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ネルヴァン編。最後にもう一度だけ……
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もう二度と会うことのないはずのソフィアが目の前にいる。
「なぜあなたが?」
俺を見て驚き、不機嫌な顔をしたソフィア。
俺が嫌われるのは仕方がない。彼女は俺がネルヴァンだから嫌っている。もし、俺が元彼だと知ったらもっと嫌いになるだろうな。
「うん?この国に支援を頼むために来ていたんだ」
調べてソフィアがこの国で平民として暮らしていることは知っていた。
一度だけでも、遠くからでもいいから会いたいと思った。彼女の幸せのためなら会わないほうがいいとわかっているのに、偶然馬車で通りかかって、彼女が店の前に立っているのを無視して通り過ぎることはできなかった。
「支援?」
彼女は俺のそばにいる従者達へ視線を移し、訝しげに眉をひそめた。
「うん。今我が国は災難が続いているからね」
「……そうなんですか……」
彼女には前世の記憶があるはずだ。俺たちの動きも多分把握しているはずだ。
呑気に外遊でもしているのだと疑われているようだ。
俺はそんな彼女の表情を無視してにこりと微笑んで見せた。
「ブライアンは元気にしてる?君について行ったんだろう?」
「ぬ、盗んだわけではないわ」
焦る彼女も可愛い。
前世と違い、リリアに惹かれることもなく、ただリリアとオリビアを娶り、あの二人が訳のわからない行動をすることを防ぐのが目的だった。
二人を互いに牽制させ、税金の無駄遣いで国民たちの不満は凄まじかった。
そして今は二人とも地下牢に入った。
二人が争うように買った宝石やドレスは換金され国の金庫に戻された。
リシャ国の王女であるオリビアと幼なじみの侯爵令嬢のリリア。
二人は前世で好き勝手に過ごしたことから、今世で俺は放っておくことはできなかった。そばに置き、共に破滅へと向かうつもりだ。
リリアの前世は、俺が彼女を愛し、わがままを認めたこともあり、仕事もせずに好き勝手に過ごした。全てソフィアに押し付けた。
そしてオリビアはリシャ国で聖女であり王女として、やはり好き勝手に過ごし、国が大変なことになると慌てて逃げ出した。
予想通り二人は今世でもやりたい放題で国のために働くこともなく贅を尽くす暮らしを続けた。
俺はそれをただ黙認した。
後ろ盾を持ち、聖女で王女のオリビア、美しく国で人気の高いリリアを簡単に潰して捕らえることは難しい。
だからこそ、ギリギリまで二人のやる事を黙認するしかなかった。
地下牢に入れてすぐの頃は泣き叫び、怒りでヒステリックになる二人。
そんな二人だが、看守たちの前では、美しく儚げに泣く姿を見せ、助けを求め、看守は心を奪われた。
二人を助け出そうとした看守を捕らえることも何度かあった。
リリアを家族は助け出そうとしたが、俺はリリアが使った金を賠償してもらうため侯爵家に返金を求めると、あっさりリリアを見捨てた。
もちろんリリアを見捨てようと、侯爵家の返金は見逃さなかった。
屋敷や土地、鉱山を差し押さえ国に金を戻した。
オリビアももちろんリシャ国に賠償を求めている。しかし、国王は渋り難癖をつけてきた。
「わたしはだからソフィアを嫁がせるつもりだったんだ。あれが逃げなければうまくいったんだ」
王妃はただ静かにその成り行きを見ているようだ。
「ルワナ王、オリビアを娶ったのは貴方でしょう?」
ただ、淡々と彼女は言った。
「ああ、そうだ。聖女である彼女は、ただ好きなものを買い漁る国の金を使う亡者のようだ」
「ふふっ。面白い例えね」
「なぜあなたが?」
俺を見て驚き、不機嫌な顔をしたソフィア。
俺が嫌われるのは仕方がない。彼女は俺がネルヴァンだから嫌っている。もし、俺が元彼だと知ったらもっと嫌いになるだろうな。
「うん?この国に支援を頼むために来ていたんだ」
調べてソフィアがこの国で平民として暮らしていることは知っていた。
一度だけでも、遠くからでもいいから会いたいと思った。彼女の幸せのためなら会わないほうがいいとわかっているのに、偶然馬車で通りかかって、彼女が店の前に立っているのを無視して通り過ぎることはできなかった。
「支援?」
彼女は俺のそばにいる従者達へ視線を移し、訝しげに眉をひそめた。
「うん。今我が国は災難が続いているからね」
「……そうなんですか……」
彼女には前世の記憶があるはずだ。俺たちの動きも多分把握しているはずだ。
呑気に外遊でもしているのだと疑われているようだ。
俺はそんな彼女の表情を無視してにこりと微笑んで見せた。
「ブライアンは元気にしてる?君について行ったんだろう?」
「ぬ、盗んだわけではないわ」
焦る彼女も可愛い。
前世と違い、リリアに惹かれることもなく、ただリリアとオリビアを娶り、あの二人が訳のわからない行動をすることを防ぐのが目的だった。
二人を互いに牽制させ、税金の無駄遣いで国民たちの不満は凄まじかった。
そして今は二人とも地下牢に入った。
二人が争うように買った宝石やドレスは換金され国の金庫に戻された。
リシャ国の王女であるオリビアと幼なじみの侯爵令嬢のリリア。
二人は前世で好き勝手に過ごしたことから、今世で俺は放っておくことはできなかった。そばに置き、共に破滅へと向かうつもりだ。
リリアの前世は、俺が彼女を愛し、わがままを認めたこともあり、仕事もせずに好き勝手に過ごした。全てソフィアに押し付けた。
そしてオリビアはリシャ国で聖女であり王女として、やはり好き勝手に過ごし、国が大変なことになると慌てて逃げ出した。
予想通り二人は今世でもやりたい放題で国のために働くこともなく贅を尽くす暮らしを続けた。
俺はそれをただ黙認した。
後ろ盾を持ち、聖女で王女のオリビア、美しく国で人気の高いリリアを簡単に潰して捕らえることは難しい。
だからこそ、ギリギリまで二人のやる事を黙認するしかなかった。
地下牢に入れてすぐの頃は泣き叫び、怒りでヒステリックになる二人。
そんな二人だが、看守たちの前では、美しく儚げに泣く姿を見せ、助けを求め、看守は心を奪われた。
二人を助け出そうとした看守を捕らえることも何度かあった。
リリアを家族は助け出そうとしたが、俺はリリアが使った金を賠償してもらうため侯爵家に返金を求めると、あっさりリリアを見捨てた。
もちろんリリアを見捨てようと、侯爵家の返金は見逃さなかった。
屋敷や土地、鉱山を差し押さえ国に金を戻した。
オリビアももちろんリシャ国に賠償を求めている。しかし、国王は渋り難癖をつけてきた。
「わたしはだからソフィアを嫁がせるつもりだったんだ。あれが逃げなければうまくいったんだ」
王妃はただ静かにその成り行きを見ているようだ。
「ルワナ王、オリビアを娶ったのは貴方でしょう?」
ただ、淡々と彼女は言った。
「ああ、そうだ。聖女である彼女は、ただ好きなものを買い漁る国の金を使う亡者のようだ」
「ふふっ。面白い例えね」
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