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幼馴染が大切ならわたしとは離縁しましょう。
あー、スッキリ!!
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なんだか腹が立つ。
確かに庭師と勘違いして馴れ馴れしく三人に話していし、わたしのこの格好はどう見ても見窄らしいし……うん、あの使用人用の食堂にいてもわたしは確かに一人小っ恥ずかしい格好でいた気がする。
だけどクスッて笑う?
なんだかムカつく。
庭に戻るとさっきまで作業していたところから外れて、雑草の多い脇へと向かい、
「あのクソ野郎」
ブチッ。
「ふざけんな」
ブチッ。
「なんかムカつく」
ブチッ。
「絶対人気になる香水作ってやる」
ブチ、ブチッ。
「さっさと離縁してやるんだから」
ブチッ。
「あんな奴、大っ嫌い!」
ブチ、ブチッ!
「クククククッ…アハハハッ」
大きな笑い声が聞こえた。
「なんでわたしの背後に居るの?大っ嫌いって聞こえなかった?あなたの耳、もう老化現象でも起きてるの?」
「『あんな奴』って言ったのは君だろう?俺のことじゃないかもしれないだろう?」
ーーいやあんたしかいないの分かってるでしょう?
わたしは無視してまた雑草を抜いた。もちろん今度は一切声を出さずに。
どれくらい時間が経ったのかしら?
チラリと後ろを見るとダレンはその辺にある花壇の石に座って本を読んでいた。
懐かしい。
学校でよくこんな風に過ごしていたな。
どちらからも話しかけることもなくただお互い同じ空間にいて、お互い黙って好きなことをして過ごす。
朝のほんのひと時だったけど、なぜか心和ませる時間だった。
ダレンはいつも女の子を侍らせているのに、ここにいる時だけは、あの誰にでも優しい笑顔の仮面を外して、笑うでもなくただわたしの近くにいて、愛想笑いも他愛無い会話もなく、ただ本を読んだりして過ごしていた。
懐かしい。
思わず顔が綻んでしまった。
ダメ!こんな顔ダレンに見られたらまた何を言われるのか。
わたしとダレンの間には愛も恋もない。ただの政略結婚。
ダレンには大切な幼馴染がいて、今日も二人はお出かけ……
あれ?昼からダレンはアデリーナと買い物に出かけるんじゃなかったのかしら?
もうそろそろ3時のおやつの時間。
わたしのお腹がそう言ってる。
チラチラと後ろを気にしながら、時間のことを言わなきゃと思い、重たい口を開いた。
「ねぇダレン?いいの?」
「……何が?」
本から視線を外しわたしへ向けた。
「もうそろそろ3時だよ」
「ああ、おやつの時間?ミズナはおやつの時間はいまだに大切にしてるからね」
またクスクス笑う。
「おやつの時間は確かよ?それじゃあなくて、アデリーナと買い物に行かないの?」
ーーあっ、あーーー!
わたしが知っていることダレンは知らないんだった!
「へぇ、知ってたんだ」
「だってわたしの部屋の近くで話すから聞こえてしまったのよ」
「で、何?気になるの?」
「ええ、もちろんよ」
ーーなんでそんなこと言うのかしら?約束は守らないと。
「えっ?」
ダレンはわたしの返事に驚いて、そしてなぜか顔が赤くなった。
「だってあなたの大切な幼馴染との約束でしょう?アデリーナも準備をして待っていると思うわ。早く行ってあげなきゃ。時間が遅くなると可哀想だわ」
「………ふうん、わかった」
突然不機嫌な声。
「俺がアデリーナと出掛けるのをなんとも思わないんだ」
「もちろんよ。だってあなたの大切なアデリーナでしょう?いつも最優先にしてるじゃない?」
何を言ってるのかしら?
何を思えと言うの?
まさかヤキモチを妬いてると思ったの?
えっ?まさか?
勘違いされたくなくて思わず言った。
「わたしとあなたの結婚は政略結婚よ?だからあなたが誰を好きになろうとわたしには関係ないわ。あ、でも、できたら、離縁するまでよそで子供は作らないでほしいかな。揉め事は面倒だから……それに…」
「わかった!!!」
ダレンはわたしが話している途中で大きな声を出して立ち去った。
「気をつけて楽しんできてね」
彼の背中に一応嫁として見送りの言葉を言ってあげた。
あーー、スッキリ!
確かに庭師と勘違いして馴れ馴れしく三人に話していし、わたしのこの格好はどう見ても見窄らしいし……うん、あの使用人用の食堂にいてもわたしは確かに一人小っ恥ずかしい格好でいた気がする。
だけどクスッて笑う?
なんだかムカつく。
庭に戻るとさっきまで作業していたところから外れて、雑草の多い脇へと向かい、
「あのクソ野郎」
ブチッ。
「ふざけんな」
ブチッ。
「なんかムカつく」
ブチッ。
「絶対人気になる香水作ってやる」
ブチ、ブチッ。
「さっさと離縁してやるんだから」
ブチッ。
「あんな奴、大っ嫌い!」
ブチ、ブチッ!
「クククククッ…アハハハッ」
大きな笑い声が聞こえた。
「なんでわたしの背後に居るの?大っ嫌いって聞こえなかった?あなたの耳、もう老化現象でも起きてるの?」
「『あんな奴』って言ったのは君だろう?俺のことじゃないかもしれないだろう?」
ーーいやあんたしかいないの分かってるでしょう?
わたしは無視してまた雑草を抜いた。もちろん今度は一切声を出さずに。
どれくらい時間が経ったのかしら?
チラリと後ろを見るとダレンはその辺にある花壇の石に座って本を読んでいた。
懐かしい。
学校でよくこんな風に過ごしていたな。
どちらからも話しかけることもなくただお互い同じ空間にいて、お互い黙って好きなことをして過ごす。
朝のほんのひと時だったけど、なぜか心和ませる時間だった。
ダレンはいつも女の子を侍らせているのに、ここにいる時だけは、あの誰にでも優しい笑顔の仮面を外して、笑うでもなくただわたしの近くにいて、愛想笑いも他愛無い会話もなく、ただ本を読んだりして過ごしていた。
懐かしい。
思わず顔が綻んでしまった。
ダメ!こんな顔ダレンに見られたらまた何を言われるのか。
わたしとダレンの間には愛も恋もない。ただの政略結婚。
ダレンには大切な幼馴染がいて、今日も二人はお出かけ……
あれ?昼からダレンはアデリーナと買い物に出かけるんじゃなかったのかしら?
もうそろそろ3時のおやつの時間。
わたしのお腹がそう言ってる。
チラチラと後ろを気にしながら、時間のことを言わなきゃと思い、重たい口を開いた。
「ねぇダレン?いいの?」
「……何が?」
本から視線を外しわたしへ向けた。
「もうそろそろ3時だよ」
「ああ、おやつの時間?ミズナはおやつの時間はいまだに大切にしてるからね」
またクスクス笑う。
「おやつの時間は確かよ?それじゃあなくて、アデリーナと買い物に行かないの?」
ーーあっ、あーーー!
わたしが知っていることダレンは知らないんだった!
「へぇ、知ってたんだ」
「だってわたしの部屋の近くで話すから聞こえてしまったのよ」
「で、何?気になるの?」
「ええ、もちろんよ」
ーーなんでそんなこと言うのかしら?約束は守らないと。
「えっ?」
ダレンはわたしの返事に驚いて、そしてなぜか顔が赤くなった。
「だってあなたの大切な幼馴染との約束でしょう?アデリーナも準備をして待っていると思うわ。早く行ってあげなきゃ。時間が遅くなると可哀想だわ」
「………ふうん、わかった」
突然不機嫌な声。
「俺がアデリーナと出掛けるのをなんとも思わないんだ」
「もちろんよ。だってあなたの大切なアデリーナでしょう?いつも最優先にしてるじゃない?」
何を言ってるのかしら?
何を思えと言うの?
まさかヤキモチを妬いてると思ったの?
えっ?まさか?
勘違いされたくなくて思わず言った。
「わたしとあなたの結婚は政略結婚よ?だからあなたが誰を好きになろうとわたしには関係ないわ。あ、でも、できたら、離縁するまでよそで子供は作らないでほしいかな。揉め事は面倒だから……それに…」
「わかった!!!」
ダレンはわたしが話している途中で大きな声を出して立ち去った。
「気をつけて楽しんできてね」
彼の背中に一応嫁として見送りの言葉を言ってあげた。
あーー、スッキリ!
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