裏切られ殺されたわたし。生まれ変わったわたしは今度こそ幸せになりたい。

たろ

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再び。

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 バーグル公爵はわたしのことを監視することなく自由に過ごさせてくれた。

 おかげでのびのびと新しい生活に溶け込むことができた。

「ソフィ、明日一緒に新しくできたカフェに行かない?」

 町役場の同僚のミルが声をかけてくれた。

「うん」

「あそこのカフェ、新作を毎週出してくれるらしいの。他国の珍しいお菓子も勉強していて、色々と出してくれるって聞いたわ」

「そうなんだ」

「リシャ国のりんごを使ったアップルパイって知ってる?
 甘く煮詰めたりんごをパイ生地の中に詰めてオーブンで焼き上げたお菓子なんですって!わたし初めて食べた時感動したの!ソフィにも食べさせてあげたいわ」

「……ええ、ぜひ食べてみたいわ」

 リシャ国のアップルパイ……お母様が大好きだった。幼い頃はよく家族三人で食べた、懐かしくて切ない思い出。

「どうしたの?」

 ミルが心配そうにわたしの顔を覗き込んだ。

「うん?ミルの話を聞いてどんなお菓子か想像していたの」

「食いしん坊だね、じゃあ明日楽しみにしてるね?」

「うん」

 リシャ国のオリビア様はネルヴァン様に嫁がれたと公爵様が教えてくれた。

 ルワナ王国は今災難が次から次へと起きているらしい。

 日照りで干ばつが起こり農業への打撃は著しい。
 さらに飲料水不足まで起こり国民は飢えている。乾燥による山火事などの対策にも追われ、食料経済にも深刻な影響を及ぼし始めているらしい。

 それでもオリビア様は贅沢を好んでいるらしい。側妃であるリリア様との関係も悪化してネルヴァン様の気を引こうと二人は争うように着飾り贅を極めているらしい。

 このままではわたしが嫁いだ時よりも早く国は滅びるかもしれない。

 ふと王城で会った時のネルヴァン様の顔を思い出す。そんなに二人を甘やかすほど頭の悪い人ではなかった気がする。

 このまま滅んでいくつもりなのだろうか。
 国民達も馬鹿ではない、このまま死ぬのを待つつもりはないだろう。
 前世の時のように反旗を翻し、クーデターを起こし王族を追い込み、新しい国ができるのだろうか。
 前世でリシャ国もまた災害に見舞われたと聞いた。

 ルドーは、オリビア様はリシャ国を捨てさっさと逃げたと話していた。

 前世の記憶がある人はルドー以外にもいるはず。
 だってルドーが話していた。自分と同じ記憶保持者が屋敷にもいたと。

 だったら他にもいるはず。

 その中に、せめて高位貴族の人が多くいてくれれば。前世の二の舞にはならないかもしれない。

 逃げ出してこの国に住んでいるわたしはずるいけど、その人達に期待するしかなかった。

 次の日、待ち合わせのカフェの前に立っていると、もう会うことのないはずのネルヴァン様が現れた。

「え?」

「久しぶりだな」

「なぜあなたが?」

 ルワナ王国の国王が目の前に立っていた。
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