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86話 ターナ編
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前王妃の話を聞いてどうしてわたしへ固執したのかわからない。
でもターナがあれほど酷くなったのは、わたしが原因でもあったみたい。
ならば尚更わたしはターナを助けたい。
キリアン様としっかり打ち合わせをして、お祖父様とイルマナ様とキリアン様、そしてわたしは懐かしいレオンバルド公爵の屋敷へと向かった。
通されたのは住みなれた屋敷ではなくて、敷地の一番奥に新しく建てられた小さな建物だった。
お家とは言えない……まるで牢屋のような石造りの建物だった。
窓は、足元に通気口のような感じで小さな窓がいくつかあるだけだった。
扉は鉄で出来ていて重たくて女性の力では開け閉めは難しい。
中に入ると薄暗かった。
「ゔあーーーーー!!」
女の子のなんとも言えない恐ろしい唸り声が聞こえてきた。
ベッドはあるのにその女の子は床に転がって蹲り唸っていた。
お祖父様はわたしに顔を向けると、悲しそうにしていた。
「ターナはもう自我すら無くなってしまった……苦しいのかそれとも獣のようになってしまったのか……暴れて唸って叫び続ける……そして突然死んだように眠ってしまうんだ」
「………ターナ?」
わたしがターナの名前を呼んだ。
ターナはわたしに顔を向けて唸り出した。
そして、わたしに飛びかかろうとした……が、足は鎖で繋がれていて、途中で転んでしまった。
転んでもわたしの方に手を伸ばす。
ーーわたしがわかるの?
ターナの瞳は濁っていて何も見えてはいない。
なのにターナがわたしを呼んでいる気がした。
わたしは転んで手を伸ばすターナに近づいた。
「アイシャ、近づくな!」
キリアン様がわたしを止めた。
肩を掴まれたがわたしはその手を振り払いターナの前に跪いた。
ターナは激しく唸り、わたしを牽制した。
「ターナ、アイシャだよ?わかる?」
ターナは、さらに激しく唸った。
「あっゔぅーーーーー」
来るなと言っているのかもしれない。
それでもわたしはターナを抱きしめた。
ターナは唸りながらわたしの腕の中で暴れた。
長く伸び切った爪がわたしの背中に深く食い込む。
暴れる足がわたしのお腹を蹴り上げた。
どんなに暴れようとわたしはターナを離さなかった。
「ターナごめんなさい、わたしは貴女から逃げた。ターナは本当は寂しかったんだよね、お父様もお母様も忙しくて誰からも相手にしてもらえなくて……」
わたしはこの子を助けたい。
わたしの可愛い妹だから。
お母様に対してはこんな感情が湧かなかった。
なのに……どんなことをされてもターナのことは許せてしまう。
だってずっと幼い頃、両親が忙しくていない屋敷で二人で過ごしたのだから。
わたしにはロウトとメリッサという専属の二人がわたしを慈しんでくれた。
もちろんターナにも専属の人はいたけど、メリッサ達のように本気で尽くしてくれた人はいなかったのだろう。
ターナはどんなに使用人を自分の好きに動かしても、メリッサとロウトだけはわたしから奪うことができなかった。
ターナは愛に飢えていた。
なのにターナの我儘に段々疲れていったわたしはターナと関わらなくなっていった。
ターナの我儘は度を超えて、陰湿な意地悪になっていったからわたしも関わることをやめてしまった。
もしあの時、面と向かってターナを怒ってあげていたらこんなことにはならなかったのかもしれない。
わたしはキリアン様達と打ち合わせをして始める予定だったのに、抱きしめたまま治療を始めた。
ーーううん、もう、ターナを離したくなかった。
手を当ててするはずだった治療なのに、わたしは暴れるターナを抱きしめ続けた。
始めは周りも止めようとしたけどわたしは首を横に振って「やめないわ、このまま続けます」と言った。
ターナは何時間も暴れる。
わたしは怪我をしながらも抱きしめ続けた。
後ろからキリアン様が何度もわたしの怪我を治してくれた。
「あっーーーーー!………ちゃ…ん」
ターナの叫び声の中にちゃんとした言葉が聞こえた気がした。
抱きしめているターナの顔を見ると、突然眠りに入った。
その顔は昔のターナの面影はあるけど、あんなに可愛らしかったターナと違いぼろぼろでやつれ果てていた。
「ターナは眠りに入った。しばらくは暴れない。この間にキリアンと代わりアイシャは休んでくれ」
お祖父様はわたしからターナを引き離した。
本当はずっと抱きしめてあげたかった。
でも長丁場になるなら今はまだ無理はできない。
無理して途中で辞めることはあってはならない。
「キリアン様お願いします」
わたしは椅子に座り、出されたお茶を飲んだ。
そしてたくさんの料理を次々と平らげた。
たくさんの魔力を持っているわたしでも流石に疲れていた。
魔力をたくさん使うとかなりお腹が空く。
わたしは食べれるだけ食べて休息をとった。
癒しの魔法にばかり頼っていると段々と体の回復力が遅くなって効かなくなる。
だから出来るだけ自然に任せている。
ターナは数時間眠り続ける。
その間わたしも眠りについた。
でもターナがあれほど酷くなったのは、わたしが原因でもあったみたい。
ならば尚更わたしはターナを助けたい。
キリアン様としっかり打ち合わせをして、お祖父様とイルマナ様とキリアン様、そしてわたしは懐かしいレオンバルド公爵の屋敷へと向かった。
通されたのは住みなれた屋敷ではなくて、敷地の一番奥に新しく建てられた小さな建物だった。
お家とは言えない……まるで牢屋のような石造りの建物だった。
窓は、足元に通気口のような感じで小さな窓がいくつかあるだけだった。
扉は鉄で出来ていて重たくて女性の力では開け閉めは難しい。
中に入ると薄暗かった。
「ゔあーーーーー!!」
女の子のなんとも言えない恐ろしい唸り声が聞こえてきた。
ベッドはあるのにその女の子は床に転がって蹲り唸っていた。
お祖父様はわたしに顔を向けると、悲しそうにしていた。
「ターナはもう自我すら無くなってしまった……苦しいのかそれとも獣のようになってしまったのか……暴れて唸って叫び続ける……そして突然死んだように眠ってしまうんだ」
「………ターナ?」
わたしがターナの名前を呼んだ。
ターナはわたしに顔を向けて唸り出した。
そして、わたしに飛びかかろうとした……が、足は鎖で繋がれていて、途中で転んでしまった。
転んでもわたしの方に手を伸ばす。
ーーわたしがわかるの?
ターナの瞳は濁っていて何も見えてはいない。
なのにターナがわたしを呼んでいる気がした。
わたしは転んで手を伸ばすターナに近づいた。
「アイシャ、近づくな!」
キリアン様がわたしを止めた。
肩を掴まれたがわたしはその手を振り払いターナの前に跪いた。
ターナは激しく唸り、わたしを牽制した。
「ターナ、アイシャだよ?わかる?」
ターナは、さらに激しく唸った。
「あっゔぅーーーーー」
来るなと言っているのかもしれない。
それでもわたしはターナを抱きしめた。
ターナは唸りながらわたしの腕の中で暴れた。
長く伸び切った爪がわたしの背中に深く食い込む。
暴れる足がわたしのお腹を蹴り上げた。
どんなに暴れようとわたしはターナを離さなかった。
「ターナごめんなさい、わたしは貴女から逃げた。ターナは本当は寂しかったんだよね、お父様もお母様も忙しくて誰からも相手にしてもらえなくて……」
わたしはこの子を助けたい。
わたしの可愛い妹だから。
お母様に対してはこんな感情が湧かなかった。
なのに……どんなことをされてもターナのことは許せてしまう。
だってずっと幼い頃、両親が忙しくていない屋敷で二人で過ごしたのだから。
わたしにはロウトとメリッサという専属の二人がわたしを慈しんでくれた。
もちろんターナにも専属の人はいたけど、メリッサ達のように本気で尽くしてくれた人はいなかったのだろう。
ターナはどんなに使用人を自分の好きに動かしても、メリッサとロウトだけはわたしから奪うことができなかった。
ターナは愛に飢えていた。
なのにターナの我儘に段々疲れていったわたしはターナと関わらなくなっていった。
ターナの我儘は度を超えて、陰湿な意地悪になっていったからわたしも関わることをやめてしまった。
もしあの時、面と向かってターナを怒ってあげていたらこんなことにはならなかったのかもしれない。
わたしはキリアン様達と打ち合わせをして始める予定だったのに、抱きしめたまま治療を始めた。
ーーううん、もう、ターナを離したくなかった。
手を当ててするはずだった治療なのに、わたしは暴れるターナを抱きしめ続けた。
始めは周りも止めようとしたけどわたしは首を横に振って「やめないわ、このまま続けます」と言った。
ターナは何時間も暴れる。
わたしは怪我をしながらも抱きしめ続けた。
後ろからキリアン様が何度もわたしの怪我を治してくれた。
「あっーーーーー!………ちゃ…ん」
ターナの叫び声の中にちゃんとした言葉が聞こえた気がした。
抱きしめているターナの顔を見ると、突然眠りに入った。
その顔は昔のターナの面影はあるけど、あんなに可愛らしかったターナと違いぼろぼろでやつれ果てていた。
「ターナは眠りに入った。しばらくは暴れない。この間にキリアンと代わりアイシャは休んでくれ」
お祖父様はわたしからターナを引き離した。
本当はずっと抱きしめてあげたかった。
でも長丁場になるなら今はまだ無理はできない。
無理して途中で辞めることはあってはならない。
「キリアン様お願いします」
わたしは椅子に座り、出されたお茶を飲んだ。
そしてたくさんの料理を次々と平らげた。
たくさんの魔力を持っているわたしでも流石に疲れていた。
魔力をたくさん使うとかなりお腹が空く。
わたしは食べれるだけ食べて休息をとった。
癒しの魔法にばかり頼っていると段々と体の回復力が遅くなって効かなくなる。
だから出来るだけ自然に任せている。
ターナは数時間眠り続ける。
その間わたしも眠りについた。
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