝えるなんて…メリッサもロウトもアイシャに何か弱みでも握られているのかしら?」

「いや、ちょっと待ちなさい、そんなに興奮してどうするんだ?」

「お父様はわたしになんて言ったか覚えている?」


『そうか……アイシャに寄り添うことなくわたしに託すか。
わかったよ、君たちは親失格だ。アイシャをお前達に会わせることは二度とない』

わたしは思い出して腹が立った。

親失格?

お父様の方がお祖父様失格よ!

ターナを悪い子にして、嘘つきのアイシャを庇うなんて!

わたしは我が子に裏切られてとても腹が立っていた。










しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】長い眠りのその後で

maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。 でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。 いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう? このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!! どうして旦那様はずっと眠ってるの? 唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。 しょうがないアディル頑張りまーす!! 複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です 全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む) ※他サイトでも投稿しております ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです ※表紙 AIアプリ作成

【書籍化決定】愛など初めからありませんが。

ましろ
恋愛
お金で売られるように嫁がされた。 お相手はバツイチ子持ちの伯爵32歳。 「君は子供の面倒だけ見てくれればいい」 「要するに貴方様は幸せ家族の演技をしろと仰るのですよね?ですが、子供達にその様な演技力はありますでしょうか?」 「……何を言っている?」 仕事一筋の鈍感不器用夫に嫁いだミッシェルの未来はいかに? ✻基本ゆるふわ設定。箸休め程度に楽しんでいただけると幸いです。

私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?

きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。 しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。

音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。 王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。 貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。 だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……

全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。

彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。

あなたには彼女がお似合いです

風見ゆうみ
恋愛
私の婚約者には大事な妹がいた。 妹に呼び出されたからと言って、パーティー会場やデート先で私を置き去りにしていく、そんなあなたでも好きだったんです。 でも、あなたと妹は血が繋がっておらず、昔は恋仲だったということを知ってしまった今では、私のあなたへの思いは邪魔なものでしかないのだと知りました。 ずっとあなたが好きでした。 あなたの妻になれると思うだけで幸せでした。 でも、あなたには他に好きな人がいたんですね。 公爵令嬢のわたしに、伯爵令息であるあなたから婚約破棄はできないのでしょう? あなたのために婚約を破棄します。 だから、あなたは彼女とどうか幸せになってください。 たとえわたしが平民になろうとも婚約破棄をすれば、幸せになれると思っていたのに―― ※作者独特の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。 ※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。

いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!

夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。 しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。 ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。 愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。 いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。 一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ! 世界観はゆるいです! カクヨム様にも投稿しております。 ※10万文字を超えたので長編に変更しました。

処理中です...