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(まだ)離縁しません
中編 9
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フランが真っ赤になってプンプン怒る姿を見てわたしは顔を両手で覆った。
ーー可愛い、可愛くて、鼻血が出そう。
わたしのことを愛してやまない、あの姿。
どうしよう、もう誰にも見せたくない!
「フラン!起きたの?もう!可愛い!アンナのところにおいで!」
わたしは両手を広げてフランが来るのを待った。
さあ!飛び込んでおいで!
「…………………」
「…………………???」
「フラン?」
「ぼく、アンナきらい!」
「えっ?どうして?わたしフランのことこんなに愛してやまないのに?もう大好きすぎて死にそうなのに?」
「アンナ、アル、だっこした!きらいっ!」
「えっ?で、でも、アルバードは弟なの。だから久しぶりだから、それで……」
「き・ら・い」
プイッと横を向くフラン。
まさかの展開にわたしは茫然自失。
言葉を失い、立ったまま動けない。
「フラン様、初めまして。アルバード・ロックスと申します。アンナの弟です」
ソファから立ち上がりフランの前に蹲んで片膝を立てた。
アルバードはわたしにすら見せないとってもかっこいい爽やかスマイルで挨拶をした。
アルバード!かっこいい!
思わず心の声が出そうになったけど、多分、この言葉、フランの前では絶対言ってはいけない言葉。
うん、グッと我慢。
フランはそんなアルバードをじっと見つめ、
「ぼくはフラン・サルバナ。とうさまのむすこなの」と挨拶を返した。
「か、可愛い~!」
今度は思わず声が出た。
キッとわたしを睨むフラン。
「くそババァ!うるさい!」
フランのご機嫌がとっても斜めで、怒られた。
『くそババァ』久しぶりにいただきました。
「ごめん、フラン」
シュンとなったわたしにアルバードが言った。
「姉上、フラン様はあなたの義息子でしょう?こんなことを言われて叱らないなんておかしいでしょう?」
「うん、でもね、最近はそんなこと言われなくなったのよ?」
「最近は……?」
ア、アルバードの顔がこ、怖い。
この子普段は姉想いの優しい弟なんだけど、変なところで生真面目で変なところ堅物だから、スイッチ入ると怖いのよね。
「姉上、こんな所にいたら姉上が不幸になります。まともな服も着せてもらえず、出されたお菓子は見窄らしい物、さらに義息子にはくそババァなんて言われて。情けない。悔しくないのですか?こんな酷いところで暮らしていたなんて」
「そんなことない!とっても幸せよ!それに見窄らしいお菓子って、それは失礼じゃない!わたしが作っ………」
「アル!でてけ!アンナもでてけ!アンナなんかきらい!」
フランはわんわん泣き出した。
生まれてこのかた、他人に叱られたことのないフラン。アルバードが本気で怒っているのを見てすっごくショックだったみたい。
でもアルバードはわたしに言ったのであってフランに言ったわけではないのに。
「フラン、泣かないで」
わたしがフランを抱きしめようとしたらフランが嫌がって、わたしのことを手で振り払った。
小さな手が目に当たって「いたっ!」思わず声が出た。
「姉上!」
アルバードが急いでわたしの目を見てくれた。
「瞼に傷が……」
「えっ?」
瞼をそっと触ると手に血がついていた。
思ったよりも血が付いた。
子供の爪って案外凶器になるのよね。なんて思いながら「平気よ、痛くないわ」と二人に向かって笑ってみせた。
「う、うわあーーーん」
フランがさらに大泣きになった。
「フラン、ちょっと掠っただけなの。子供の爪ってたまにこんなことになるの。アルバードの時も同じことがあったの。だから慣れてるの、大丈夫だから、泣かないで」
「ああ……フラン様、泣かないでください。僕も姉上を振り払って頬に怪我をさせたことがあります。姉上はそんなことで怒りません。薬を塗ったら治りますから」
「フ、フラン、わるいこ、だもん。アンナのこと、きらいって………ち、ちが、………うわーーーん!!」
フランがもう手がつけられないくらい泣き出した。
「フラン泣かないでちょうだい」
わたしがフランをあやそうとすると、わたしの血だらけの顔を見てさらに泣き出す。
あっ、当たり前か……でもその時は何も考えず……
「姉上、まずは顔を拭いてハンカチで傷を押さえて向こうへ行っててください!」
「はい」
指さされ、リナのところへ行った。
するとアルバードがフランを抱きかかえた。
驚いてアルバードの腕の中で暴れ出すフラン。
「おろせ!さわるな!」
ジタバタするフランに、アルバードが静かに一言。
「男だろう?泣くな」
アルバード、かっこいい!
リナにハンカチを受け取りながら二人を見た。
フランはそれでも大泣きして暴れていた。
するとアルバードがもう一度。
「泣くな。フラン様は父様の息子なんだろう?」
「…………うっ……と、とうさまの……むすこ……だもん」
うわぁ、やばい。
フラン、可愛い。
目に涙をいっぱいためて、泣きすぎて目は真っ赤っか。
よく見れば鼻水が………
アルバード、あとで着替えを用意してあげますからね。
ーー可愛い、可愛くて、鼻血が出そう。
わたしのことを愛してやまない、あの姿。
どうしよう、もう誰にも見せたくない!
「フラン!起きたの?もう!可愛い!アンナのところにおいで!」
わたしは両手を広げてフランが来るのを待った。
さあ!飛び込んでおいで!
「…………………」
「…………………???」
「フラン?」
「ぼく、アンナきらい!」
「えっ?どうして?わたしフランのことこんなに愛してやまないのに?もう大好きすぎて死にそうなのに?」
「アンナ、アル、だっこした!きらいっ!」
「えっ?で、でも、アルバードは弟なの。だから久しぶりだから、それで……」
「き・ら・い」
プイッと横を向くフラン。
まさかの展開にわたしは茫然自失。
言葉を失い、立ったまま動けない。
「フラン様、初めまして。アルバード・ロックスと申します。アンナの弟です」
ソファから立ち上がりフランの前に蹲んで片膝を立てた。
アルバードはわたしにすら見せないとってもかっこいい爽やかスマイルで挨拶をした。
アルバード!かっこいい!
思わず心の声が出そうになったけど、多分、この言葉、フランの前では絶対言ってはいけない言葉。
うん、グッと我慢。
フランはそんなアルバードをじっと見つめ、
「ぼくはフラン・サルバナ。とうさまのむすこなの」と挨拶を返した。
「か、可愛い~!」
今度は思わず声が出た。
キッとわたしを睨むフラン。
「くそババァ!うるさい!」
フランのご機嫌がとっても斜めで、怒られた。
『くそババァ』久しぶりにいただきました。
「ごめん、フラン」
シュンとなったわたしにアルバードが言った。
「姉上、フラン様はあなたの義息子でしょう?こんなことを言われて叱らないなんておかしいでしょう?」
「うん、でもね、最近はそんなこと言われなくなったのよ?」
「最近は……?」
ア、アルバードの顔がこ、怖い。
この子普段は姉想いの優しい弟なんだけど、変なところで生真面目で変なところ堅物だから、スイッチ入ると怖いのよね。
「姉上、こんな所にいたら姉上が不幸になります。まともな服も着せてもらえず、出されたお菓子は見窄らしい物、さらに義息子にはくそババァなんて言われて。情けない。悔しくないのですか?こんな酷いところで暮らしていたなんて」
「そんなことない!とっても幸せよ!それに見窄らしいお菓子って、それは失礼じゃない!わたしが作っ………」
「アル!でてけ!アンナもでてけ!アンナなんかきらい!」
フランはわんわん泣き出した。
生まれてこのかた、他人に叱られたことのないフラン。アルバードが本気で怒っているのを見てすっごくショックだったみたい。
でもアルバードはわたしに言ったのであってフランに言ったわけではないのに。
「フラン、泣かないで」
わたしがフランを抱きしめようとしたらフランが嫌がって、わたしのことを手で振り払った。
小さな手が目に当たって「いたっ!」思わず声が出た。
「姉上!」
アルバードが急いでわたしの目を見てくれた。
「瞼に傷が……」
「えっ?」
瞼をそっと触ると手に血がついていた。
思ったよりも血が付いた。
子供の爪って案外凶器になるのよね。なんて思いながら「平気よ、痛くないわ」と二人に向かって笑ってみせた。
「う、うわあーーーん」
フランがさらに大泣きになった。
「フラン、ちょっと掠っただけなの。子供の爪ってたまにこんなことになるの。アルバードの時も同じことがあったの。だから慣れてるの、大丈夫だから、泣かないで」
「ああ……フラン様、泣かないでください。僕も姉上を振り払って頬に怪我をさせたことがあります。姉上はそんなことで怒りません。薬を塗ったら治りますから」
「フ、フラン、わるいこ、だもん。アンナのこと、きらいって………ち、ちが、………うわーーーん!!」
フランがもう手がつけられないくらい泣き出した。
「フラン泣かないでちょうだい」
わたしがフランをあやそうとすると、わたしの血だらけの顔を見てさらに泣き出す。
あっ、当たり前か……でもその時は何も考えず……
「姉上、まずは顔を拭いてハンカチで傷を押さえて向こうへ行っててください!」
「はい」
指さされ、リナのところへ行った。
するとアルバードがフランを抱きかかえた。
驚いてアルバードの腕の中で暴れ出すフラン。
「おろせ!さわるな!」
ジタバタするフランに、アルバードが静かに一言。
「男だろう?泣くな」
アルバード、かっこいい!
リナにハンカチを受け取りながら二人を見た。
フランはそれでも大泣きして暴れていた。
するとアルバードがもう一度。
「泣くな。フラン様は父様の息子なんだろう?」
「…………うっ……と、とうさまの……むすこ……だもん」
うわぁ、やばい。
フラン、可愛い。
目に涙をいっぱいためて、泣きすぎて目は真っ赤っか。
よく見れば鼻水が………
アルバード、あとで着替えを用意してあげますからね。
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