39 / 76
お祖父様編③
しおりを挟む
「馬車の用意を早くしろ!」
「は、はい」
執事に怒鳴りながら急いで服を着替えた。
今月末までにはダイアナを引き渡さなければならない。
「グランディルはどうしている?」
「旦那様に言われた通り地下牢に入ってもらっています」
「水以外何も与えるな。もちろん灯りも与えるな。真っ暗な場所は人間に恐怖を与える。絶対的恐怖でわたしの言いなりになるようにするんだ、わかったな」
「……はい」
「ミリアはやはり捕まったのか?」
「はい、昨日のうちに連れて行かれました」
「ミリアを脅していたが、あいつは実家の仕送りもいらない、従兄のこともどうでもいいと言っていたな。次の脅しはあいつには効いているのか?」
「旦那様に言われた通り、ミリアがもし旦那様のことを裏切りバラせば、子供二人の命はないと言ってあります…母親ならまず子供のことを守ることでしょう」
「そうか、ならば子供達も我が家に連れて来い。地下牢へ入れておけ。二人は同じ場所に入れるな。それぞれ離れたところで孤独な状態にして恐怖を植え付けておけ」
「あ、し、しかし、まだお二人は…お嬢様はまだまだ8歳です。お一人で地下牢に入れるなんて流石にそれは……」
「幼い頃からダニエルは何度も地下牢に入れて育てたぞ。あいつはそのおかげで言うことを聞く素直な息子に育った。孫たちもわたしの言うことを聞く素直な孫に今から躾ておけば駒として使えるだろう。ジェファはミリアたちに躾させたのでなかなかわたしの言うことを聞かない。ちょうど躾けるにはいいのかもしれないな」
考えてみたら孫たちに口出すことがなかなか出来なかった。
ダニエルがわたしとの接触をさせないようにしていたのだろう。わたしも公爵を引退してからは自分の地位を脅かされないように動き回るのが忙しく孫のことはあまり執着していなかった。
美しいダイアナにだけ心を砕いていた。
エレファの忘形見で、エレファ以上に美しいダイアナ。
あの子を一度は嫁がせて、ある程度時間が経ったら離縁させてわたしの元に置くつもりだ。
息子の屋敷へ行くと不思議なくらい静かだった。
中に入ると執事のトムが朝早い訪問に戸惑っていた。
「ダニエルは?」
「旦那様は今病院に行っております」
わかっていて一応聞いてみた。ダニエルは昨夜のダイアナを助ける時に大きな傷を負った。だからこの屋敷には今孫の二人だけ。
「そうか、ではミリアは?」
「奥様は……わかりません」
「どこに行ったのかわからないと?」
ーー捕まったことは執事たちには情報が入っていないのか?
まあ今は朝の5時。まだ数時間しか経っていないので動き出すのは今からだろう。早くきてよかった。
「ほお、だったら孫たち二人では心配だろう。わたしの屋敷で二人をみてやろう」
わたしについてきた使用人たちに声をかけた。
「おい、二人を連れて帰るぞ」
「そんな勝手なことをされては困ります。旦那様に許可をもらってもいないのに。それにまだお二人は眠っていらっしゃいます」
「眠っているならそのまま抱き抱えて連れて帰ろう。心配は要らない。可愛い孫たちの面倒を見てやるんだ。ダニエルにもそう言っておけ」
執事のトムはなんとか抵抗しようとしたが、わたしはそれを振り払い孫を連れ帰った。
ジェファは馬車の中で目を覚まし暴れようとしたが
「妹のエリーナのためにも大人しくしていなさい」と言うと黙って頷いた。
やはり子供は脅しと恐怖を与えて躾けるのが一番言うことを聞く。
エリーナは何も知らずスヤスヤと眠っている。
ミリアに似たエリーナを見ても可愛いとすら感じない。この子は捨て駒としてしか使い道はない。
公爵家の血は引いているのだろうがミリアに似過ぎで公爵家の特徴が全く引き継がれていない。
それに比べてジェファはダニエルに似ている。しっかり公爵家の血を引き継ぎ、満足いく出来だ。
この子は再教育すればダニエル以上に公爵家を繁栄させてくれるだろう。いい駒を産んでくれたミリアには感謝しかない。
捕まったミリアを密かに殺すように手配もしている。たぶん子供達を殺すと脅していてもあの女のことだ、裏切るのは目に見えている。
口を塞いでしまうのが一番いいだろう。ダニエルはわたしの傀儡だ。殺さずとも言うことを聞くだろう。
あとはダニエルにダイアナを素直に引き渡すように言えばいいだけ。
「は、はい」
執事に怒鳴りながら急いで服を着替えた。
今月末までにはダイアナを引き渡さなければならない。
「グランディルはどうしている?」
「旦那様に言われた通り地下牢に入ってもらっています」
「水以外何も与えるな。もちろん灯りも与えるな。真っ暗な場所は人間に恐怖を与える。絶対的恐怖でわたしの言いなりになるようにするんだ、わかったな」
「……はい」
「ミリアはやはり捕まったのか?」
「はい、昨日のうちに連れて行かれました」
「ミリアを脅していたが、あいつは実家の仕送りもいらない、従兄のこともどうでもいいと言っていたな。次の脅しはあいつには効いているのか?」
「旦那様に言われた通り、ミリアがもし旦那様のことを裏切りバラせば、子供二人の命はないと言ってあります…母親ならまず子供のことを守ることでしょう」
「そうか、ならば子供達も我が家に連れて来い。地下牢へ入れておけ。二人は同じ場所に入れるな。それぞれ離れたところで孤独な状態にして恐怖を植え付けておけ」
「あ、し、しかし、まだお二人は…お嬢様はまだまだ8歳です。お一人で地下牢に入れるなんて流石にそれは……」
「幼い頃からダニエルは何度も地下牢に入れて育てたぞ。あいつはそのおかげで言うことを聞く素直な息子に育った。孫たちもわたしの言うことを聞く素直な孫に今から躾ておけば駒として使えるだろう。ジェファはミリアたちに躾させたのでなかなかわたしの言うことを聞かない。ちょうど躾けるにはいいのかもしれないな」
考えてみたら孫たちに口出すことがなかなか出来なかった。
ダニエルがわたしとの接触をさせないようにしていたのだろう。わたしも公爵を引退してからは自分の地位を脅かされないように動き回るのが忙しく孫のことはあまり執着していなかった。
美しいダイアナにだけ心を砕いていた。
エレファの忘形見で、エレファ以上に美しいダイアナ。
あの子を一度は嫁がせて、ある程度時間が経ったら離縁させてわたしの元に置くつもりだ。
息子の屋敷へ行くと不思議なくらい静かだった。
中に入ると執事のトムが朝早い訪問に戸惑っていた。
「ダニエルは?」
「旦那様は今病院に行っております」
わかっていて一応聞いてみた。ダニエルは昨夜のダイアナを助ける時に大きな傷を負った。だからこの屋敷には今孫の二人だけ。
「そうか、ではミリアは?」
「奥様は……わかりません」
「どこに行ったのかわからないと?」
ーー捕まったことは執事たちには情報が入っていないのか?
まあ今は朝の5時。まだ数時間しか経っていないので動き出すのは今からだろう。早くきてよかった。
「ほお、だったら孫たち二人では心配だろう。わたしの屋敷で二人をみてやろう」
わたしについてきた使用人たちに声をかけた。
「おい、二人を連れて帰るぞ」
「そんな勝手なことをされては困ります。旦那様に許可をもらってもいないのに。それにまだお二人は眠っていらっしゃいます」
「眠っているならそのまま抱き抱えて連れて帰ろう。心配は要らない。可愛い孫たちの面倒を見てやるんだ。ダニエルにもそう言っておけ」
執事のトムはなんとか抵抗しようとしたが、わたしはそれを振り払い孫を連れ帰った。
ジェファは馬車の中で目を覚まし暴れようとしたが
「妹のエリーナのためにも大人しくしていなさい」と言うと黙って頷いた。
やはり子供は脅しと恐怖を与えて躾けるのが一番言うことを聞く。
エリーナは何も知らずスヤスヤと眠っている。
ミリアに似たエリーナを見ても可愛いとすら感じない。この子は捨て駒としてしか使い道はない。
公爵家の血は引いているのだろうがミリアに似過ぎで公爵家の特徴が全く引き継がれていない。
それに比べてジェファはダニエルに似ている。しっかり公爵家の血を引き継ぎ、満足いく出来だ。
この子は再教育すればダニエル以上に公爵家を繁栄させてくれるだろう。いい駒を産んでくれたミリアには感謝しかない。
捕まったミリアを密かに殺すように手配もしている。たぶん子供達を殺すと脅していてもあの女のことだ、裏切るのは目に見えている。
口を塞いでしまうのが一番いいだろう。ダニエルはわたしの傀儡だ。殺さずとも言うことを聞くだろう。
あとはダニエルにダイアナを素直に引き渡すように言えばいいだけ。
357
あなたにおすすめの小説
一年だけの夫婦でも私は幸せでした。
クロユキ
恋愛
騎士のブライドと結婚をしたフローズンは夫がまだ婚約者だった姉を今でも想っている事を知っていた。
フローズンとブライドは政略結婚で結婚式当日にブライドの婚約者だった姉が姿を消してしまった。
フローズンは姉が戻るまでの一年の夫婦の生活が始まった。
更新が不定期です。誤字脱字がありますが宜しくお願いします。
私の愛した婚約者は死にました〜過去は捨てましたので自由に生きます〜
みおな
恋愛
大好きだった人。
一目惚れだった。だから、あの人が婚約者になって、本当に嬉しかった。
なのに、私の友人と愛を交わしていたなんて。
もう誰も信じられない。
はっきり言ってカケラも興味はございません
みおな
恋愛
私の婚約者様は、王女殿下の騎士をしている。
病弱でお美しい王女殿下に常に付き従い、婚約者としての交流も、マトモにしたことがない。
まぁ、好きになさればよろしいわ。
私には関係ないことですから。
私があなたを好きだったころ
豆狸
恋愛
「……エヴァンジェリン。僕には好きな女性がいる。初恋の人なんだ。学園の三年間だけでいいから、聖花祭は彼女と過ごさせてくれ」
※1/10タグの『婚約解消』を『婚約→白紙撤回』に訂正しました。
『悪女と呼ばれた令嬢は、親友の幸せのために婚約者を捨てた』
由香
恋愛
婚約者である王太子を、親友のために手放した令嬢リュシエンヌ。
彼女はすべての非難を一身に受け、「悪女」と呼ばれる道を選ぶ。
真実を語らぬまま、親友である騎士カイルとも距離を置き、
ただ一人、守るべきものを守り抜いた。
それは、愛する人の未来のための選択。
誤解と孤独の果てで、彼女が手にした本当の結末とは――。
悪女と呼ばれた令嬢が、自ら選び取る静かな幸福の物語。
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
【本編完結・番外編不定期更新】
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
悪役令嬢は推し活中〜殿下。貴方には興味がございませんのでご自由に〜
みおな
恋愛
公爵家令嬢のルーナ・フィオレンサは、輝く銀色の髪に、夜空に浮かぶ月のような金色を帯びた銀の瞳をした美しい少女だ。
当然のことながら王族との婚約が打診されるが、ルーナは首を縦に振らない。
どうやら彼女には、別に想い人がいるようで・・・
婚約者から婚約破棄されたら、王弟殿下に捕まった件
みおな
恋愛
「ルチル、君との婚約を破棄させてもらう」
五年間、婚約者として交流して来た王太子であるランスロットから婚約破棄を告げられたクォーツ公爵家の令嬢であるルチル。
「ランスロットと婚約破棄したって?なら、俺と婚約しよう」
婚約破棄をきっかけに、領地に引きこもる予定だったルチルに、思いがけない婚約の打診が。
のんびり田舎生活をしたいルチルだが・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる