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出て行け!
話し合い。そして……
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元夫と再び会って話すことになった。
場所は友人の隣の屋敷の客室を借りることになった。もちろん息子は友人の子供達と遊んでいてもらう。
友人夫妻はわたしと元夫との話し合いに参加すると言ってくれたがそこはお断りして、二人は隣の部屋で待機してくれている。
本当二人とも昔っから世話好きで……優しくて感謝しても足りないくらい。
先に客室で待っていたのはわたし。
約束の時間の5分前には元夫が顔を出した。
「久しぶりだな」
「ええ、お久しぶりですわ」
彼をみて優雅に微笑むことはできたかしら?
もう彼を恋い慕う気持ちはないけどやはり目の前で彼に会うのはドキッとする。
元夫は6年以上経つのにあまり変わっていなかった。わたしは彼の顔も背もそして性格も好きだった。
優しくて包容力があって、親に愛されないわたしにとって彼の愛はとても温かくて大切なものだった。
だけど彼の優しさはわたしだけには向けてもらえなかった。誰にでも優しい夫。
自慢の夫だと思う。困った人に親切にしてあげられることは。
でもわたしが体調が悪くても夫には言えなかった。
『今日はマーサのところの屋根の修理に行ってくる』
『明日はダンの爺さんを診療所に連れて行く約束なんだ』
元夫は母子家庭の女性だけに優しかった訳ではない。困った年寄りや街に引っ越してきて困っている若い夫婦や病気をした若者にも自分のできることをしていた。
本当に呆れるくらいのお人よしだった。
だけどやはり母子家庭の女性は元夫の行動に勘違いして愛情が芽生える。
『こんなに優しいのはわたしを愛しているから』
みんなわたしと元夫は不仲だと勘違いしてわたしに『離縁して欲しい、彼はわたしを愛しているのだから』と家に押し寄せてきたりわたしの悪口を言いふらす。
わたしは預かり証を元夫に差し出した。
「この証書の金額は一桁間違えているのでは?」
「俺が……いつか君に渡したいと思い貯めてきたお金だ。間違いではない」
「はああ、いくらなんでも多すぎるわ」
思わずため息が出た。
「………これから息子を育てるのにはお金がかかるだろう」
「ええ、でも、わたしもそれなりに蓄えはあります。それに仕事もしていますので贅沢しなければ十分やっていけますわ」
「しかし……」
元夫は納得はしていない顔だった。
「離婚届をやっと出したのは……そろそろ再婚を考えているからでは?それならばお金はしっかり持っておかないと新しい奥様になにもしてあげられませんよ?」
慌てて首を横に振る元夫。
「………違う……再婚はしない。君に謝罪してそして慰謝料を支払って離縁したかったんだ」
そうよね、離婚したくなくて届を出さなかったなんて、ちょっと自分勝手なことを思っていたわ。そんなことある訳ないのに。
「あら?それにしては時間がかかったのでは?」
気持ちを悟られないように少し強めに言葉を発してしまった。
「すまない……君の居所を誰も知らなくて……必死で探したのだが……なんとか探し出せたのは最近で……」
「ふふ、お父様達はうまくあなたに隠していたのね?」
「やはりお二人は知っていたんだな」
「ええ、ジャックがいたからすぐに探し出されてしまったわ。今は孫可愛さによく会いにきてくれるの」
「息子……の名前を聞いてもいいか?」
「リアンよ」
「リアン………絆……いい名前だ」
「あなたも随分本を読んで知識を蓄えたのね?」
「君がどこにいるかわからないから、外国語の勉強もしていたんだ。仕事で外国に行くこともあるし君を探すにはその国の言葉を話せないといけないからな」
「あら?そんなに探して回ったの?妻になんて愛情のかけらもなかったあなたが?」
クスッと笑ったら、「違う!」と元夫が叫んだ。
「なにが?なにが違うの?嘘をついて女の人の家に泊まりに行って浮気して、どこが?彼女は我が家に何度もきたわ。わたしに別れて欲しいと言ってきたわ」
まだあの時の辛い気持ちが……
悔しい、もう忘れたいのに。
忘れていたはずなのに。
場所は友人の隣の屋敷の客室を借りることになった。もちろん息子は友人の子供達と遊んでいてもらう。
友人夫妻はわたしと元夫との話し合いに参加すると言ってくれたがそこはお断りして、二人は隣の部屋で待機してくれている。
本当二人とも昔っから世話好きで……優しくて感謝しても足りないくらい。
先に客室で待っていたのはわたし。
約束の時間の5分前には元夫が顔を出した。
「久しぶりだな」
「ええ、お久しぶりですわ」
彼をみて優雅に微笑むことはできたかしら?
もう彼を恋い慕う気持ちはないけどやはり目の前で彼に会うのはドキッとする。
元夫は6年以上経つのにあまり変わっていなかった。わたしは彼の顔も背もそして性格も好きだった。
優しくて包容力があって、親に愛されないわたしにとって彼の愛はとても温かくて大切なものだった。
だけど彼の優しさはわたしだけには向けてもらえなかった。誰にでも優しい夫。
自慢の夫だと思う。困った人に親切にしてあげられることは。
でもわたしが体調が悪くても夫には言えなかった。
『今日はマーサのところの屋根の修理に行ってくる』
『明日はダンの爺さんを診療所に連れて行く約束なんだ』
元夫は母子家庭の女性だけに優しかった訳ではない。困った年寄りや街に引っ越してきて困っている若い夫婦や病気をした若者にも自分のできることをしていた。
本当に呆れるくらいのお人よしだった。
だけどやはり母子家庭の女性は元夫の行動に勘違いして愛情が芽生える。
『こんなに優しいのはわたしを愛しているから』
みんなわたしと元夫は不仲だと勘違いしてわたしに『離縁して欲しい、彼はわたしを愛しているのだから』と家に押し寄せてきたりわたしの悪口を言いふらす。
わたしは預かり証を元夫に差し出した。
「この証書の金額は一桁間違えているのでは?」
「俺が……いつか君に渡したいと思い貯めてきたお金だ。間違いではない」
「はああ、いくらなんでも多すぎるわ」
思わずため息が出た。
「………これから息子を育てるのにはお金がかかるだろう」
「ええ、でも、わたしもそれなりに蓄えはあります。それに仕事もしていますので贅沢しなければ十分やっていけますわ」
「しかし……」
元夫は納得はしていない顔だった。
「離婚届をやっと出したのは……そろそろ再婚を考えているからでは?それならばお金はしっかり持っておかないと新しい奥様になにもしてあげられませんよ?」
慌てて首を横に振る元夫。
「………違う……再婚はしない。君に謝罪してそして慰謝料を支払って離縁したかったんだ」
そうよね、離婚したくなくて届を出さなかったなんて、ちょっと自分勝手なことを思っていたわ。そんなことある訳ないのに。
「あら?それにしては時間がかかったのでは?」
気持ちを悟られないように少し強めに言葉を発してしまった。
「すまない……君の居所を誰も知らなくて……必死で探したのだが……なんとか探し出せたのは最近で……」
「ふふ、お父様達はうまくあなたに隠していたのね?」
「やはりお二人は知っていたんだな」
「ええ、ジャックがいたからすぐに探し出されてしまったわ。今は孫可愛さによく会いにきてくれるの」
「息子……の名前を聞いてもいいか?」
「リアンよ」
「リアン………絆……いい名前だ」
「あなたも随分本を読んで知識を蓄えたのね?」
「君がどこにいるかわからないから、外国語の勉強もしていたんだ。仕事で外国に行くこともあるし君を探すにはその国の言葉を話せないといけないからな」
「あら?そんなに探して回ったの?妻になんて愛情のかけらもなかったあなたが?」
クスッと笑ったら、「違う!」と元夫が叫んだ。
「なにが?なにが違うの?嘘をついて女の人の家に泊まりに行って浮気して、どこが?彼女は我が家に何度もきたわ。わたしに別れて欲しいと言ってきたわ」
まだあの時の辛い気持ちが……
悔しい、もう忘れたいのに。
忘れていたはずなのに。
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