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エディ様が言うには。
マリアナのお屋敷に行くと可愛い赤ちゃんがサムエルと一緒に迎えてくれた。
「マリアナ、迷惑かけてごめんなさい。今日はお邪魔するわ」
「いいのよ、わたしも親しくなれるチャンスだもの。今までご挨拶はさせていただいていたけど時間を取ってお話しをしたことはなかったの。仕事に結びつくチャンスだわ」
「マリアナのそう言うところ大好きよ、旦那様のハンクは今日は?」
「彼なら仕事で飛び回っているわ。実家の領地の葡萄の栽培が今年はかなりうまく行っているからね。もちろんりんごもいろんな品種を増やしたから大忙しよ」
「ふふ投資者としては嬉しい言葉だわ。期待しているわ!」
「販路を広げたいの。その為にも公爵家との取引は絶対必要なのよ。あの大型の船は魅力的よね、商品の販売を外国へ広げられるわ」
「夢は大きく、かあ……凄いわね。わたしは口は出せないから自分たちで頑張ってね」
公爵家にはこの国一番の大型の船を持っている。おかげで他国との貿易も一手に担えている。
「もちろんよ!」
サムエルと赤ちゃんのアラン君と三人でのんびりと遊びながら二人が来るのを待っていた。
普段忙しいわたしにはこの二人が癒しなのだ。
「お二人が到着されました」
エリノアが声をかけてくれた。
「ありがとう、エリノア、アラン君達のお世話をお願いね」
「はい、了解しました」
わたしは客間へと向かった。
エリザベス様とは何度か王宮内で会ってはいたけどエディ様と会うのはスティーブ様と離縁して以来だ。
客間には二人が仲良く隣同士で座っていた。
「セレン!久しぶりだね!」
エディ様が立ち上がりわたしの前に来て手を差し出した。
「お久しぶりです。ご結婚おめでとうございます」
わたしは彼の手を握り挨拶をした。
「うん、僕もまさか自分が後継になって王女様と結婚することになるなんて思ってもいなかったよ」
素直にそう言うエディ様の笑顔は昔と変わらない。彼は相変わらず明るくて優しい。
エリザベス様はその横で微笑んでわたしを見ていた。
「セレン、ごめんなさいね。公爵家に来て欲しいとお願いしてしまって」
「いえ、お断りしてすみませんでした」
「本当は簡単に来ると返事出来ないことは分かってはいたの。だけど公爵家に仕える使用人も騎士団のみんなももう一度貴女に会いたいとずっと言っているの」
「わたしにですか?」
ーー確かにみんなとても懐かしい。
「貴女が離縁するその日まで公爵家のために働き、そしてギリギリまでみんなのために治療もしてくれたこと、みんな感謝しているの。まさか突然居なくなるとは思わなくて誰もお礼を言えていないことを後悔しているの。だからどうしても公爵家に顔を出して欲しくて……だけど貴女からしたら来づらいわよね?」
「お礼って言われても、わたしはその時出来ることをしたまでです。みんなにはとても良くしてもらったし、当たり前のことをしたまでです」
「セレンのおかげで僕も命を助けてもらった。母上が精神的にまいっていたのも治療してくれたのはセレンだ」
「あっ、公爵夫人の体調は如何ですか?」
最近は公爵家のことを思い出すこともなかった。
目の前でよく会ってしまうスティーブ様のことが頭が痛くて他のことまで気が回らなかった。
「うん、もうしっかりしているよ。父上の浮気のことだってしっかり問いただして父上は今肩身の狭い状態なんだ」
「ふふっ、いい気味ですね。しっかりとやったことに対しては反省してもらわなきゃですよね?」
「兄上なんだけど……僕の手紙は……」
「手紙?」
ーーうん何の事だったかな?
キョトンとした顔をしているとエディ様が大きな溜息を吐いた。
「忘れてるってことはまさか……読んでない?」
「読む?なんの手紙だったかしら?」
ーー全く記憶がないんだけど……エディ様からもらった手紙ってこの前の公爵家へのご招待の手紙?
でもあれはしっかり読んでお返事したわ。
わたしはわからなくて困った顔をしていた。
「マリアナ、迷惑かけてごめんなさい。今日はお邪魔するわ」
「いいのよ、わたしも親しくなれるチャンスだもの。今までご挨拶はさせていただいていたけど時間を取ってお話しをしたことはなかったの。仕事に結びつくチャンスだわ」
「マリアナのそう言うところ大好きよ、旦那様のハンクは今日は?」
「彼なら仕事で飛び回っているわ。実家の領地の葡萄の栽培が今年はかなりうまく行っているからね。もちろんりんごもいろんな品種を増やしたから大忙しよ」
「ふふ投資者としては嬉しい言葉だわ。期待しているわ!」
「販路を広げたいの。その為にも公爵家との取引は絶対必要なのよ。あの大型の船は魅力的よね、商品の販売を外国へ広げられるわ」
「夢は大きく、かあ……凄いわね。わたしは口は出せないから自分たちで頑張ってね」
公爵家にはこの国一番の大型の船を持っている。おかげで他国との貿易も一手に担えている。
「もちろんよ!」
サムエルと赤ちゃんのアラン君と三人でのんびりと遊びながら二人が来るのを待っていた。
普段忙しいわたしにはこの二人が癒しなのだ。
「お二人が到着されました」
エリノアが声をかけてくれた。
「ありがとう、エリノア、アラン君達のお世話をお願いね」
「はい、了解しました」
わたしは客間へと向かった。
エリザベス様とは何度か王宮内で会ってはいたけどエディ様と会うのはスティーブ様と離縁して以来だ。
客間には二人が仲良く隣同士で座っていた。
「セレン!久しぶりだね!」
エディ様が立ち上がりわたしの前に来て手を差し出した。
「お久しぶりです。ご結婚おめでとうございます」
わたしは彼の手を握り挨拶をした。
「うん、僕もまさか自分が後継になって王女様と結婚することになるなんて思ってもいなかったよ」
素直にそう言うエディ様の笑顔は昔と変わらない。彼は相変わらず明るくて優しい。
エリザベス様はその横で微笑んでわたしを見ていた。
「セレン、ごめんなさいね。公爵家に来て欲しいとお願いしてしまって」
「いえ、お断りしてすみませんでした」
「本当は簡単に来ると返事出来ないことは分かってはいたの。だけど公爵家に仕える使用人も騎士団のみんなももう一度貴女に会いたいとずっと言っているの」
「わたしにですか?」
ーー確かにみんなとても懐かしい。
「貴女が離縁するその日まで公爵家のために働き、そしてギリギリまでみんなのために治療もしてくれたこと、みんな感謝しているの。まさか突然居なくなるとは思わなくて誰もお礼を言えていないことを後悔しているの。だからどうしても公爵家に顔を出して欲しくて……だけど貴女からしたら来づらいわよね?」
「お礼って言われても、わたしはその時出来ることをしたまでです。みんなにはとても良くしてもらったし、当たり前のことをしたまでです」
「セレンのおかげで僕も命を助けてもらった。母上が精神的にまいっていたのも治療してくれたのはセレンだ」
「あっ、公爵夫人の体調は如何ですか?」
最近は公爵家のことを思い出すこともなかった。
目の前でよく会ってしまうスティーブ様のことが頭が痛くて他のことまで気が回らなかった。
「うん、もうしっかりしているよ。父上の浮気のことだってしっかり問いただして父上は今肩身の狭い状態なんだ」
「ふふっ、いい気味ですね。しっかりとやったことに対しては反省してもらわなきゃですよね?」
「兄上なんだけど……僕の手紙は……」
「手紙?」
ーーうん何の事だったかな?
キョトンとした顔をしているとエディ様が大きな溜息を吐いた。
「忘れてるってことはまさか……読んでない?」
「読む?なんの手紙だったかしら?」
ーー全く記憶がないんだけど……エディ様からもらった手紙ってこの前の公爵家へのご招待の手紙?
でもあれはしっかり読んでお返事したわ。
わたしはわからなくて困った顔をしていた。
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