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姫。⑤
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「君は………」
君?
実の娘に君?
思わず陛下へ冷たい視線を向けてじっと見つめた。
するとスッと陛下は視線を逸らした。
「わたしは……『君』と言う名なのでしょうか?誰もわたしのことを教えてくれません」
冷たく笑った。
「ソ、ソフィ……」
恐る恐るわたしに声をかけてきたソラさん。
ソラさんはわたしが軟禁されている『姫』だとは知らない。
不敬にも陛下に冷たい態度をとるわたしをなんとか諌めようとしていた。
ソラさんの顔は青ざめ震えていた。
そしてそばにいた庭師のおじちゃん達も動けずにわたしを心配そうに見つめていた。
ソラさん達へ視線を向けると、緊張して張り詰めた顔の筋肉が和らいだ。
「ごめんなさい、ソラさん、みんな。大丈夫です、心配しないでください」
「だって………駄目だよ。目の前にいるお方は国王陛下様なのよ?そんな態度をとっては駄目」
「ソフィちゃん、すぐに謝った方がいいぞ」
「何もしていないのに?」
陛下に聞こえるようにハッキリと声を出した。
「ああ………そうだな……君は何もしていない」
「あと少し、残りの仕事をやり終えないといけないわ」
陛下を無視して花の植え替えの手を動かした。
わたし自身はなぜか怒りが。
別に何されたわけではないのに。あ……軟禁されて外に出してもらえないや。
なのに心の奥にいる誰かが「やめて」と訴える。
やめて?
どうして?ハッキリ言ったらいいじゃない。
貴方なんて知らない。
貴方はわたしを軟禁してどうしたいの?
わたしの名すら呼べないの?
わたし『姫』は貴方の娘ではないの?
だけど心の中の別の誰かがわたしを止める。
あなたはソフィア姫なの?
どうしてわたしが今この世界にいるの?
わたしはずっとあなたを夢の中で見てきた。
わたしがソフィア姫?それともわたしはあなたの中に無理やり入ってしまった異物なの?
イライラする。
こんな状態を受け入れているソフィア姫に対して。そしてその哀しい気持ちにどうしても同調してしまう自分にも。
陛下はしばらくわたしをただ見つめていたようだ。
そして静かに去って行った。
声くらいかけなさいよ!
わたしは陛下に、わたしの名を問うた。なのに彼は何も答えなかった。
誰も何も教えてくれないと言ったのに眉を顰めることもなかった。
それはわたしが記憶喪失だと知っていると言うこと。知っていて何も答えない。
軟禁しているはずのわたしが使用人として働いていることにも何も言わない。
あの人は娘を捨て、聖女だけを娘として扱っているのかもしれない。
「おい、ソフィちゃん、花が!」
おじちゃんが慌てた声をかけてきた。
ふと手元を見ると花を握りしめていた。
「うわ、ごめんなさい」
手を緩めたので花はなんとか無事だった。
「花に罪はないぞ。あるのはあのお方だ」
「おじちゃん………」
「ソフィちゃんは何も悪くない」
「ああ、何も悪くないぞ」
おじちゃん達はわたしの正体に気がついていたらしい。
何も言わない、何も聞かないでただそばで見守ってくれていたのだ。
君?
実の娘に君?
思わず陛下へ冷たい視線を向けてじっと見つめた。
するとスッと陛下は視線を逸らした。
「わたしは……『君』と言う名なのでしょうか?誰もわたしのことを教えてくれません」
冷たく笑った。
「ソ、ソフィ……」
恐る恐るわたしに声をかけてきたソラさん。
ソラさんはわたしが軟禁されている『姫』だとは知らない。
不敬にも陛下に冷たい態度をとるわたしをなんとか諌めようとしていた。
ソラさんの顔は青ざめ震えていた。
そしてそばにいた庭師のおじちゃん達も動けずにわたしを心配そうに見つめていた。
ソラさん達へ視線を向けると、緊張して張り詰めた顔の筋肉が和らいだ。
「ごめんなさい、ソラさん、みんな。大丈夫です、心配しないでください」
「だって………駄目だよ。目の前にいるお方は国王陛下様なのよ?そんな態度をとっては駄目」
「ソフィちゃん、すぐに謝った方がいいぞ」
「何もしていないのに?」
陛下に聞こえるようにハッキリと声を出した。
「ああ………そうだな……君は何もしていない」
「あと少し、残りの仕事をやり終えないといけないわ」
陛下を無視して花の植え替えの手を動かした。
わたし自身はなぜか怒りが。
別に何されたわけではないのに。あ……軟禁されて外に出してもらえないや。
なのに心の奥にいる誰かが「やめて」と訴える。
やめて?
どうして?ハッキリ言ったらいいじゃない。
貴方なんて知らない。
貴方はわたしを軟禁してどうしたいの?
わたしの名すら呼べないの?
わたし『姫』は貴方の娘ではないの?
だけど心の中の別の誰かがわたしを止める。
あなたはソフィア姫なの?
どうしてわたしが今この世界にいるの?
わたしはずっとあなたを夢の中で見てきた。
わたしがソフィア姫?それともわたしはあなたの中に無理やり入ってしまった異物なの?
イライラする。
こんな状態を受け入れているソフィア姫に対して。そしてその哀しい気持ちにどうしても同調してしまう自分にも。
陛下はしばらくわたしをただ見つめていたようだ。
そして静かに去って行った。
声くらいかけなさいよ!
わたしは陛下に、わたしの名を問うた。なのに彼は何も答えなかった。
誰も何も教えてくれないと言ったのに眉を顰めることもなかった。
それはわたしが記憶喪失だと知っていると言うこと。知っていて何も答えない。
軟禁しているはずのわたしが使用人として働いていることにも何も言わない。
あの人は娘を捨て、聖女だけを娘として扱っているのかもしれない。
「おい、ソフィちゃん、花が!」
おじちゃんが慌てた声をかけてきた。
ふと手元を見ると花を握りしめていた。
「うわ、ごめんなさい」
手を緩めたので花はなんとか無事だった。
「花に罪はないぞ。あるのはあのお方だ」
「おじちゃん………」
「ソフィちゃんは何も悪くない」
「ああ、何も悪くないぞ」
おじちゃん達はわたしの正体に気がついていたらしい。
何も言わない、何も聞かないでただそばで見守ってくれていたのだ。
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