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僕の後悔。
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11歳の僕にはまだ何の力もない。
セレンに謝りに行きたいのに謝ることすらできない。
彼女が僕に会いたくないと言っているとお母様に言われた。
謝ることもできずに僕が王立学院に入学すると、同時にセレンは伯爵領へと移り住んだ。
このまま彼女は領地の学校に入学するらしい。
「もう帰っては来ないの?」
「3年後高等部からは王立学院に入学するとゴルディ伯爵は言っていたわ……」
お母様は僕を見て何とも言えない顔をした。
僕は情けないくらい目にいっぱい涙をためて、お母様を見ていた。
僕はイザベラが屋敷に遊びに来るのを別に何とも思っていなかった。幼馴染で親同士も仲が良く、彼女が屋敷にいても別に違和感はないし当たり前の空気のような存在だった。
ただセレンと婚約してからは何かとイザベラに冷たい態度を取るセレンに腹を立てていた。
「冷たい目で見る」「睨む」「無視する」
イザベラはいつも泣きついてきた。
確かに僕が見ている時のセレンはイザベラに対して優しいとは言えない態度を取っている。
そう思い込んでいた。
だからセレンにきつく当たった。
ーーもしかしてイザベラにヤキモチを妬いているの?そんな思いもあった。
だけどエディはそんな時必ずセレンのところへ来て「遊ぼう」と言い出す。
そしてセレンは僕には見せない可愛い笑顔をエディにだけ見せる。
ーー何で?僕の婚約者なのに。いつも笑顔はエディと両親の前だけ。
僕にはムスッとしているか文句を言い返す怒った顔しか見せない。
だけど、エディとお母様が話してくれた。
イザベラは僕の前とセレンの前では態度が違うと。
セレンはいつもイザベラに「たかが伯爵家のくせに生意気なのよ」と言われていたらしい。
それにセレンはイザベラに関わらないように避けているのに、イザベラが態とセレンに会いに行って馬鹿にしたように笑ったりしていたと聞いた。
だからエディは出来るだけ一人になったセレンのそばにいるようにして助けていたと言われた。
エディは小さいながらにセレンを助けていたのに、僕はセレンを責めていた。
避けられて嫌われて当たり前だった。
婚約解消だって受け入れるしかない。
僕はセレンの父上に頭を下げて謝った。
「ごめんなさい。セレンに酷いことばかりしました。自分でもわからないくらいセレンに会うとイライラしたり意地悪なことを言ってしまいます。
セレンが僕以外に笑顔を見せるのが悔しくて。どうして僕には見せてくれないのか、いつも僕の顔を見ると嫌な顔をするのか、僕は……ごめんなさいセレンに謝りたいです。セレンと婚約解消なんてしたくない。僕は……大好きなんです」
「だったらもう少しセレンに優しくなりなよ」セレンの兄上が呆れた顔で僕に言った。
「………はい」
「セレンがどうしても嫌だと言ったら即婚約解消してもらいます。でもまだ君は子供だ。チャンスは潰さないであげる。だから3年間しっかり反省してセレンに次は向き合ってみてごらん。セレンも気が強いし正義感も強い。君とは似た者同志だから反発し合うのかもしれないね」
お母様が言ってくれた言葉を思い出した。
『それにね、向こうの伯爵はスティーブがセレンを好きな事わかってくれているわ、だからね、まずスティーブが変わりなさい』
僕は変われるだろうか。
セレンが好きなものや好きな食べ物などセレンの父上は教えてくれた。
劇を観に行くのが好きで本を読むのも大好きなんだと聞いた。
だから手紙には、王都であっている劇の話や作家の人の話を書いた。
さらにプレゼントはセレンの好きな青い物や本を選んだ。
ペンやガラスの小物入れ。髪飾りも。
手紙の返事はいつも
『元気です。贈り物ありがとうございました』
と書いているだけ。
「嬉しかった」とか「この本はとても面白い」とか何の反応もなかった。
何度も心が折れそうになりながらも、自分の今までの態度が悪かったのだからと反省して変わろうと自分なりに努力した。
久しぶりの再会は、可愛らしい表情から少し大人になって綺麗で知的な少女になっていたので、ドキドキして結局話すことが出来なかった。
同じ学年の女子よりもセレンの方が年上に見えた。
あのシルバーブラウンの髪がサラサラでとても綺麗だった。思わず手に取りキスをしたくなる。
いつもお互いムスッとしていたのに、どんな顔をして良いのかわからず黙っていることしか出来なかった。
それでもセレンが近くにいてくれるだけで僕は心の中にぽっかりと空いていた大きな穴がなくなって、ポカポカとしてとっても幸せな気持ちになれた。
◆ ◆ ◆
11歳から15歳までの5年間王立学院に通います。
最初の2年間は中等部。11歳と12歳。
高等部。13歳と14歳と15歳。
すみません。
なので高等部は3年間通うことになります。
変更しています。
セレンに謝りに行きたいのに謝ることすらできない。
彼女が僕に会いたくないと言っているとお母様に言われた。
謝ることもできずに僕が王立学院に入学すると、同時にセレンは伯爵領へと移り住んだ。
このまま彼女は領地の学校に入学するらしい。
「もう帰っては来ないの?」
「3年後高等部からは王立学院に入学するとゴルディ伯爵は言っていたわ……」
お母様は僕を見て何とも言えない顔をした。
僕は情けないくらい目にいっぱい涙をためて、お母様を見ていた。
僕はイザベラが屋敷に遊びに来るのを別に何とも思っていなかった。幼馴染で親同士も仲が良く、彼女が屋敷にいても別に違和感はないし当たり前の空気のような存在だった。
ただセレンと婚約してからは何かとイザベラに冷たい態度を取るセレンに腹を立てていた。
「冷たい目で見る」「睨む」「無視する」
イザベラはいつも泣きついてきた。
確かに僕が見ている時のセレンはイザベラに対して優しいとは言えない態度を取っている。
そう思い込んでいた。
だからセレンにきつく当たった。
ーーもしかしてイザベラにヤキモチを妬いているの?そんな思いもあった。
だけどエディはそんな時必ずセレンのところへ来て「遊ぼう」と言い出す。
そしてセレンは僕には見せない可愛い笑顔をエディにだけ見せる。
ーー何で?僕の婚約者なのに。いつも笑顔はエディと両親の前だけ。
僕にはムスッとしているか文句を言い返す怒った顔しか見せない。
だけど、エディとお母様が話してくれた。
イザベラは僕の前とセレンの前では態度が違うと。
セレンはいつもイザベラに「たかが伯爵家のくせに生意気なのよ」と言われていたらしい。
それにセレンはイザベラに関わらないように避けているのに、イザベラが態とセレンに会いに行って馬鹿にしたように笑ったりしていたと聞いた。
だからエディは出来るだけ一人になったセレンのそばにいるようにして助けていたと言われた。
エディは小さいながらにセレンを助けていたのに、僕はセレンを責めていた。
避けられて嫌われて当たり前だった。
婚約解消だって受け入れるしかない。
僕はセレンの父上に頭を下げて謝った。
「ごめんなさい。セレンに酷いことばかりしました。自分でもわからないくらいセレンに会うとイライラしたり意地悪なことを言ってしまいます。
セレンが僕以外に笑顔を見せるのが悔しくて。どうして僕には見せてくれないのか、いつも僕の顔を見ると嫌な顔をするのか、僕は……ごめんなさいセレンに謝りたいです。セレンと婚約解消なんてしたくない。僕は……大好きなんです」
「だったらもう少しセレンに優しくなりなよ」セレンの兄上が呆れた顔で僕に言った。
「………はい」
「セレンがどうしても嫌だと言ったら即婚約解消してもらいます。でもまだ君は子供だ。チャンスは潰さないであげる。だから3年間しっかり反省してセレンに次は向き合ってみてごらん。セレンも気が強いし正義感も強い。君とは似た者同志だから反発し合うのかもしれないね」
お母様が言ってくれた言葉を思い出した。
『それにね、向こうの伯爵はスティーブがセレンを好きな事わかってくれているわ、だからね、まずスティーブが変わりなさい』
僕は変われるだろうか。
セレンが好きなものや好きな食べ物などセレンの父上は教えてくれた。
劇を観に行くのが好きで本を読むのも大好きなんだと聞いた。
だから手紙には、王都であっている劇の話や作家の人の話を書いた。
さらにプレゼントはセレンの好きな青い物や本を選んだ。
ペンやガラスの小物入れ。髪飾りも。
手紙の返事はいつも
『元気です。贈り物ありがとうございました』
と書いているだけ。
「嬉しかった」とか「この本はとても面白い」とか何の反応もなかった。
何度も心が折れそうになりながらも、自分の今までの態度が悪かったのだからと反省して変わろうと自分なりに努力した。
久しぶりの再会は、可愛らしい表情から少し大人になって綺麗で知的な少女になっていたので、ドキドキして結局話すことが出来なかった。
同じ学年の女子よりもセレンの方が年上に見えた。
あのシルバーブラウンの髪がサラサラでとても綺麗だった。思わず手に取りキスをしたくなる。
いつもお互いムスッとしていたのに、どんな顔をして良いのかわからず黙っていることしか出来なかった。
それでもセレンが近くにいてくれるだけで僕は心の中にぽっかりと空いていた大きな穴がなくなって、ポカポカとしてとっても幸せな気持ちになれた。
◆ ◆ ◆
11歳から15歳までの5年間王立学院に通います。
最初の2年間は中等部。11歳と12歳。
高等部。13歳と14歳と15歳。
すみません。
なので高等部は3年間通うことになります。
変更しています。
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