裏切られ殺されたわたし。生まれ変わったわたしは今度こそ幸せになりたい。

たろ

文字の大きさ
21 / 45

カインへ。

しおりを挟む
 カインという町へ向かった。
 ルドルフは久しぶりの遠出にとても楽しいのかご機嫌がいい。
 ルドルフに乗っての旅は夜間も危険が少なく安心して旅ができた。

「ルドルフ、あまりスピードを出さないでちょうだい」

 最近はのんびりと歩く程度でルドルフに乗っていた。

 なのにルドルフはだんだん走るリズムが乗ってきて疾歩で走り始めた。揺れが少なくなり、よりスムーズに「風になる」感覚を味わえる。
 だけど、まっすぐな道は危なくないけど人が通ったり馬車が多い道では危険だ。

 早く止めないとと思うのにルドルフは楽しそうに走っていた。

 それでもたくさんの建物が遠くに見え始め、街中へと向かっているのがわかり、「ルドルフ!」と叫んで手綱を引いて優しく合図を送った。

 ルドルフもたくさん走ったので満足したのかゆっくりと歩いてくれた。

 3日間の旅はルドルフとずっと側にいたので彼の機嫌もよく楽しい旅になった。

 ルドルフから降りて街中を歩いてルバート伯爵の屋敷を探すことにした。

 道ゆく人に尋ねるとすぐに教えてくれた。

 伯爵家を訪れる前に洋服屋さんへ向かう。

 村で過ごした日々はかけがえのない日々だった。でもこのままの服で伯爵家の屋敷を訪れれば、追い返されてしまうだろう。

 旅の3日間の間、ズボンとシャツでかなり汚れていた。

 旅の間は盗人達に狙われないように汚れたシャツや着古した服が丁度いいけど、流石に人前には出られない。

 服屋さんの店員さんもわたしの服装に驚き、入店を拒否しようとした。

「あ、あの、お金はあります。一人旅をしていたのでこんな格好をしていますが、旅も終わり綺麗な服に着替えたいと思っています」

 店員さんにお金を持っていることを伝えた。そしてわたしの話し方が綺麗だったので、村娘ではないことをすぐにわかってくれた。

「……どうぞ、こちらへ」

「ありがとうございます」

 久しぶりに綺麗なドレスや可愛いワンピースを見て、思わず楽しくなってしまった。

 ずっと簡素なブラウスとスカートの生活だった。やはり年頃の女の子。

 服を見るとついワクワクしてしまう。

 淡い黄色の生地。スカートの裾に花柄の刺繍を施されたロングワンピースを選んだ。

 新しい靴に帽子も合わせて鏡の前でニコッと微笑めば、可愛らしい少女が映っていた。

 前世を思い出し記憶が戻ってこの顔に慣れたとはいえ、現代っ子だったわたしは『お姫様』である自分の美しい顔立ちにドキッとすることがある。

 特に前世の時代のおしゃれも少し取り入れ、髪型もあそびを入れたり、アクセサリーなどの合わせ方も少しだけ個性を出したりとソフィらしさを出してみた。

 鏡の前でクルンと一回転して「うん!」と自己満足。

 入店してきた時はボロボロの服で男の子みたいだったわたしが、16歳の可愛らしい少女に変身したので店員さんが驚いてわたしをジロジロと見つめていた。

「あ、あの……何か変かしら?」

「違います!髪型が可愛らしくて!それにアクセサリーをこんな風に重ねて使うのに驚いたんです!靴とワンピースもわたしだったら選ばない……あ、失礼しました……つい合わないはずでは?と思っていたのに、お嬢さんが着られたら不思議なくらい合っていたから驚いたんです」

「似合ってます?」

「ねぇ?お嬢さん、急いでる?もしよかったらうちのお店の服でコーディネートしてみてくれないかしら?」

「今、外に馬を待たせているんです」

 断ろうとしたら「泊まるところは決まっているの?馬がいるならいい宿屋を紹介するわ」と引き止められた。

 確かに今日すぐにルバート伯爵のところへ行く必要はない。

 とりあえず行くことを予め伝えて、会える日を調整しないといけない。

 しばらくは泊まるところを探そうと思っていたし、ここのお店の人なら変な宿屋を紹介しなさそうだわ。

「じゃあ、紹介してもらってもいいですか?」



しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

王太子妃は離婚したい

凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。 だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。 ※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。 綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。 これまで応援いただき、本当にありがとうございました。 レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。 https://www.regina-books.com/extra/login

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

【完結】もう誰にも恋なんてしないと誓った

Mimi
恋愛
 声を出すこともなく、ふたりを見つめていた。  わたしにとって、恋人と親友だったふたりだ。    今日まで身近だったふたりは。  今日から一番遠いふたりになった。    *****  伯爵家の後継者シンシアは、友人アイリスから交際相手としてお薦めだと、幼馴染みの侯爵令息キャメロンを紹介された。  徐々に親しくなっていくシンシアとキャメロンに婚約の話がまとまり掛ける。  シンシアの誕生日の婚約披露パーティーが近付いた夏休み前のある日、シンシアは急ぐキャメロンを見掛けて彼の後を追い、そして見てしまった。  お互いにただの幼馴染みだと口にしていた恋人と親友の口づけを……  * 無自覚の上から目線  * 幼馴染みという特別感  * 失くしてからの後悔   幼馴染みカップルの当て馬にされてしまった伯爵令嬢、してしまった親友視点のお話です。 中盤は略奪した親友側の視点が続きますが、当て馬令嬢がヒロインです。 本編完結後に、力量不足故の幕間を書き加えており、最終話と重複しています。 ご了承下さいませ。 他サイトにも公開中です

貴方にはもう何も期待しません〜夫は唯の同居人〜

きんのたまご
恋愛
夫に何かを期待するから裏切られた気持ちになるの。 もう期待しなければ裏切られる事も無い。

【12話完結】私はイジメられた側ですが。国のため、貴方のために王妃修行に努めていたら、婚約破棄を告げられ、友人に裏切られました。

西東友一
恋愛
国のため、貴方のため。 私は厳しい王妃修行に努めてまいりました。 それなのに第一王子である貴方が開いた舞踏会で、「この俺、次期国王である第一王子エドワード・ヴィクトールは伯爵令嬢のメリー・アナラシアと婚約破棄する」 と宣言されるなんて・・・

彼女が望むなら

mios
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の婚約は円満に解消された。揉めるかと思っていた男爵令嬢リリスは、拍子抜けした。男爵令嬢という身分でも、王妃になれるなんて、予定とは違うが高位貴族は皆好意的だし、王太子殿下の元婚約者も応援してくれている。 リリスは王太子妃教育を受ける為、王妃と会い、そこで常に身につけるようにと、ある首飾りを渡される。

夫は家族を捨てたのです。

クロユキ
恋愛
私達家族は幸せだった…夫が出稼ぎに行かなければ…行くのを止めなかった私の後悔……今何処で何をしているのかも生きているのかも分からない…… 夫の帰りを待っ家族の話しです。 誤字脱字があります。更新が不定期ですがよろしくお願いします。

「10歳の頃の想いなど熱病と同じ」と婚約者は言いました──さようなら【完結保証】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王太子フリードリヒの婚約者として、幼い頃から王妃教育を受けてきたアメリア・エレファウント公爵令嬢。 誰もが羨む未来を約束された彼女の世界は、ある日突然1人の少女の登場によって揺らぎ始める。 無邪気な笑顔で距離を(意図的に)間違える編入生ベルティーユは、男爵の庶子で平民出身。 ベルティーユに出会ってから、悪い方へ変わっていくフリードリヒ。 「ベルが可哀想だろ」「たかがダンスくらい」と話が通じない。 アメリアの積み上げてきた7年の努力と誇りが崩れていく。 そしてフリードリヒを見限り、婚約解消を口にするが話は進まず、学園の卒業パーティーで断罪されてしまう……?! ⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています

処理中です...