【完結】内緒で死ぬことにした〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を、なぜわたしは生まれ変わったの?〜  

たろ

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30話  

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ベッド生活も終わり、また学園に通うことになった。

ロウトが馬車に一緒に乗ってくれた。そして途中でロウトの屋敷に行きヴィズを迎えに行った。

「アイシャ様おはようございます」

「ヴィズ、おはよう。学園では友人として過ごすのよ、以前のようにアイシャと呼んで欲しいわ」

ヴィズはロウトをチラリと見た。

ロウトが首を縦にするのを見て
「ではアイシャ、久しぶり。これからよろしく」

「うん、迷惑かけてごめんなさい」

「俺は学園に通えて嬉しいんだ、カイザ様とアイシャに感謝しているよ」

「そう言ってもらえたら嬉しいわ」

お互い少し緊張していたけどやっと以前の仲が良かった関係に戻れた気がする。
ヴィズはわたしの護衛でもあるけど、まだお互い11歳。
お祖父様もヴィズとは幼馴染として過ごすといいだろうと言ってもらえた。


「アリア!スピナ!おはよう」
教室に入ると二人が待っていてくれた。

アリアとスピナは何度かお祖父様の屋敷に会いに来てくれた。
3週間休んでいたわたしのために、最近の学園での出来事や勉強の進み具合を教えてくれたので、なんとかみんなに遅れずにすみそう。

「ヴィズ、二人のことは知っているわよね?」

「ああ、久しぶりです、アリア様スピナ様」

お祖父様の屋敷でアリアとスピナもヴィズと会って一緒に遊んだことがある。

「ヴィズ、久しぶり!話は聞いているわ!」

「お久しぶりね、一緒に過ごせて嬉しいわ」

二人も歓迎してくれた。

そして二人にも「様」は要らない、やめて欲しいと言われていた。

ヴィズと仲の良かった男の子もたくさんクラスにいたので、ヴィズは転校生だけどすぐに受け入れられて
馴染むのは早かった。

わたしはすぐにいつもの生活に戻ることができた。

普段教室ではヴィズは友達といることが多い。

ただ、移動の時はずっと離れない程度の距離でわたしを見守ってくれる。

態々、わたし達女の子の中には入ってこない。

でもいつも気にかけてくれているので、周りを気にしながらビクビクと過ごさなくて済むのでヴィズには感謝している。

「ヴィズがいてくれるからわたし達もホッとしているの」
アリアとスピナもわたしの暴行事件から恐怖を感じていたみたいで、ヴィズが居てくれてとても安心するようだ。



◇ ◇ ◇



学園で思いっきり楽しく過ごして屋敷に帰り疲れて、ミケランとベッドに入りウトウトとしていた。



『おねぇたん』
わたしを呼ぶ声が聞こえる。

とても懐かしい声。

あの怖い夢の続きなのはわかっている。
だって見える景色が街の風景が同じだから。

なのに怖くない。

とても温かいの。


『おねぇたん、おっえりぃ』
小さな男の子ががわたしに抱きついてわたしの頬にキスをしてくれた。

あったかい。柔らかくてホッとする。

やっとこの場所に帰ってこれた。

わたしは大好きな男の子を抱きしめていた。

二人で笑いながら手を繋いで歩く。

二人で椅子に座りお話をする。

一緒に絵本を読んでいる。

一緒にベッドでお昼寝。

会ったこともない男の子なのに、何故かとても懐かしい。

この子は誰?

お祖父様の屋敷に来てからはあの悪夢を見ることが減った。
そして大怪我をしてお祖父様の屋敷で静養している頃から何故か今度は不思議に知らない男の子の夢を見るようになった。

怖い夢と男の子が出てくる夢の場所は同じ。

なのに感じる感覚が全く違う。

これはなんだろう……

ウトウトしていてふと目が覚めて、隣でスヤスヤ寝ているミケランをギュッと抱きしめた。

「ふぎゃっ!」
と、わたしの腕の中から逃げ出そうとするミケランの顔にわたしの頬を擦り寄せて

「ミケラン、不思議なの。夢なのに、何故かとても涙が出るの」
わたしの目からは涙が止まらなかった。

怖いとか苦しいとかではない……

なのにとても切ない。

この感情がよくわからなかった。

でも辛いわけではない。

何故、涙が……

頭の中で何処からか声が聞こえてきた。




『思い出して、わたしがここにいたことを』











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