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エディ様が言うには。②
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「セレンってしっかりしてるくせに変なところで天然なんだよな」
「そうかしら?」
「覚えていないかな?君が屋敷を出て行く時に渡した手紙。僕の知る全てを書いたと言ったんだけど……」
「……………うん、思い出しました。忙しくて読んでいなくて……暫くして気が付いたけど……読んではいけない気がして引き出しの奥にしまい込んで…………火事になりました」
「はあ~、やっぱり。全く兄上との関係が変わっていないし、イザベラ様は変だし、おかしいと思ってはいたんです。
僕の手紙を読んだからと許されるわけではないにしても、セレンが全く反応がないから……手紙を読んでもやはり怒っているのだろうと思っていたんですが……最近兄上と仕事上会うことが増えたと聞いたんです。だけどお互い目も合わさないし話すこともない。どうなってるのか知りたくて…」
「なんで仕事上会ってること知ってるの?」
「そんなの噂で耳に入りますよ、うちの奥さん誰だと思っているんですか?」
ーーうん、元王女。
「それに貴女を魔導士様のところにやったのは第二王子、エリザベスの兄ですよ?」
「うん、団長だけの意見だとは思わなかったけど、それでもわたしの癒しの魔法のためだと思ってたんだけど?」
「もちろん君の魔法はもっときちんと勉強して技術を磨けば助けになるから国にとっても大事なことさ。だけど兄上と接点を持てるようにと第二王子がちょっと手を加えたんだよ」
「ちょっと?」
「そう、兄上はまだ完全な体調とはいえない。だから怪我人を魔導士のところに連れて行く任務に暫くつけているんだ。もちろん兄上の体調が戻れば騎士としてまたしっかり働けるように考えてはくれてはいるけどね」
「……だからスティーブ様が最近わたしのいる診療所によくくるのですね」
「ところで……僕の手紙の内容読んでいないのならここで説明させてもらうね?」
「えっ?結構です。もう過ぎたことですから」
ーーもう今更だよね?知る必要なんてなくない?
「セレン、お願いだから真実を知って欲しいんだ。それでも兄上が許せないなら何も言わないし僕はこれ以上口出しはしない」
そして語られた話は………
イザベラ様の執着とも言える話だった。
イザベラ様はスティーブ様を脅していたらしい。
それもわたしと仲良くしたらわたしを「殺す」と。
なんとそれも学生の頃に。
そんなイザベラ様にスティーブ様も抵抗しようとしたが、もしわたしのことを大切にしたら許さない、自分が辛い思いをするならみんな不幸になればいいと言ったらしい。
そしてスティーブ様がわたしに冷たい態度をとるようになると、今度はイザベラ様は「スティーブはわたしを愛しているの」と言って人の話など聞かなくなったらしい。
公爵夫人が精神的におかしくなっているのをうまく利用してべったりとくっついて仲良くなることでわたしを迫害していたらしい。
スティーブ様はわたしと結婚してからもイザベラ様にわたしが何をされるかわからないので冷たい態度を取るしかなかったらしい。
「ふうん、だったらそのことをわたしに伝えればよかったのでは?」
ーーそうすればあそこまでわたしも意固地な態度は取らなかったと思うわ。
「そんな器用な人なら今頃離縁してはいなかったし公爵当主になれるのに平民になんてなっていないと思いますよ」
「…………そうね、でも、もう今更だわ……だけどその話はどうやって知ったの?」
「兄上が脅されているところを偶然見たんだ。流石に驚いて兄上を問い詰めたら……やっと重い口を開いたんだ。それが離縁する前の兄貴がストマで寝込んでいる時だったんだ」
「あっ、自分の治療の代わりにイザベラ様を治療してやってくれと言ったからわたし離縁する日まで治してあげなかったんだわ」
「あれは兄上なりに考えがあったらしい。イザベラ様を治してあげとかないとセレンにまた意地悪をしたり絡んだりするから譲ったらしいんだ。
あとね、セレンの治療ってあの頃結構痛みがあったでしょう?イザベラ様への意地悪もあったんだって!痛みなんて経験したことがないお嬢様だから痛い思いを少しはしてみたほうがいいと思ったらしいんだ」
「確かにわたしの治療ってあの頃痛みを伴っていたものね。でもあれだけ文句言われたから次もし治療することがあったらもっと酷い痛みを与えて治療してやろうと思ったわ」
「セレンらしいわね」エリザベス様がクスクス笑いながらわたしに言った。
「ねえ、別にもう一度やり直しなさいなんて言わないわ。だけど少しくらいお互い話したほうがいいのでは?」
「子供の頃からの付き合いです。エディ様とは仲良くしていましたがスティーブ様とはずっと犬猿の仲でした。今更ですよ」
「兄上はセレンが領地に行ってしまってから戻ってくるまで必死で優しくなろうと努力していたんです。もしイザベラ様が邪魔しなければ兄上なりにセレンに歩み寄ろうとしたと思うんだ。
一度だけでも向き合ってもらえませんか?」
「………なんのために?エディ様わたし達は終わったのに何を今更蒸し返す必要があるのですか?」
「そうかしら?」
「覚えていないかな?君が屋敷を出て行く時に渡した手紙。僕の知る全てを書いたと言ったんだけど……」
「……………うん、思い出しました。忙しくて読んでいなくて……暫くして気が付いたけど……読んではいけない気がして引き出しの奥にしまい込んで…………火事になりました」
「はあ~、やっぱり。全く兄上との関係が変わっていないし、イザベラ様は変だし、おかしいと思ってはいたんです。
僕の手紙を読んだからと許されるわけではないにしても、セレンが全く反応がないから……手紙を読んでもやはり怒っているのだろうと思っていたんですが……最近兄上と仕事上会うことが増えたと聞いたんです。だけどお互い目も合わさないし話すこともない。どうなってるのか知りたくて…」
「なんで仕事上会ってること知ってるの?」
「そんなの噂で耳に入りますよ、うちの奥さん誰だと思っているんですか?」
ーーうん、元王女。
「それに貴女を魔導士様のところにやったのは第二王子、エリザベスの兄ですよ?」
「うん、団長だけの意見だとは思わなかったけど、それでもわたしの癒しの魔法のためだと思ってたんだけど?」
「もちろん君の魔法はもっときちんと勉強して技術を磨けば助けになるから国にとっても大事なことさ。だけど兄上と接点を持てるようにと第二王子がちょっと手を加えたんだよ」
「ちょっと?」
「そう、兄上はまだ完全な体調とはいえない。だから怪我人を魔導士のところに連れて行く任務に暫くつけているんだ。もちろん兄上の体調が戻れば騎士としてまたしっかり働けるように考えてはくれてはいるけどね」
「……だからスティーブ様が最近わたしのいる診療所によくくるのですね」
「ところで……僕の手紙の内容読んでいないのならここで説明させてもらうね?」
「えっ?結構です。もう過ぎたことですから」
ーーもう今更だよね?知る必要なんてなくない?
「セレン、お願いだから真実を知って欲しいんだ。それでも兄上が許せないなら何も言わないし僕はこれ以上口出しはしない」
そして語られた話は………
イザベラ様の執着とも言える話だった。
イザベラ様はスティーブ様を脅していたらしい。
それもわたしと仲良くしたらわたしを「殺す」と。
なんとそれも学生の頃に。
そんなイザベラ様にスティーブ様も抵抗しようとしたが、もしわたしのことを大切にしたら許さない、自分が辛い思いをするならみんな不幸になればいいと言ったらしい。
そしてスティーブ様がわたしに冷たい態度をとるようになると、今度はイザベラ様は「スティーブはわたしを愛しているの」と言って人の話など聞かなくなったらしい。
公爵夫人が精神的におかしくなっているのをうまく利用してべったりとくっついて仲良くなることでわたしを迫害していたらしい。
スティーブ様はわたしと結婚してからもイザベラ様にわたしが何をされるかわからないので冷たい態度を取るしかなかったらしい。
「ふうん、だったらそのことをわたしに伝えればよかったのでは?」
ーーそうすればあそこまでわたしも意固地な態度は取らなかったと思うわ。
「そんな器用な人なら今頃離縁してはいなかったし公爵当主になれるのに平民になんてなっていないと思いますよ」
「…………そうね、でも、もう今更だわ……だけどその話はどうやって知ったの?」
「兄上が脅されているところを偶然見たんだ。流石に驚いて兄上を問い詰めたら……やっと重い口を開いたんだ。それが離縁する前の兄貴がストマで寝込んでいる時だったんだ」
「あっ、自分の治療の代わりにイザベラ様を治療してやってくれと言ったからわたし離縁する日まで治してあげなかったんだわ」
「あれは兄上なりに考えがあったらしい。イザベラ様を治してあげとかないとセレンにまた意地悪をしたり絡んだりするから譲ったらしいんだ。
あとね、セレンの治療ってあの頃結構痛みがあったでしょう?イザベラ様への意地悪もあったんだって!痛みなんて経験したことがないお嬢様だから痛い思いを少しはしてみたほうがいいと思ったらしいんだ」
「確かにわたしの治療ってあの頃痛みを伴っていたものね。でもあれだけ文句言われたから次もし治療することがあったらもっと酷い痛みを与えて治療してやろうと思ったわ」
「セレンらしいわね」エリザベス様がクスクス笑いながらわたしに言った。
「ねえ、別にもう一度やり直しなさいなんて言わないわ。だけど少しくらいお互い話したほうがいいのでは?」
「子供の頃からの付き合いです。エディ様とは仲良くしていましたがスティーブ様とはずっと犬猿の仲でした。今更ですよ」
「兄上はセレンが領地に行ってしまってから戻ってくるまで必死で優しくなろうと努力していたんです。もしイザベラ様が邪魔しなければ兄上なりにセレンに歩み寄ろうとしたと思うんだ。
一度だけでも向き合ってもらえませんか?」
「………なんのために?エディ様わたし達は終わったのに何を今更蒸し返す必要があるのですか?」
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