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49話 カイザ編
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ターナがエレン夫人から習い始めて、驚くほど成績が上がったとハイドから報告がきた。
ターナ自身もエレン夫人が大好きでとても楽しそうに勉強に励んでいる。
キリアンからバナッシユ国の元王妃でアイシャに虐待を行い、国費を使い贅沢三昧をした女性で逃亡犯でもあると聞いていたが、もしかしたら何かの間違いではないかと思ってしまう。
しかしそれが彼女の手だと聞いている。
みんなが騙されてしまう、元々優秀で王妃としての品格もあり、人当たりも良い。
騙されてはいけない。
そう肝に銘じながら、ターナとエレン夫人のことを観察することにした。
信頼できる侍女長に常に目を光らせてもらい、わたしの方にも報告してもらっている。
ハイドからの報告もきている。
リサは、この前屋敷でアイシャに暴言を吐いてアイシャの前で話せなくなったことは完全に記憶から削除されていた。
いや、本人が覚えていることを拒絶したようだ。
都合の悪いことは全て記憶から消し去っていたのだ。
なんとずるい娘なんだ。
リサはアイシャのことを悪い子だとしか思っていない。
この行動は、リサ自身の自己防衛なのだろうか?
自分だけを守るため、アイシャを切り捨てているのか?
◇ ◇ ◇
「リサさん、わたくしは貴女にお茶を入れるように頼んだのよ?何このお茶!もう一度淹れなおしてちょうだい」
「リサさん、嫁としてこの家の歴代の当主の名前くらい全て言えなくてはいけないわ、わたくしが教えてあげるから覚えてね」
「リサさん、ここにある帳簿を全てこちらの新しい帳簿に書き換えて欲しいの。貴女、字くらい書けるでしょう?」
「嫁なんだからこれくらいのことはできて当たり前でしょう?教えてあげたんだから覚えてちょうだい」
「はあ、こんなことも出来ないの?何度教えてあげたらわかるの?」
「あら嫌だ、嫁のくせにそんな怖い顔をして、わたくしを誰だと思っているの?わたくしは貴女をハイドの嫁にしてあげたんですよ感謝されて当たり前なのに……まあ、嫌だわ、そんな顔をして恐ろしい」
わたしは爆発して義母に文句を言った。
「どうしてお義母様はそんなにわたしにキツく当たるのですか?わたしが何をしたと言うのですか?」
「どうして?身に覚えはないの?」
「身に覚え?」
義母が何を言っているのかわからなかった。
だってわたしは何もしていない。
何故?こんなことを言われないといけないの?
そもそもどうして仕事を休んで、北の領地の義母のところに住まわされているのか理由がわからない。
「リサさんが……アイシャのことを愛情を持って面倒見てくれなかったおかげで、アイシャはとても素直でいい子に育ったわ。感謝しているわ、貴女がターナだけを可愛がってくれたからアイシャだけは素直でいい子に育ったのよね」
「そ、それはどう言う意味ですか?」
まるでわたしがアイシャを育ててないみたいに言わないで!
アイシャはわたしが育ててあげたのよ!
わたしは義母を睨みあげた。
「あら?アイシャはとても優しくて素直で賢い娘よ。貴女がアイシャに愛情を与えずキツく当たったせいであの子の心は壊れているわ。でもね、あの子はとても優しいの、それは貴女からの悪影響を受けずに済んだからよ、そこだけは感謝しているわ」
「わたしの所為でアイシャの心が壊れた?何をおっしゃるのですか?わたしが何をしたと言うのですか?アイシャのことを産んであげて育ててあげたんですよ?」
「気がついていないのかしら?アイシャは貴女とターナ、殿下のせいで心が壊れかけて今も眠り続けているわ。貴女はそんなにアイシャを嫌っていると知っていたら、わたくしがもっと早くにアイシャを引き取っていたわ……後悔しているの、だから貴女に知って欲しかったのよ、アイシャがされたことを……悲しみを……腹癒せでしているわけではないの」
「どうみてもただの嫁いびりではないですか?」
「そうね、そう思われても仕方がないわよね、リサさん、貴女もアイシャに対してどう見ても娘に向ける態度ではないことをしてきた自覚はないの?」
「ありません、わたしはアイシャに対して娘として接してあげたつもりです」
「貴女はいつもアイシャに対して「あげたつもり」だと言っているのよ?もう口癖ね」
「……え?」
わたしは言われた意味がわからなかった。
あげたつもり……確かに言っている気がする……
それのどこが悪いのかしら?
「わたしは、わたしは、アイシャを愛しています。ただ、アイシャは我儘でターナに意地悪をするから怒っただけです。すぐに嘘をつくし……だから……」
なのに、忘れていた記憶が蘇った。
ーー『お姉様はそんなだから使用人のみんなから嫌われて笑われているのです。恥ずかしい。なんの属性かもわからない、まともに魔法も使えない、いいとこなしなのに笑ってばかりで……』
『まぁ、ターナ知らなかったわ!使用人にまで馬鹿にされていたの?やっぱり魔力があってもろくに魔法が使えない子なんて誰からも相手にされないわね』
『そうなの、だからお姉さまは貰い子だと嘲られ使用人からも馬鹿にされて笑われているのだわ。恥ずかしい、こんな人がわたしの姉なんて思えないわ。どこからか捨てられて拾われたのではないのかしら?』
『ふふ、ターナったら、そんなこと言うものではないわ。アイシャが捨て子だなんて……ただ転生してわたしのお腹に入った子よ。死んだのに未練を残してまた生き返った哀れな子なのよ』ーー
そえ、わたしはアイシャを馬鹿にした。
ターナと二人でアイシャのことを嘲り罵った。
「本当にアイシャはターナに意地悪をしたの?ハイドとカイザ様に聞いたら逆だと言っていたわ。ターナが屋敷の使用人達を使ってアイシャのことを貰い子だと嘲笑って馬鹿にしたり、アイシャに直接意地悪なことを言って傷つけていたと聞いたわ。
わたくしも人の話だけでは納得できずにいたけど、この記憶玉をカイザ様に見せられてターナが悪いとわかったのよ。二人ともわたくしにとっては可愛い孫なの。どちらが悪いとか決めつけたかったわけではないわ、でもね、悪いことは悪いと教えてあげるのも愛情なの」
そして記憶玉には、わたしが今までターナから聞いてきた話とは全く違う映像が流れてきた。
~~ある日
「お姉様、そこどいてくださる?」
ターナは廊下をただ歩いているアイシャに向かって怒り出した。
「ターナごめんなさい、邪魔だったかしら?」
「わたしの前に来ないで!穢らわしい!属性もわからない魔法もろくに使えない無能のくせに!」
「………」
「返事もできないの?まあ、言い返したくても言い返せないわよね、お父様にもお母様にも似ていない貰い子。屋敷のみんなも知っているわ、お姉様が本当はうちの子ではないことを!
よくも堂々とこの屋敷に住んでいられるわね」
「………」
「わたしの前に顔を見せないで!あー気分が悪いわ」
ターナはアイシャに文句を言って、傷ついた顔をしたアイシャを見てとても楽しそうに笑っていた。
~~~~
「こ、これは…ターナがこんなことを言うなんて……だってターナはいつも一人で屋敷にいて辛くて寂しくて、なのにアイシャはメリッサとロウトが側にいてずるいとターナが言っていたのです……
嘘をついてターナをいじめる、自分で怪我をしたのに人のせいにしようとする悪い子……それがアイシャのはず……
わたしなんかより魔力があってわたしが欲しても持てない無属性の力を持ち、わたしなんかより優れた魔法をこれからどれだけできるようになるか……
アイシャが亡くなって、わたしのお腹に入って生まれ変わった……だからわたしが今度はアイシャを幸せにすると決めたの……
なのにアイシャは嘘つきで意地悪で、だからだから、わたしはアイシャを叱って怒って……イライラして……アイシャ……アイシャは……何も…悪…くない?えっ?アイシャは悪…い子?じゃないとわたしは憎めないじゃないですか?
どうして?どうしてなの?アイシャは悪い子じゃないとダメなの!!」
リサはそれからしばらく呆然として話さなくなった。
何を言っても返事をせずにガタガタと震え出した。
ハイドの母は、そんなリサをとりあえずベッドに寝かせ、優しく背中を摩ると、リサは突然毛布を頭まで被り、嗚咽を漏らした。
それからのリサは、ベッドから出ようとしない……と報告がきた。
わたしは、そんなリサに今は何もしてあげる気はない。
自身で考え、反省して、これからどうするのか、これからどうするべきなのか、しっかりと己を見つめて欲しい。
それがアイシャを手放すことになろうとも……
リサが壊れてしまっても……
ターナ自身もエレン夫人が大好きでとても楽しそうに勉強に励んでいる。
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しかしそれが彼女の手だと聞いている。
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騙されてはいけない。
そう肝に銘じながら、ターナとエレン夫人のことを観察することにした。
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なんとずるい娘なんだ。
リサはアイシャのことを悪い子だとしか思っていない。
この行動は、リサ自身の自己防衛なのだろうか?
自分だけを守るため、アイシャを切り捨てているのか?
◇ ◇ ◇
「リサさん、わたくしは貴女にお茶を入れるように頼んだのよ?何このお茶!もう一度淹れなおしてちょうだい」
「リサさん、嫁としてこの家の歴代の当主の名前くらい全て言えなくてはいけないわ、わたくしが教えてあげるから覚えてね」
「リサさん、ここにある帳簿を全てこちらの新しい帳簿に書き換えて欲しいの。貴女、字くらい書けるでしょう?」
「嫁なんだからこれくらいのことはできて当たり前でしょう?教えてあげたんだから覚えてちょうだい」
「はあ、こんなことも出来ないの?何度教えてあげたらわかるの?」
「あら嫌だ、嫁のくせにそんな怖い顔をして、わたくしを誰だと思っているの?わたくしは貴女をハイドの嫁にしてあげたんですよ感謝されて当たり前なのに……まあ、嫌だわ、そんな顔をして恐ろしい」
わたしは爆発して義母に文句を言った。
「どうしてお義母様はそんなにわたしにキツく当たるのですか?わたしが何をしたと言うのですか?」
「どうして?身に覚えはないの?」
「身に覚え?」
義母が何を言っているのかわからなかった。
だってわたしは何もしていない。
何故?こんなことを言われないといけないの?
そもそもどうして仕事を休んで、北の領地の義母のところに住まわされているのか理由がわからない。
「リサさんが……アイシャのことを愛情を持って面倒見てくれなかったおかげで、アイシャはとても素直でいい子に育ったわ。感謝しているわ、貴女がターナだけを可愛がってくれたからアイシャだけは素直でいい子に育ったのよね」
「そ、それはどう言う意味ですか?」
まるでわたしがアイシャを育ててないみたいに言わないで!
アイシャはわたしが育ててあげたのよ!
わたしは義母を睨みあげた。
「あら?アイシャはとても優しくて素直で賢い娘よ。貴女がアイシャに愛情を与えずキツく当たったせいであの子の心は壊れているわ。でもね、あの子はとても優しいの、それは貴女からの悪影響を受けずに済んだからよ、そこだけは感謝しているわ」
「わたしの所為でアイシャの心が壊れた?何をおっしゃるのですか?わたしが何をしたと言うのですか?アイシャのことを産んであげて育ててあげたんですよ?」
「気がついていないのかしら?アイシャは貴女とターナ、殿下のせいで心が壊れかけて今も眠り続けているわ。貴女はそんなにアイシャを嫌っていると知っていたら、わたくしがもっと早くにアイシャを引き取っていたわ……後悔しているの、だから貴女に知って欲しかったのよ、アイシャがされたことを……悲しみを……腹癒せでしているわけではないの」
「どうみてもただの嫁いびりではないですか?」
「そうね、そう思われても仕方がないわよね、リサさん、貴女もアイシャに対してどう見ても娘に向ける態度ではないことをしてきた自覚はないの?」
「ありません、わたしはアイシャに対して娘として接してあげたつもりです」
「貴女はいつもアイシャに対して「あげたつもり」だと言っているのよ?もう口癖ね」
「……え?」
わたしは言われた意味がわからなかった。
あげたつもり……確かに言っている気がする……
それのどこが悪いのかしら?
「わたしは、わたしは、アイシャを愛しています。ただ、アイシャは我儘でターナに意地悪をするから怒っただけです。すぐに嘘をつくし……だから……」
なのに、忘れていた記憶が蘇った。
ーー『お姉様はそんなだから使用人のみんなから嫌われて笑われているのです。恥ずかしい。なんの属性かもわからない、まともに魔法も使えない、いいとこなしなのに笑ってばかりで……』
『まぁ、ターナ知らなかったわ!使用人にまで馬鹿にされていたの?やっぱり魔力があってもろくに魔法が使えない子なんて誰からも相手にされないわね』
『そうなの、だからお姉さまは貰い子だと嘲られ使用人からも馬鹿にされて笑われているのだわ。恥ずかしい、こんな人がわたしの姉なんて思えないわ。どこからか捨てられて拾われたのではないのかしら?』
『ふふ、ターナったら、そんなこと言うものではないわ。アイシャが捨て子だなんて……ただ転生してわたしのお腹に入った子よ。死んだのに未練を残してまた生き返った哀れな子なのよ』ーー
そえ、わたしはアイシャを馬鹿にした。
ターナと二人でアイシャのことを嘲り罵った。
「本当にアイシャはターナに意地悪をしたの?ハイドとカイザ様に聞いたら逆だと言っていたわ。ターナが屋敷の使用人達を使ってアイシャのことを貰い子だと嘲笑って馬鹿にしたり、アイシャに直接意地悪なことを言って傷つけていたと聞いたわ。
わたくしも人の話だけでは納得できずにいたけど、この記憶玉をカイザ様に見せられてターナが悪いとわかったのよ。二人ともわたくしにとっては可愛い孫なの。どちらが悪いとか決めつけたかったわけではないわ、でもね、悪いことは悪いと教えてあげるのも愛情なの」
そして記憶玉には、わたしが今までターナから聞いてきた話とは全く違う映像が流れてきた。
~~ある日
「お姉様、そこどいてくださる?」
ターナは廊下をただ歩いているアイシャに向かって怒り出した。
「ターナごめんなさい、邪魔だったかしら?」
「わたしの前に来ないで!穢らわしい!属性もわからない魔法もろくに使えない無能のくせに!」
「………」
「返事もできないの?まあ、言い返したくても言い返せないわよね、お父様にもお母様にも似ていない貰い子。屋敷のみんなも知っているわ、お姉様が本当はうちの子ではないことを!
よくも堂々とこの屋敷に住んでいられるわね」
「………」
「わたしの前に顔を見せないで!あー気分が悪いわ」
ターナはアイシャに文句を言って、傷ついた顔をしたアイシャを見てとても楽しそうに笑っていた。
~~~~
「こ、これは…ターナがこんなことを言うなんて……だってターナはいつも一人で屋敷にいて辛くて寂しくて、なのにアイシャはメリッサとロウトが側にいてずるいとターナが言っていたのです……
嘘をついてターナをいじめる、自分で怪我をしたのに人のせいにしようとする悪い子……それがアイシャのはず……
わたしなんかより魔力があってわたしが欲しても持てない無属性の力を持ち、わたしなんかより優れた魔法をこれからどれだけできるようになるか……
アイシャが亡くなって、わたしのお腹に入って生まれ変わった……だからわたしが今度はアイシャを幸せにすると決めたの……
なのにアイシャは嘘つきで意地悪で、だからだから、わたしはアイシャを叱って怒って……イライラして……アイシャ……アイシャは……何も…悪…くない?えっ?アイシャは悪…い子?じゃないとわたしは憎めないじゃないですか?
どうして?どうしてなの?アイシャは悪い子じゃないとダメなの!!」
リサはそれからしばらく呆然として話さなくなった。
何を言っても返事をせずにガタガタと震え出した。
ハイドの母は、そんなリサをとりあえずベッドに寝かせ、優しく背中を摩ると、リサは突然毛布を頭まで被り、嗚咽を漏らした。
それからのリサは、ベッドから出ようとしない……と報告がきた。
わたしは、そんなリサに今は何もしてあげる気はない。
自身で考え、反省して、これからどうするのか、これからどうするべきなのか、しっかりと己を見つめて欲しい。
それがアイシャを手放すことになろうとも……
リサが壊れてしまっても……
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