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幼馴染が大切ならわたしとは離縁しましょう。
アデリーナは何を考えてるのかしら?
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お義母様のそばでずっと仕事を教わっている。
だけど今日はお義母様は大切な商談があるからと事務室ではなく応接室へ向かった。
まだ重要な顧客との関わりは持たせてもらえない。商談にはまだ一度もついて行ったことはなかった。
事務室には他に事務の人が数人いてわたしはとりあえず昨日の売り上げの帳簿をまとめていた。
仕事に集中していた。
だから耳に入ってこなかった。
「ダレン?今日はお仕事は?時間があるならこれからわたしの家にお茶をしに来ない?」
「今日は大切なお客様が来られるんだ。悪いけど無理」
「あら?わたしより大切な人が貴方にいると言うの?」
「………ハァー、わかったよ。父に確認をとって時間を空けるから」
うん、こんな会話わたしの耳には入ってこない。うん、聞こえない……聞こえていない。だって事務室の外の廊下で話しているんだもの。
わたしの耳には入る訳がない。
扉は……換気のため開いてるし、二人の声はわりと大きい。くそっ!
………でも、ダレンってもっとアデリーナに甘々だと思ってたのに、こんな風に断ろうとするなんて。まあ、押し切られて言うこと聞いてるから、そこでもうアウトだけどね。夫としては。
ダレンが遠ざかっていくの足音が聞こえた。
ふぅー。
事務室の中の人達はなんとも居た堪れない空気の中、顔を上げないようにしているのがわかる。
わたしもとりあえず聞こえないフリをして仕事に集中。
「あら?こんな雑然とした部屋で黙々と仕事をしてるの?」
アデリーナが珍しくわたしに絡んできた。
基本彼女はわたしには絡まない。
基本彼女はダレンにべったりだ。
なんで?
わたしは自分に話しかけられたと思わないことにした。
もし、彼女の言葉に反応すればさらに絡まれそう。
気がつかないフリ。他の人に話しかけているんだと思おう。
黙々と仕事に向かう真面目なわたし。
周りの空気はさらに『いい加減諦めて仕事の手を止めろよ』とでも言いたげな空気が流れている。
「わたしぃ、今からダレンと我が家でぇ、お茶をするの。ふふふっ、もちろんわたしの部屋で。いつもダレンが遊びにきてくれるのよ。
ダレンはわたしの大好きなケーキを差し入れしてくれるしぃ、誕生日にはいつも宝石をくれるの。わたしとダレンは本当に仲良しでぇ、わたしの我儘なら全部聞いてくれるの」
うわっ、この『でぇ』とか『しぃ』……無理無理。鳥肌、ぞわぞわっとする。
でもここで返事をしたら負けな気がする。
よし、休憩に行こう。
わたしは明日からすくっと立つ。
「休憩に行ってきます!」
アデリーナから離れた通路を通って遠回りをして廊下へと出た。
「ちょっと!待ちなさいよ!」
唖然とした事務室の人たち。アデリーナもわたしがサッと早歩きで事務室を出たので、何か言いたかったのだろうけど、何も言えなかったみたい。
ふふふふふっ、わたしの勝利!
廊下を歩いているとダレンに出会った。
お義父様に許可をとってこれからアデリーナと楽しいお茶会かしら?
アデリーナのお部屋で。
わたしはにこっと微笑んで軽く会釈をしてダレンとすれ違った。
「待って!」
ダレンがわたしの腕を掴んだ。
「痛っ」
思わず掴まれた腕に痛くはないけどついそんな言葉が出てしまった。
「ごめん」
「何が御用かしら?わたし休憩中なの。あまり時間がないんだけど?用事があるなら早く話してもらえないかしら?」
自分でも驚くくらい冷たい声が出た。
「今からアデリーナの家へ行くんだけど、………誤解しないで欲しい」
「誤解?」
ーーうーん、行くことは確かなんだから誤解のしようがない気がするのだけど?
「………ただ、お茶を飲んでくるだけだから」
項垂れながらダレンが言った。
「うん??わたしに関係あること?」
なんでそこでダレンが傷ついた顔をするの?
「……行ってくる」
「楽しんできてね」
一応妻として見送りの言葉を伝えてあげた。
なんだかわたしが悪妻みたいじゃない?
別に政略なんだもの。わたし達には愛も恋もないのだから好きにしてくれていいのに。
「ハアーーー」
思わずため息が出てしまった。
◆ ◆ ◆
次話からは、ダレンとアデリーナのお話です。
いつも読んでいただきありがとうございます。
だけど今日はお義母様は大切な商談があるからと事務室ではなく応接室へ向かった。
まだ重要な顧客との関わりは持たせてもらえない。商談にはまだ一度もついて行ったことはなかった。
事務室には他に事務の人が数人いてわたしはとりあえず昨日の売り上げの帳簿をまとめていた。
仕事に集中していた。
だから耳に入ってこなかった。
「ダレン?今日はお仕事は?時間があるならこれからわたしの家にお茶をしに来ない?」
「今日は大切なお客様が来られるんだ。悪いけど無理」
「あら?わたしより大切な人が貴方にいると言うの?」
「………ハァー、わかったよ。父に確認をとって時間を空けるから」
うん、こんな会話わたしの耳には入ってこない。うん、聞こえない……聞こえていない。だって事務室の外の廊下で話しているんだもの。
わたしの耳には入る訳がない。
扉は……換気のため開いてるし、二人の声はわりと大きい。くそっ!
………でも、ダレンってもっとアデリーナに甘々だと思ってたのに、こんな風に断ろうとするなんて。まあ、押し切られて言うこと聞いてるから、そこでもうアウトだけどね。夫としては。
ダレンが遠ざかっていくの足音が聞こえた。
ふぅー。
事務室の中の人達はなんとも居た堪れない空気の中、顔を上げないようにしているのがわかる。
わたしもとりあえず聞こえないフリをして仕事に集中。
「あら?こんな雑然とした部屋で黙々と仕事をしてるの?」
アデリーナが珍しくわたしに絡んできた。
基本彼女はわたしには絡まない。
基本彼女はダレンにべったりだ。
なんで?
わたしは自分に話しかけられたと思わないことにした。
もし、彼女の言葉に反応すればさらに絡まれそう。
気がつかないフリ。他の人に話しかけているんだと思おう。
黙々と仕事に向かう真面目なわたし。
周りの空気はさらに『いい加減諦めて仕事の手を止めろよ』とでも言いたげな空気が流れている。
「わたしぃ、今からダレンと我が家でぇ、お茶をするの。ふふふっ、もちろんわたしの部屋で。いつもダレンが遊びにきてくれるのよ。
ダレンはわたしの大好きなケーキを差し入れしてくれるしぃ、誕生日にはいつも宝石をくれるの。わたしとダレンは本当に仲良しでぇ、わたしの我儘なら全部聞いてくれるの」
うわっ、この『でぇ』とか『しぃ』……無理無理。鳥肌、ぞわぞわっとする。
でもここで返事をしたら負けな気がする。
よし、休憩に行こう。
わたしは明日からすくっと立つ。
「休憩に行ってきます!」
アデリーナから離れた通路を通って遠回りをして廊下へと出た。
「ちょっと!待ちなさいよ!」
唖然とした事務室の人たち。アデリーナもわたしがサッと早歩きで事務室を出たので、何か言いたかったのだろうけど、何も言えなかったみたい。
ふふふふふっ、わたしの勝利!
廊下を歩いているとダレンに出会った。
お義父様に許可をとってこれからアデリーナと楽しいお茶会かしら?
アデリーナのお部屋で。
わたしはにこっと微笑んで軽く会釈をしてダレンとすれ違った。
「待って!」
ダレンがわたしの腕を掴んだ。
「痛っ」
思わず掴まれた腕に痛くはないけどついそんな言葉が出てしまった。
「ごめん」
「何が御用かしら?わたし休憩中なの。あまり時間がないんだけど?用事があるなら早く話してもらえないかしら?」
自分でも驚くくらい冷たい声が出た。
「今からアデリーナの家へ行くんだけど、………誤解しないで欲しい」
「誤解?」
ーーうーん、行くことは確かなんだから誤解のしようがない気がするのだけど?
「………ただ、お茶を飲んでくるだけだから」
項垂れながらダレンが言った。
「うん??わたしに関係あること?」
なんでそこでダレンが傷ついた顔をするの?
「……行ってくる」
「楽しんできてね」
一応妻として見送りの言葉を伝えてあげた。
なんだかわたしが悪妻みたいじゃない?
別に政略なんだもの。わたし達には愛も恋もないのだから好きにしてくれていいのに。
「ハアーーー」
思わずため息が出てしまった。
◆ ◆ ◆
次話からは、ダレンとアデリーナのお話です。
いつも読んでいただきありがとうございます。
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