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93話 最終話
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バナッシユ国へ来て3年が過ぎた。
学校も卒業して、今日キリアン様と結婚式を挙げる。
わたしはウエディングドレスを着てキリアン様の横に並んだ。
小さな教会で身内だけの結婚式を挙げた。
お祖父様とアリアやスピナ、お祖母様や北の領地で仲良くなった友人達も出席してくれた。
もちろんバナッシユ国のお父様やお兄様達家族も。
でもそこにはわたしの本当の家族はいなかった。
リサ様もハイド様もターナも呼ぶことはなかった。
それでもわたしは大好きな人に囲まれて祝ってもらって幸せだ。
「アイシャ、幸せになってね」
わたしはアリアとスピナと抱き合った。
「ありがとう、二人とも大好きよ」
「アイシャ、おめでとう!」
みんなからの祝福を受けた数日後、わたしとキリアン様はバナッシユ国を後にした。
結婚式を挙げることが決まった半年前。
「アイシャ、俺の父親のいる国に住んでみない?」
「キリアン様の?」
「うん、俺の母さんは俺をこの国で一人で育ててくれた。俺の父親はイルーダ王国に住んでいるんだ」
「イルーダ王国……確か魔法がとても栄えている国ですよね?」
「そうだよ、だから俺には魔力があるんだ………アイシャが生まれ変わったのは俺のせい、ごめんね。まさかリサ様のもとに生まれ変わるとは思わなかった。あんな辛い思いをするのなら生まれ変わらなければよかったよね?
俺はまだ幼くてただ、アイシャお姉ちゃんが死んでももう一度会いたいと願ったらお姉ちゃんは静かに亡くなって……そして生まれ変わったんだ。でも俺の力はコントロールも出来ないし、魔法の使い方なんて知らなかった。だからアイシャがどこかで生まれ変わったのはなんとなく感じていたけど、どこにいるのかまではわからなかった。
それでもまたいつか巡り会えると思ったんだ。まさかお姉ちゃんとしてではなくてアイシャとして好きになるとは自分でも思わなかった。
アイシャ、俺のせいで嫌な思いをさせた。でもずっと幸せにするから結婚してイルーダ王国へついて来てくれませんか?」
「……わたしは生まれ変わって幸せでした。確かに親には恵まれなかったかも知れないけど、幼い頃は両親に愛された記憶はしっかりあります。それにたくさんの大切な人を作ることができました。
いつかは両親とも……家族には戻れなくても、会いに行ってみたいです。
わたしを生まれ変わらせてくれてありがとうございました。
キリアン様がどうして魔力があるのか不思議でした。
やっと謎が解けました」
「ごめんね、内緒にしていて。俺ってずるいんだよね。アイシャが俺のものになるまで本当のこと言えなくて。でももう離してあげられないくらい愛しているんだ」
「キリアン様のもう一つの祖国に行ってみたいです!もっと魔法の勉強をしたいですし」
ーーキリアン様はわたしに伝える間、少し震えていた。本当のことを伝えた後のわたしの反応が怖かったのだろう。
それにいつもは堂々としてはっきりとものを言うブラックキリアン様なことが多いのに、こんなしょんぼりとしてわたしの顔色を伺いながら話すキリアン様を見られるなんて、ちょっと可愛い過ぎて楽しかった。
怒るわけがない。
あなたがどれだけわたしのことを、わたしの心を守ってくれたか、感謝しかない。
「じゃあ一緒に行こう!」
エマ様にイルーダ王国へ行くことを告げた。
「……いつかはキリアンが父親に会いたいと言い出すと思ってはいたのよ?わたしは彼と喧嘩別れをしたからもう他人だけど」
エマ様は遠い昔のことを思い出しながら、
「キリアンってアイツに似てきたから、アイシャも大変だと思うけど……まあ、アイシャならあの国に住んでも楽しめると思うわ。……わたしには魔力がなかったから大変だったけどね」
少し寂しそうな瞳をしていたエマ様。
それ以上は語ろうとしなかった。
エマ様にも旦那様と別れるにあたり色々な葛藤があったのだと思う。
こうしてわたし達はイルーダ王国へと向かった。
あ!流石にメリッサとロウトは今回はついて来なかった。
ついて来ると言ったけど、メリッサのお腹には二人目の赤ちゃんが入っていたし、まだ一歳半のマリーナを連れ回すのは忍びなかったので、ゴードン様の屋敷で働いてもらうことになった。
ミケランももう10歳のお歳になって連れ回すのは可哀想なので慣れている二人にお願いした。
ミケランは拗ねていた。
でも「今度はマリーナをよろしくね」と伝えると
「フミャア!」
と、仕方なさそうに返事をしてくれた。
新しい生活は不安だけど、キリアン様と二人なら楽しいと思う。
「アイシャ、君の魔法を存分に活かせるし、人に利用されることもない。たぶん一番過ごしやすい国だと思う」
キリアン様はわたしの手を握って二人で新しい国での生活がスタートした。
END
◆ ◆ ◆
読んでいただきありがとうございました。
すみません、長くなりました。
転生の中でも問題あり過ぎて書いていて辛かったです。
それでも最後までなんとか書き続けることができたのは皆様の応援のおかげです。
いつもありがとうございます。
少し時間を置きますが、番外編でイルーダ王国での新婚編を書けたらいいなと思っています。
もしよければその時は読んでいただけると嬉しいです。
学校も卒業して、今日キリアン様と結婚式を挙げる。
わたしはウエディングドレスを着てキリアン様の横に並んだ。
小さな教会で身内だけの結婚式を挙げた。
お祖父様とアリアやスピナ、お祖母様や北の領地で仲良くなった友人達も出席してくれた。
もちろんバナッシユ国のお父様やお兄様達家族も。
でもそこにはわたしの本当の家族はいなかった。
リサ様もハイド様もターナも呼ぶことはなかった。
それでもわたしは大好きな人に囲まれて祝ってもらって幸せだ。
「アイシャ、幸せになってね」
わたしはアリアとスピナと抱き合った。
「ありがとう、二人とも大好きよ」
「アイシャ、おめでとう!」
みんなからの祝福を受けた数日後、わたしとキリアン様はバナッシユ国を後にした。
結婚式を挙げることが決まった半年前。
「アイシャ、俺の父親のいる国に住んでみない?」
「キリアン様の?」
「うん、俺の母さんは俺をこの国で一人で育ててくれた。俺の父親はイルーダ王国に住んでいるんだ」
「イルーダ王国……確か魔法がとても栄えている国ですよね?」
「そうだよ、だから俺には魔力があるんだ………アイシャが生まれ変わったのは俺のせい、ごめんね。まさかリサ様のもとに生まれ変わるとは思わなかった。あんな辛い思いをするのなら生まれ変わらなければよかったよね?
俺はまだ幼くてただ、アイシャお姉ちゃんが死んでももう一度会いたいと願ったらお姉ちゃんは静かに亡くなって……そして生まれ変わったんだ。でも俺の力はコントロールも出来ないし、魔法の使い方なんて知らなかった。だからアイシャがどこかで生まれ変わったのはなんとなく感じていたけど、どこにいるのかまではわからなかった。
それでもまたいつか巡り会えると思ったんだ。まさかお姉ちゃんとしてではなくてアイシャとして好きになるとは自分でも思わなかった。
アイシャ、俺のせいで嫌な思いをさせた。でもずっと幸せにするから結婚してイルーダ王国へついて来てくれませんか?」
「……わたしは生まれ変わって幸せでした。確かに親には恵まれなかったかも知れないけど、幼い頃は両親に愛された記憶はしっかりあります。それにたくさんの大切な人を作ることができました。
いつかは両親とも……家族には戻れなくても、会いに行ってみたいです。
わたしを生まれ変わらせてくれてありがとうございました。
キリアン様がどうして魔力があるのか不思議でした。
やっと謎が解けました」
「ごめんね、内緒にしていて。俺ってずるいんだよね。アイシャが俺のものになるまで本当のこと言えなくて。でももう離してあげられないくらい愛しているんだ」
「キリアン様のもう一つの祖国に行ってみたいです!もっと魔法の勉強をしたいですし」
ーーキリアン様はわたしに伝える間、少し震えていた。本当のことを伝えた後のわたしの反応が怖かったのだろう。
それにいつもは堂々としてはっきりとものを言うブラックキリアン様なことが多いのに、こんなしょんぼりとしてわたしの顔色を伺いながら話すキリアン様を見られるなんて、ちょっと可愛い過ぎて楽しかった。
怒るわけがない。
あなたがどれだけわたしのことを、わたしの心を守ってくれたか、感謝しかない。
「じゃあ一緒に行こう!」
エマ様にイルーダ王国へ行くことを告げた。
「……いつかはキリアンが父親に会いたいと言い出すと思ってはいたのよ?わたしは彼と喧嘩別れをしたからもう他人だけど」
エマ様は遠い昔のことを思い出しながら、
「キリアンってアイツに似てきたから、アイシャも大変だと思うけど……まあ、アイシャならあの国に住んでも楽しめると思うわ。……わたしには魔力がなかったから大変だったけどね」
少し寂しそうな瞳をしていたエマ様。
それ以上は語ろうとしなかった。
エマ様にも旦那様と別れるにあたり色々な葛藤があったのだと思う。
こうしてわたし達はイルーダ王国へと向かった。
あ!流石にメリッサとロウトは今回はついて来なかった。
ついて来ると言ったけど、メリッサのお腹には二人目の赤ちゃんが入っていたし、まだ一歳半のマリーナを連れ回すのは忍びなかったので、ゴードン様の屋敷で働いてもらうことになった。
ミケランももう10歳のお歳になって連れ回すのは可哀想なので慣れている二人にお願いした。
ミケランは拗ねていた。
でも「今度はマリーナをよろしくね」と伝えると
「フミャア!」
と、仕方なさそうに返事をしてくれた。
新しい生活は不安だけど、キリアン様と二人なら楽しいと思う。
「アイシャ、君の魔法を存分に活かせるし、人に利用されることもない。たぶん一番過ごしやすい国だと思う」
キリアン様はわたしの手を握って二人で新しい国での生活がスタートした。
END
◆ ◆ ◆
読んでいただきありがとうございました。
すみません、長くなりました。
転生の中でも問題あり過ぎて書いていて辛かったです。
それでも最後までなんとか書き続けることができたのは皆様の応援のおかげです。
いつもありがとうございます。
少し時間を置きますが、番外編でイルーダ王国での新婚編を書けたらいいなと思っています。
もしよければその時は読んでいただけると嬉しいです。
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