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嫌です。別れません
30話
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「魔女さんは?」
リオは忙しい中、魔女さんのことを心配して急いで帰ってきてくれる。
ふと気がつくとわたし達三人は家族になっていた。誰が抜けても困る。そんな仲の良い家族に。
時間が合えば三人で食事をしてみんなで一つの部屋でのんびりと過ごす。
本を読んだり編み物をしたり、みんなでお昼寝をしたり、一つの空間で当たり前のように寄り添って暮らした。
魔女さんは最近少しずつ体調も良くなり一緒に庭に出て薬草や花の世話をした。わたしも今では癒しの力を込めた薬を作り、安価で市井で売り始めた。思っていた以上に評判になり、今では魔女さんと二人忙しく薬を作っている。
そんなある日、リオの祖国、ダンが住んでいる国に流行り病が蔓延しているという話を耳にした。
一度は滅んだ国。そしてそこから新しい王が国を再建したと魔女さんは言っていた。
『ダンはもうあの国にはいない』
『ダンは何をやってるんだろうね』
魔女さんはダンのことを知らないと言う。でも一度はわたしに会いにきてくれたと聞いた。追い返したらしいけど。
ダン……あなたは今どうしているの?
もう別れて15年以上経っている。彼が幸せに暮らしているのならそれでいい。
でも、病気が蔓延しているのならダンは大丈夫なのかしら?
新しい家庭ができているかもしれない。アイリスさんと幸せに暮らしているのかもしれない。
わたしは自分から彼と別れる決心をした。そしてあの国から去った。
でも思い出すのはあの国で出会った優しい人たち。そして、一度は愛した人。
彼らが苦しんでいるのに放って置けない。わたしは居ても立っても居られなくて。
「魔女さん、わたしあの国へ行ってもいいかな?」
「リオが許さないと思うよ」
「うん、リオに心配させてしまうのは心苦しい。でも、少しでも苦しんでいる人がいるのなら助けたい」
「あたしはもう以前ほどの魔力はない。マナ、あんたを手助けしたくても残念ながらしてやれないんだ」
悔しそうに魔女さんはそう言った。
「魔女さん、いつも通り薬草の世話をして薬をここで作っていてくれますか?
この国でだって困っている人はたくさんいます。魔女さんにはこの国のみんなのためにもう少しだけ頑張っていてもらえますか?わたしは、自分ができることをしてきます」
「はあー、あんたは止めても行くんだから。仕方ないからあたしからのプレゼントだ」
そう言ってわたしに魔力のこもったピアスをくれた。
「これをつけていればあんたの力が足りなくなった時守ってくれる。それに……うん、まぁ、とにかく行っておいで、リオには適当に伝えておくよ」
「魔女さん……ううん、ソフィア様ありがとうございます」
コクンと頷いてわたしは持てるだけの薬と薬草をリュックに詰め込んだ。足りないものは迷いの森に行けばなんとかなる。
リオには何も言わないで行く。言えば反対されるのは目に見えている。『勝手にいなくならないで』と言われているのにやっぱりわたしは自分の気持ちを大切にしてしまう。
家族の大切さもこんなにしっかりわかっているはずなのに、失うかもしれないのに、手放したくないのに、たくさんの人が苦しんでいると知るとやはり助けたいと思う。
わたしは箒を魔女さんに借りて空を飛ぶ。
魔女さんの魔力のこもったピアスのおかげで箒に乗れた。
わたしの聖力でどこまで助けられるかわからないけど、できるだけ頑張るつもり。
リオ、ごめんなさい。
何度も心の中で謝りながらわたしは空を急ぎ飛ぶ。
迷いの森につくと、箒を隠す。
以前住んでいた村へ行くとそこは人影がなくとても重たい空気が流れていた。
パン屋のおばちゃんのところへ顔を出すとお店は閉まっていた。
裏へ周り声をかけるも誰からも反応はない。
「おばちゃん?」
昔よく訪れた場所なので「失礼します」と勝手に家の中へと入ると、ベッドでぐったりと横になっているおばちゃんとおじちゃんを見つけた。
二人に面影はあるけど15年が経ちかなり年老いて見えた。流行り病に冒されて、衰弱していた。
急いで二人に近づくと癒しの魔法をかけた。
「………マナ…かい?」
少し体調が良くなったおばちゃんが涙を潤ませわたしを見つめた。
「お久しぶりです……」
おばちゃんの手を握ると、弱い力ながらもわたしの手を握り返してくれた。
リオは忙しい中、魔女さんのことを心配して急いで帰ってきてくれる。
ふと気がつくとわたし達三人は家族になっていた。誰が抜けても困る。そんな仲の良い家族に。
時間が合えば三人で食事をしてみんなで一つの部屋でのんびりと過ごす。
本を読んだり編み物をしたり、みんなでお昼寝をしたり、一つの空間で当たり前のように寄り添って暮らした。
魔女さんは最近少しずつ体調も良くなり一緒に庭に出て薬草や花の世話をした。わたしも今では癒しの力を込めた薬を作り、安価で市井で売り始めた。思っていた以上に評判になり、今では魔女さんと二人忙しく薬を作っている。
そんなある日、リオの祖国、ダンが住んでいる国に流行り病が蔓延しているという話を耳にした。
一度は滅んだ国。そしてそこから新しい王が国を再建したと魔女さんは言っていた。
『ダンはもうあの国にはいない』
『ダンは何をやってるんだろうね』
魔女さんはダンのことを知らないと言う。でも一度はわたしに会いにきてくれたと聞いた。追い返したらしいけど。
ダン……あなたは今どうしているの?
もう別れて15年以上経っている。彼が幸せに暮らしているのならそれでいい。
でも、病気が蔓延しているのならダンは大丈夫なのかしら?
新しい家庭ができているかもしれない。アイリスさんと幸せに暮らしているのかもしれない。
わたしは自分から彼と別れる決心をした。そしてあの国から去った。
でも思い出すのはあの国で出会った優しい人たち。そして、一度は愛した人。
彼らが苦しんでいるのに放って置けない。わたしは居ても立っても居られなくて。
「魔女さん、わたしあの国へ行ってもいいかな?」
「リオが許さないと思うよ」
「うん、リオに心配させてしまうのは心苦しい。でも、少しでも苦しんでいる人がいるのなら助けたい」
「あたしはもう以前ほどの魔力はない。マナ、あんたを手助けしたくても残念ながらしてやれないんだ」
悔しそうに魔女さんはそう言った。
「魔女さん、いつも通り薬草の世話をして薬をここで作っていてくれますか?
この国でだって困っている人はたくさんいます。魔女さんにはこの国のみんなのためにもう少しだけ頑張っていてもらえますか?わたしは、自分ができることをしてきます」
「はあー、あんたは止めても行くんだから。仕方ないからあたしからのプレゼントだ」
そう言ってわたしに魔力のこもったピアスをくれた。
「これをつけていればあんたの力が足りなくなった時守ってくれる。それに……うん、まぁ、とにかく行っておいで、リオには適当に伝えておくよ」
「魔女さん……ううん、ソフィア様ありがとうございます」
コクンと頷いてわたしは持てるだけの薬と薬草をリュックに詰め込んだ。足りないものは迷いの森に行けばなんとかなる。
リオには何も言わないで行く。言えば反対されるのは目に見えている。『勝手にいなくならないで』と言われているのにやっぱりわたしは自分の気持ちを大切にしてしまう。
家族の大切さもこんなにしっかりわかっているはずなのに、失うかもしれないのに、手放したくないのに、たくさんの人が苦しんでいると知るとやはり助けたいと思う。
わたしは箒を魔女さんに借りて空を飛ぶ。
魔女さんの魔力のこもったピアスのおかげで箒に乗れた。
わたしの聖力でどこまで助けられるかわからないけど、できるだけ頑張るつもり。
リオ、ごめんなさい。
何度も心の中で謝りながらわたしは空を急ぎ飛ぶ。
迷いの森につくと、箒を隠す。
以前住んでいた村へ行くとそこは人影がなくとても重たい空気が流れていた。
パン屋のおばちゃんのところへ顔を出すとお店は閉まっていた。
裏へ周り声をかけるも誰からも反応はない。
「おばちゃん?」
昔よく訪れた場所なので「失礼します」と勝手に家の中へと入ると、ベッドでぐったりと横になっているおばちゃんとおじちゃんを見つけた。
二人に面影はあるけど15年が経ちかなり年老いて見えた。流行り病に冒されて、衰弱していた。
急いで二人に近づくと癒しの魔法をかけた。
「………マナ…かい?」
少し体調が良くなったおばちゃんが涙を潤ませわたしを見つめた。
「お久しぶりです……」
おばちゃんの手を握ると、弱い力ながらもわたしの手を握り返してくれた。
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