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71話
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楽しみだった二人の結婚式も終わり、わたしは社交界デビューのための本格的なダンスレッスンが始まった。
魔法の制御はキリアン様のおかげでほとんどできるようになった。
技術はまだまだだけど、お祖父様とロウト、他にも講師の先生にお願いして、基本的なことはできるようになった。
でも普段の生活で魔法を使うことはあまりない。
ただ、1週間に一回は孤児院を回り、体調のすぐれない子供達を診ることにしている。
軽度の病気や怪我なら癒しの魔法で治せるようになった。
孤児院では野菜作りをしているところが多い。
固い土を耕すのは大変だと聞いてわたしの魔法で土を耕したり、土の改良をしたりと、どちらかと言うと生活魔法に近い魔法を使って過ごしている。
「お姉ちゃんはすごいね」
目をキラキラさせてわたしの魔法を見ている子供達。
「ねえ、お姉ちゃんは虹を作れる?」
子供の発想って意外なことが多く面白い。
「虹?」
とりあえず水魔法で雨をたくさん降らせた。
たしか原理は……
虹は、雨が降ったあとなど、空気中にたくさんの水の粒がただよっているときに見ることができます。 空気中にただよっている水の粒に、太陽の光が当たって見えるはずだった。
何度も挑戦したけど簡単にはいかなかった。
「ごめんなさい、無理みたい。でも何回も諦めずにやればいつか虹を出せるかもしれない、また来週来るからその時頑張ってもいい?」
「お姉ちゃん、楽しみに待ってる!」
期待しないで待ってくれると言ったのでわたしはホッとした。
まだ上手く子供達とお話しできないけど、わたしの魔法が子供達の役に立つのならわたしももっと頑張れる。
だけど……ダンスはあまり頑張れない。
簡単なリズムならいいんだけど難しい曲になるとステップがズレてきて相手の足を踏んだり、気をつけようとするとぎこちなくなってしまう。
講師の先生は毎回ため息を吐く。
「アイシャ様、次までにここのステップをしっかり体に身につけて覚えさせてください」
「はい」
そしてロウトに相手になってもらって復習。
「アイシャ様、俺の足に強化魔法をかけてください、そしたらアイシャ様が安心して踊れると思うんです」
「なるほど!そうよね、相手に悪いと思うと体が強張って踊れなくなるから、相手に防御させてしまえばわたしも安心して踊れるわ」
ロウトの案に感心して、わたしは必ず相手のくつに強化魔法をかけることにした。
これでいくら足を踏んづけても相手の足は痛くない。
そう思うと不思議に体の力が抜けてダンスも踊れるようになってきた。
とりあえずわたしの社交界デビューはなんとかなりそう。
わたしのパートナーはもちろんお祖父様。
婚約者のいないわたしに相手はいない。
ロウトがヴィズに声をかけましょうか?と言ってくれたけどヴィズにだって選ぶ権利はある。
わたしのお守りで学園に転入したからと言ってわたしの犠牲になる必要はない。
「アイシャはダンスは上手くなってきているそうだな」
朝食を摂りながらお祖父様が聞いてきた。
「はい、なんとか足を踏む回数が減ってきました。お祖父様と踊る日はマシになっていると思います」
「わたしの靴には強化魔法は必要無いようだね」
「頑張ります!」
ーーお祖父様にも話がいってたのね。
わたしは笑顔を引き攣らせながら微笑み返した。
「……ところでアイシャの社交界デビューの日なんだが……王宮主催なのは知っているだろう?」
「はいもちろんです。その日だけは毎年普段は離宮で過ごされている王妃様もご出席になられて、陛下と王妃様お二人にデビュタントする者達がご挨拶をさせていただける日です」
「そうだな、クリスの一件から王妃は自らも離宮で過ごされるようになった」
「…はい」
「陛下は側室を娶らずに王妃が戻ってくるのを、うるさい貴族達を黙らせて今もずっと待っておられる」
「……はい」
「今回、試しでクリス殿下が辺境伯の元から戻ってくるそうだ。お前とも数年ぶりに対面することになる。
陛下から手紙が届いた。……アイシャは……大丈夫だろうか?わたしがずっとそばにいるつもりだ。そして今回はロウト夫婦にも出席してもらう。だから常に誰かがそばにいる、だが、お前にとっては辛い時間になるかもしれない」
わたしは思い出していた。
クリス殿下がわたしに絡んできては意地悪なことを言ったこと、最後に会ったのは……わたしに怪我をさせた日だった。
そう言えば結局謝ってもらっていないのよね。
でももう怖いとか嫌だとか言う気持ちは今のところ感じない。
「お祖父様、たぶん…大丈夫だと思います。わたしも強くなりましたから」
魔法の制御はキリアン様のおかげでほとんどできるようになった。
技術はまだまだだけど、お祖父様とロウト、他にも講師の先生にお願いして、基本的なことはできるようになった。
でも普段の生活で魔法を使うことはあまりない。
ただ、1週間に一回は孤児院を回り、体調のすぐれない子供達を診ることにしている。
軽度の病気や怪我なら癒しの魔法で治せるようになった。
孤児院では野菜作りをしているところが多い。
固い土を耕すのは大変だと聞いてわたしの魔法で土を耕したり、土の改良をしたりと、どちらかと言うと生活魔法に近い魔法を使って過ごしている。
「お姉ちゃんはすごいね」
目をキラキラさせてわたしの魔法を見ている子供達。
「ねえ、お姉ちゃんは虹を作れる?」
子供の発想って意外なことが多く面白い。
「虹?」
とりあえず水魔法で雨をたくさん降らせた。
たしか原理は……
虹は、雨が降ったあとなど、空気中にたくさんの水の粒がただよっているときに見ることができます。 空気中にただよっている水の粒に、太陽の光が当たって見えるはずだった。
何度も挑戦したけど簡単にはいかなかった。
「ごめんなさい、無理みたい。でも何回も諦めずにやればいつか虹を出せるかもしれない、また来週来るからその時頑張ってもいい?」
「お姉ちゃん、楽しみに待ってる!」
期待しないで待ってくれると言ったのでわたしはホッとした。
まだ上手く子供達とお話しできないけど、わたしの魔法が子供達の役に立つのならわたしももっと頑張れる。
だけど……ダンスはあまり頑張れない。
簡単なリズムならいいんだけど難しい曲になるとステップがズレてきて相手の足を踏んだり、気をつけようとするとぎこちなくなってしまう。
講師の先生は毎回ため息を吐く。
「アイシャ様、次までにここのステップをしっかり体に身につけて覚えさせてください」
「はい」
そしてロウトに相手になってもらって復習。
「アイシャ様、俺の足に強化魔法をかけてください、そしたらアイシャ様が安心して踊れると思うんです」
「なるほど!そうよね、相手に悪いと思うと体が強張って踊れなくなるから、相手に防御させてしまえばわたしも安心して踊れるわ」
ロウトの案に感心して、わたしは必ず相手のくつに強化魔法をかけることにした。
これでいくら足を踏んづけても相手の足は痛くない。
そう思うと不思議に体の力が抜けてダンスも踊れるようになってきた。
とりあえずわたしの社交界デビューはなんとかなりそう。
わたしのパートナーはもちろんお祖父様。
婚約者のいないわたしに相手はいない。
ロウトがヴィズに声をかけましょうか?と言ってくれたけどヴィズにだって選ぶ権利はある。
わたしのお守りで学園に転入したからと言ってわたしの犠牲になる必要はない。
「アイシャはダンスは上手くなってきているそうだな」
朝食を摂りながらお祖父様が聞いてきた。
「はい、なんとか足を踏む回数が減ってきました。お祖父様と踊る日はマシになっていると思います」
「わたしの靴には強化魔法は必要無いようだね」
「頑張ります!」
ーーお祖父様にも話がいってたのね。
わたしは笑顔を引き攣らせながら微笑み返した。
「……ところでアイシャの社交界デビューの日なんだが……王宮主催なのは知っているだろう?」
「はいもちろんです。その日だけは毎年普段は離宮で過ごされている王妃様もご出席になられて、陛下と王妃様お二人にデビュタントする者達がご挨拶をさせていただける日です」
「そうだな、クリスの一件から王妃は自らも離宮で過ごされるようになった」
「…はい」
「陛下は側室を娶らずに王妃が戻ってくるのを、うるさい貴族達を黙らせて今もずっと待っておられる」
「……はい」
「今回、試しでクリス殿下が辺境伯の元から戻ってくるそうだ。お前とも数年ぶりに対面することになる。
陛下から手紙が届いた。……アイシャは……大丈夫だろうか?わたしがずっとそばにいるつもりだ。そして今回はロウト夫婦にも出席してもらう。だから常に誰かがそばにいる、だが、お前にとっては辛い時間になるかもしれない」
わたしは思い出していた。
クリス殿下がわたしに絡んできては意地悪なことを言ったこと、最後に会ったのは……わたしに怪我をさせた日だった。
そう言えば結局謝ってもらっていないのよね。
でももう怖いとか嫌だとか言う気持ちは今のところ感じない。
「お祖父様、たぶん…大丈夫だと思います。わたしも強くなりましたから」
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