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幼馴染が大切ならわたしとは離縁しましょう。
えっ?すれ違いのはずなのに。
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暇なので仕方ない。
ダレンの屋敷、離れには花壇はない。
あ、わたしも住んでいるのでわたし達?のかな。
だから本邸の庭へと向かった。
まぁ、離れから歩いて少しなんだけど。
最近は暇なのでここでもお世話をさせてもらっている。
庭師が三人いて、三人のことをじっちゃん、おいちゃん、ちぃちゃんと勝手に呼んでいる。
見た目だけで。
でも三人ともその呼び方を気に入ってくれていて、にこにこと笑って返事をしてくれる。
もちろん毎回わたしが飛び入り参加しても快く受け入れてくれる。
素人のわたしにいろいろご指導をしてくれる。種や苗も分けてもらえるので、学校と実家に持って行き、そこでもまたお花談義に花を咲かせていた。
「おいちゃん、この花の名前は?」
「これか?この国にはない花だ。俺が改良したからここにしかない」
その花は薔薇みたいだけど違うし、ラナンキュラスみたいだけど、やっぱり違うし、棘はないし、匂いはどちらとも違いとってもいい。
「この花、香水にするといいかも」
思わず呟くと、「香水?」「そりゃまた面白い発想じゃな」と楽しそうにわたしの話を聞いてくれる。
「部屋に飾っても可愛いし、匂いもいいし、この花、もっとたくさん咲かせたい!」
「じゃあ、嬢ちゃんが頑張って咲かせたらいい」
「わたし?わたしが咲かせてもいいの?本当に?やったぁ!!」
もうなんて優しいおじちゃんたち!
わたしはここではいつも昔から着ていたらしいダレンの子供の時の服を着てる。
シャツにズボン。これが一番動きやすい。
背が低いわたしにはダレンが12歳の頃に着ていた服がピッタリで、昔から働くメイドに頼んで貰い受けた。
別に愛や恋はないけど、彼の着古した服を着るのはいいと思うの。
泥まみれになりながらおいちゃん達と大笑いをしながら庭の手入れをしていた。
お昼になって三人は使用人用の食堂で昼食を食べる。
「わたしも一緒に食べてもいいかな?」
「嬢ちゃんはここの若奥様だろう?使用人と一緒に食べて怒られないのかい?」
じっちゃんが「やめとけ」と言うけど
「みんなと食べた方が美味しいもの。一人でどんなに豪華な料理を食べても美味しいなんて思えない」
「そうかそうか、わしと一緒だな」
じっちゃんが「うんうん」と頷いた。
「じゃあ、一緒に食うか?」
三人にくっついて初めて使用人用の食堂へ行った。
ここは屋敷の使用人はもちろん、商会で働く人たちも昼食を食べに来るらしい。
だからわたしが一人飛び入りしてもたくさん作られているから大丈夫らしい。
「こ、こんにちは」
「お疲れ様です」
食堂に入ると数人がこちらを見て慌てて挨拶をしてきた。
わたしを見て挨拶?ううん、違う。
じっちゃんにみんな挨拶してる。
「じっちゃんは何者?」
わたしはチキンソテーを切ってフォークにさして口に入れながらボソッと呟いた。
「わしか?わしは庭師だ」
じっちゃんのその言葉においちゃんとちぃちゃんがニコッと笑っていた。
聞いても教えてくれなさそう。だったら無理して聞く必要はない。
わたしは労働後の空きっ腹に美味しいチキンソテーとトマトのスープ、サラダにチーズパンをしっかり美味しくいただいていた。
「お祖父様!」
うん?お祖父様?
その声は……ダレン?
料理から目を離し、上を向くとダレンがじっちゃんに話しかけていた。
「ダレン、どうした?」
「父上がお祖父様を探していましたよ。庭に行ってみればもういなかったので、多分ここだと思ってきました」
「わしは今日商会の仕事は早朝に終わらせたはずじゃが?」
「緊急を要します。ソラリア国からの荷物が遅れそうとのことです。なんとか少しでも早く届くようにしなければ搬入できなくなって大赤字になります」
「はあ、そんなことも倅は対処できないのか」
「父上では貨物船の船長が話を聞いてくれません。お祖父様を出せと言っています」
「あの船長は頑固だからな。わかった、行くとしようか」
「嬢ちゃんはゆっくり食べててくれ」
「ダレン、わしの代わりに相手をしてやってくれ」
ダレンはわたしがここにいることに気がついていたはずなのにこちらに視線を向けない。
そんなにわたしが嫌いならさっさと立ち去ればいいのに。それに今日は今からアデリーナとお買い物だもの。
わたしなんか相手にする暇もないはず。
ダレンのことは無視しておいちゃんとちぃちゃんと三人で仲良く話しながら食事をすすめた。
「おいちゃん、じっちゃんって、もしかしてここの商会のトップ?」
「嬢ちゃん、あんたやっぱり気がついていなかったんだ」
「だって一度お会いしたのは結婚式の時であんな髭生えていなかったもの」
「髭……確かに結婚式の時だけ剃っていたな。すぐにまた生やし始めたけど」
今のじっちゃんはふさふさではないけどそれなりに髭がある。中途半端なのは今生えてる途中だから?
だからなんとなく見窄らしく見える。
まあ汚れてもいい服装にしているのも原因だけど。
ふと自分の服装も気になって見た。
うん、それなりに、見窄らしい。
「おいちゃんとちぃちゃんも、もしかしてここの親戚?」
「俺はそこのダレンの父親の従兄弟だ」
わー、やっぱり。
ちぃちゃんをチラッと見ると
「俺はダレンの叔父かな」
ちぃちゃん、叔父様なの?
わーーー、わたしそんな三人にすっごいダレンの悪口言ってた。
ダレンはわたしの目の前の席にいつのまにか座っていた。
「ミズナ、君、三人のことを庭師だと思っていたの?」
「………だって三人ともいつも庭にいて花のお世話をしているから」
「嬢ちゃん、俺たちは花いじりが好きなんだ。ついでにここで品種改良をしたり、花畑を他所に持っているんだがその前の試作品をここで作っているんだよ」
「商売のため?」
「まあ、商売のためでもあり、趣味が金になってるとも言える」
「なるほど」
「だから、あの香水の話も試作品を作ってみようと思う。売れそうなら香水の名前は「ミズナ」にでもするといい」
「うわぁ、無理無理。そんなの恥ずかしすぎます」
なんだか恥ずかしくて照れているとダレンがクスッと笑う。
「ミズナに香水?」
「香水をつけるのではなく、わたしが作り出したいと言ったの!出来たら、あなたの大切なアデリーナに一番最初にプレゼントすればいいわ」
思わずダレンの前でテーブルをバン!と叩いて「先に花壇に行ってます!」と言って、最後の一口のパンを口に放り込んでから食堂を出た。
周囲の人は黙ってこちらを見ていたけどわたしはそんな視線も無視した!
ダレンの屋敷、離れには花壇はない。
あ、わたしも住んでいるのでわたし達?のかな。
だから本邸の庭へと向かった。
まぁ、離れから歩いて少しなんだけど。
最近は暇なのでここでもお世話をさせてもらっている。
庭師が三人いて、三人のことをじっちゃん、おいちゃん、ちぃちゃんと勝手に呼んでいる。
見た目だけで。
でも三人ともその呼び方を気に入ってくれていて、にこにこと笑って返事をしてくれる。
もちろん毎回わたしが飛び入り参加しても快く受け入れてくれる。
素人のわたしにいろいろご指導をしてくれる。種や苗も分けてもらえるので、学校と実家に持って行き、そこでもまたお花談義に花を咲かせていた。
「おいちゃん、この花の名前は?」
「これか?この国にはない花だ。俺が改良したからここにしかない」
その花は薔薇みたいだけど違うし、ラナンキュラスみたいだけど、やっぱり違うし、棘はないし、匂いはどちらとも違いとってもいい。
「この花、香水にするといいかも」
思わず呟くと、「香水?」「そりゃまた面白い発想じゃな」と楽しそうにわたしの話を聞いてくれる。
「部屋に飾っても可愛いし、匂いもいいし、この花、もっとたくさん咲かせたい!」
「じゃあ、嬢ちゃんが頑張って咲かせたらいい」
「わたし?わたしが咲かせてもいいの?本当に?やったぁ!!」
もうなんて優しいおじちゃんたち!
わたしはここではいつも昔から着ていたらしいダレンの子供の時の服を着てる。
シャツにズボン。これが一番動きやすい。
背が低いわたしにはダレンが12歳の頃に着ていた服がピッタリで、昔から働くメイドに頼んで貰い受けた。
別に愛や恋はないけど、彼の着古した服を着るのはいいと思うの。
泥まみれになりながらおいちゃん達と大笑いをしながら庭の手入れをしていた。
お昼になって三人は使用人用の食堂で昼食を食べる。
「わたしも一緒に食べてもいいかな?」
「嬢ちゃんはここの若奥様だろう?使用人と一緒に食べて怒られないのかい?」
じっちゃんが「やめとけ」と言うけど
「みんなと食べた方が美味しいもの。一人でどんなに豪華な料理を食べても美味しいなんて思えない」
「そうかそうか、わしと一緒だな」
じっちゃんが「うんうん」と頷いた。
「じゃあ、一緒に食うか?」
三人にくっついて初めて使用人用の食堂へ行った。
ここは屋敷の使用人はもちろん、商会で働く人たちも昼食を食べに来るらしい。
だからわたしが一人飛び入りしてもたくさん作られているから大丈夫らしい。
「こ、こんにちは」
「お疲れ様です」
食堂に入ると数人がこちらを見て慌てて挨拶をしてきた。
わたしを見て挨拶?ううん、違う。
じっちゃんにみんな挨拶してる。
「じっちゃんは何者?」
わたしはチキンソテーを切ってフォークにさして口に入れながらボソッと呟いた。
「わしか?わしは庭師だ」
じっちゃんのその言葉においちゃんとちぃちゃんがニコッと笑っていた。
聞いても教えてくれなさそう。だったら無理して聞く必要はない。
わたしは労働後の空きっ腹に美味しいチキンソテーとトマトのスープ、サラダにチーズパンをしっかり美味しくいただいていた。
「お祖父様!」
うん?お祖父様?
その声は……ダレン?
料理から目を離し、上を向くとダレンがじっちゃんに話しかけていた。
「ダレン、どうした?」
「父上がお祖父様を探していましたよ。庭に行ってみればもういなかったので、多分ここだと思ってきました」
「わしは今日商会の仕事は早朝に終わらせたはずじゃが?」
「緊急を要します。ソラリア国からの荷物が遅れそうとのことです。なんとか少しでも早く届くようにしなければ搬入できなくなって大赤字になります」
「はあ、そんなことも倅は対処できないのか」
「父上では貨物船の船長が話を聞いてくれません。お祖父様を出せと言っています」
「あの船長は頑固だからな。わかった、行くとしようか」
「嬢ちゃんはゆっくり食べててくれ」
「ダレン、わしの代わりに相手をしてやってくれ」
ダレンはわたしがここにいることに気がついていたはずなのにこちらに視線を向けない。
そんなにわたしが嫌いならさっさと立ち去ればいいのに。それに今日は今からアデリーナとお買い物だもの。
わたしなんか相手にする暇もないはず。
ダレンのことは無視しておいちゃんとちぃちゃんと三人で仲良く話しながら食事をすすめた。
「おいちゃん、じっちゃんって、もしかしてここの商会のトップ?」
「嬢ちゃん、あんたやっぱり気がついていなかったんだ」
「だって一度お会いしたのは結婚式の時であんな髭生えていなかったもの」
「髭……確かに結婚式の時だけ剃っていたな。すぐにまた生やし始めたけど」
今のじっちゃんはふさふさではないけどそれなりに髭がある。中途半端なのは今生えてる途中だから?
だからなんとなく見窄らしく見える。
まあ汚れてもいい服装にしているのも原因だけど。
ふと自分の服装も気になって見た。
うん、それなりに、見窄らしい。
「おいちゃんとちぃちゃんも、もしかしてここの親戚?」
「俺はそこのダレンの父親の従兄弟だ」
わー、やっぱり。
ちぃちゃんをチラッと見ると
「俺はダレンの叔父かな」
ちぃちゃん、叔父様なの?
わーーー、わたしそんな三人にすっごいダレンの悪口言ってた。
ダレンはわたしの目の前の席にいつのまにか座っていた。
「ミズナ、君、三人のことを庭師だと思っていたの?」
「………だって三人ともいつも庭にいて花のお世話をしているから」
「嬢ちゃん、俺たちは花いじりが好きなんだ。ついでにここで品種改良をしたり、花畑を他所に持っているんだがその前の試作品をここで作っているんだよ」
「商売のため?」
「まあ、商売のためでもあり、趣味が金になってるとも言える」
「なるほど」
「だから、あの香水の話も試作品を作ってみようと思う。売れそうなら香水の名前は「ミズナ」にでもするといい」
「うわぁ、無理無理。そんなの恥ずかしすぎます」
なんだか恥ずかしくて照れているとダレンがクスッと笑う。
「ミズナに香水?」
「香水をつけるのではなく、わたしが作り出したいと言ったの!出来たら、あなたの大切なアデリーナに一番最初にプレゼントすればいいわ」
思わずダレンの前でテーブルをバン!と叩いて「先に花壇に行ってます!」と言って、最後の一口のパンを口に放り込んでから食堂を出た。
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