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48話 最終話
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久しぶりにノエル様からお茶に誘われた。いつもなら外でお会いするのに。
ノエル様の屋敷に来たのは数ヶ月ぶりかしら?
「アイシャ、最近はまた忙しいの?辺境付近で怪しい動きがあるから討伐隊が出ると聞いたけど」
「そうですね、今バタバタしてます。まぁ普段から騎士団の事務の仕事は毎日が慌ただしいです……体力勝負です」
公爵家の四阿でのんびりと二人でお茶をいただく。
「はああ、美味しい。公爵家の紅茶もケーキもほんっと美味しくて、疲れた体には最高です!元気になります!」
「そろそろ僕のところに嫁ぐつもりはないの?」
「………わたしは平民ですよ?ノエル様」
このセリフ何度言ったかしら?
「僕は君がいいんだ」
躊躇いなく笑顔で彼が言う。
「ありがとうございます。でもわたしなんか娶って仕舞えば公爵家の醜聞になってしまいます」
「どうして?君は他国でとはいえ侯爵令嬢だよ?ただ、自国に帰りたくないからこの国で平民として過ごしているだけだろう?本当ならうちの公爵家が後ろ盾になる予定だったのに君がそれを蹴ってしまったんだ」
「わたしは自分の力で生きたかったんです」
「知ってる。だから君の気持ちを優先した。でもそろそろ僕の気持ちも考えて欲しい」
実はノエル様とわたしは最近お付き合いを始めた。
頑なに恋なんてしない、恋人は作らないと言い張っていたのだけど、ノエル様に猛烈なアタックを受け続けた。
ほんとこの人、柔和な雰囲気なのに、しつこい!
そして気がつけば絆されて好きになっていた。
だけど恋愛が怖いわたしはまだ恋人にはなっても、たまにデートをするくらいで先には進めていない。
「アイシャ、君の父上に挨拶に行ってきたんだ」
「……お父様……なぜ?そんな勝手なことを?」
わたしの中の地雷。
『お父様』………
「君にとって父親は悪感情しかないことは知ってる。でも、君の父親なんだ、君との結婚の許可を貰わないと君と先に進めない」
「わたしは結婚なんてしなくても…………「わかってる、アイシャにとって負担になっていることも。それでも僕は君に温かい家庭を作ってあげたい。今もまだ傷ついて前に進めないでいるアイシャのそばで僕が君の心を守りたいんだ」
ノエル様が少し寂しそうにわたしを見た。
「ごめんね?アイシャ。君に惹かれて君を好きになって、もう手放せないし、ずっと君といたい。君を守り慈しむのは僕だけでいい。だけど君の父上には許可を貰わなきゃ前に進めない」
「わたしは、結婚など望んでいません、勝手に話を進めるなんて不愉快です」
また傷ついた顔をしたノエル様。
ノエル様がこの国に来てからずっと助けてくださったことに感謝しているし、何かあれば精神的にも支えてくれた。
そしていつ頃からか、何度も好きだと愛していると、断っても断っても、言ってくれた人。
頑なで愛を信じるのが怖くて臆病なわたしの心を少しずつ溶かしていってくれた。
ノエル様のそばは居心地がいい。お互い精霊が見えるからなのか、互いの精霊達が仲良しだからなのか、彼のそばにいるとホッとする。
「アイシャ」とわたしを呼ぶ声も「愛してるよ」と囁いてくれる声も心地いい。
だけどノエル様といるとやはりシルヴィオ殿下のことを思い出してしまう。
彼は今も神殿で暮らしていると聞いた。もちろんお会いすることはない。
彼は何を思って生きているのだろう。ミラーネ様への懺悔?それとも追憶?
わたしは……幸せになる価値のない人間。ミラーネ様のことを考えると、いくら前世は前世、今世の人間が償うのはおかしいと頭の中ではわかっているのに心の中では罪悪感で幸せになることを拒否してしまう。
なのにノエル様のそばから離れられない自分もいて。
「僕はね、アイシャ。君と強引にでも結婚するつもりだ。そうしなければ君は一生結婚からも父親からも逃げ続けるだろう?幸せになることから逃げ続けて欲しくないんだ。
シルヴィオは逃げたんじゃない、彼はやっと自分に向き合ったんだ。そして今世で全てを終わらせる覚悟をしたんだ」
「覚悟?」
「そう、自分の気持ちの甘さに逃げ続けて周りのことを見ていなかった。やっと立ち止まって君やミラーネ嬢にしてきた前世の罪や今世の自分の行動を反省したんだ。そして今世で悪い縁を切ることを選んだ」
「だったらわたしも罪は同じだわ」
「君はアリシャの時ミネルバに対して行った罪をしっかりアーシャの時に罰せられた。あまりにも悲惨な罰をね?そこまでされることはなかったのに。
今世でなんの罪を償うの?あれはミラーネ嬢がやり過ぎた。だから今世で彼女は罰を与えられたんだ」
「罪と罰……わたしは……幸せなっても……いいの?」
「幸せになってはダメな人間なんていないよ?ねえ、アイシャ、精霊達が君のそばから離れないのは君に幸せになって欲しいからだよ、君のことをとても心配しているからね?」
ふと空を見上げるとキラキラと光り輝く精霊達が優しく温かい空気でわたしを包み込む。
庭に咲いている赤い薔薇や白い薔薇、ふと見るとそこに青い薔薇が一輪咲いていた。
「青い薔薇………」
「精霊達の祝福かな?」
「………ノエル様……お父様は何か言ってましたか?」
「アイシャに幸せになって欲しいと。会うことはなくてもアイシャの幸せだけを祈ってると言ってた」
「お父様を捨てて逃げたわたしの幸せを願ってくれているの?」
「君も父上も不器用だよね?言葉が足りないし互いの感情を見せるのが下手なんだね?」
「下手とは?」
「君の父上は侯爵家のために君を王家に嫁がせたいと思っていたのは確かにそうだったけど、それ以上にそれが君の幸せだと頑なに信じていたんだ。大切な娘が幸せになるのは王子様との結婚なんだと。
君が幼い頃、絵本を見て王子様に憧れ王子様と結婚するのが夢なんだと語っていたから、馬鹿な父親はそれを信じていたんだって」
「………わたしの幼い頃……あっ、確かにお父様に買っていただいた絵本を見て、そんなことを言ったかも……でもあれは4、5歳の頃の話ですよ?」
「父親にとってはそれでも娘の大切な想いだとそう信じていたんだよ」
「……お父様って馬鹿なんですね。わたしのことを想ってくれていた……」
うーん、上手いこと丸め込まれそうだけど。
「ノエル様?お父様とわたしの関係はそんな簡単に元に戻れないのですよ?結構溝は深いのです。だけど、少しは蟠りも取れたかも、です」
ノエル様はこうして今度は結婚しようとわたしを懐柔していった。
そして一年後、やはりノエル様に押し切られてからのお嫁さんになることが決まった。
ノエル様の公爵家の一輪の青い薔薇が今ではたくさん咲き誇っている。
今日、わたしは青い薔薇のブーケを持ち、ウェディングドレスを着て彼のお嫁さんになる。
ユリウス殿下やシェリーもお祝いに駆けつけてくれた。
そして、数年ぶりにお会いしたお父様。
お互い何も話すことはなかった。でもお父様はずっと涙ぐみわたしを嬉しそうに見ていた。
「アイシャ、世界で一番君を幸せにするよ。愛してるよ」
彼のまっすぐな愛情に絆されて素直になれなくなったわたしの心はいつの間にか溶かされていた。
「ノエル様、わたしもあなたを愛しています」
お父様と元婚約者に裏切られたわたしは、もう二度と恋なんてしないと決めていたのに。
ミラーネ様、わたし、もう一度恋をします。
あなたも今度は全て忘れて、新しい幸せを未来をどうか、どうか、生まれ変わって生きて欲しい。そう祈って青い薔薇にキスを落とした。
終
ノエル様の屋敷に来たのは数ヶ月ぶりかしら?
「アイシャ、最近はまた忙しいの?辺境付近で怪しい動きがあるから討伐隊が出ると聞いたけど」
「そうですね、今バタバタしてます。まぁ普段から騎士団の事務の仕事は毎日が慌ただしいです……体力勝負です」
公爵家の四阿でのんびりと二人でお茶をいただく。
「はああ、美味しい。公爵家の紅茶もケーキもほんっと美味しくて、疲れた体には最高です!元気になります!」
「そろそろ僕のところに嫁ぐつもりはないの?」
「………わたしは平民ですよ?ノエル様」
このセリフ何度言ったかしら?
「僕は君がいいんだ」
躊躇いなく笑顔で彼が言う。
「ありがとうございます。でもわたしなんか娶って仕舞えば公爵家の醜聞になってしまいます」
「どうして?君は他国でとはいえ侯爵令嬢だよ?ただ、自国に帰りたくないからこの国で平民として過ごしているだけだろう?本当ならうちの公爵家が後ろ盾になる予定だったのに君がそれを蹴ってしまったんだ」
「わたしは自分の力で生きたかったんです」
「知ってる。だから君の気持ちを優先した。でもそろそろ僕の気持ちも考えて欲しい」
実はノエル様とわたしは最近お付き合いを始めた。
頑なに恋なんてしない、恋人は作らないと言い張っていたのだけど、ノエル様に猛烈なアタックを受け続けた。
ほんとこの人、柔和な雰囲気なのに、しつこい!
そして気がつけば絆されて好きになっていた。
だけど恋愛が怖いわたしはまだ恋人にはなっても、たまにデートをするくらいで先には進めていない。
「アイシャ、君の父上に挨拶に行ってきたんだ」
「……お父様……なぜ?そんな勝手なことを?」
わたしの中の地雷。
『お父様』………
「君にとって父親は悪感情しかないことは知ってる。でも、君の父親なんだ、君との結婚の許可を貰わないと君と先に進めない」
「わたしは結婚なんてしなくても…………「わかってる、アイシャにとって負担になっていることも。それでも僕は君に温かい家庭を作ってあげたい。今もまだ傷ついて前に進めないでいるアイシャのそばで僕が君の心を守りたいんだ」
ノエル様が少し寂しそうにわたしを見た。
「ごめんね?アイシャ。君に惹かれて君を好きになって、もう手放せないし、ずっと君といたい。君を守り慈しむのは僕だけでいい。だけど君の父上には許可を貰わなきゃ前に進めない」
「わたしは、結婚など望んでいません、勝手に話を進めるなんて不愉快です」
また傷ついた顔をしたノエル様。
ノエル様がこの国に来てからずっと助けてくださったことに感謝しているし、何かあれば精神的にも支えてくれた。
そしていつ頃からか、何度も好きだと愛していると、断っても断っても、言ってくれた人。
頑なで愛を信じるのが怖くて臆病なわたしの心を少しずつ溶かしていってくれた。
ノエル様のそばは居心地がいい。お互い精霊が見えるからなのか、互いの精霊達が仲良しだからなのか、彼のそばにいるとホッとする。
「アイシャ」とわたしを呼ぶ声も「愛してるよ」と囁いてくれる声も心地いい。
だけどノエル様といるとやはりシルヴィオ殿下のことを思い出してしまう。
彼は今も神殿で暮らしていると聞いた。もちろんお会いすることはない。
彼は何を思って生きているのだろう。ミラーネ様への懺悔?それとも追憶?
わたしは……幸せになる価値のない人間。ミラーネ様のことを考えると、いくら前世は前世、今世の人間が償うのはおかしいと頭の中ではわかっているのに心の中では罪悪感で幸せになることを拒否してしまう。
なのにノエル様のそばから離れられない自分もいて。
「僕はね、アイシャ。君と強引にでも結婚するつもりだ。そうしなければ君は一生結婚からも父親からも逃げ続けるだろう?幸せになることから逃げ続けて欲しくないんだ。
シルヴィオは逃げたんじゃない、彼はやっと自分に向き合ったんだ。そして今世で全てを終わらせる覚悟をしたんだ」
「覚悟?」
「そう、自分の気持ちの甘さに逃げ続けて周りのことを見ていなかった。やっと立ち止まって君やミラーネ嬢にしてきた前世の罪や今世の自分の行動を反省したんだ。そして今世で悪い縁を切ることを選んだ」
「だったらわたしも罪は同じだわ」
「君はアリシャの時ミネルバに対して行った罪をしっかりアーシャの時に罰せられた。あまりにも悲惨な罰をね?そこまでされることはなかったのに。
今世でなんの罪を償うの?あれはミラーネ嬢がやり過ぎた。だから今世で彼女は罰を与えられたんだ」
「罪と罰……わたしは……幸せなっても……いいの?」
「幸せになってはダメな人間なんていないよ?ねえ、アイシャ、精霊達が君のそばから離れないのは君に幸せになって欲しいからだよ、君のことをとても心配しているからね?」
ふと空を見上げるとキラキラと光り輝く精霊達が優しく温かい空気でわたしを包み込む。
庭に咲いている赤い薔薇や白い薔薇、ふと見るとそこに青い薔薇が一輪咲いていた。
「青い薔薇………」
「精霊達の祝福かな?」
「………ノエル様……お父様は何か言ってましたか?」
「アイシャに幸せになって欲しいと。会うことはなくてもアイシャの幸せだけを祈ってると言ってた」
「お父様を捨てて逃げたわたしの幸せを願ってくれているの?」
「君も父上も不器用だよね?言葉が足りないし互いの感情を見せるのが下手なんだね?」
「下手とは?」
「君の父上は侯爵家のために君を王家に嫁がせたいと思っていたのは確かにそうだったけど、それ以上にそれが君の幸せだと頑なに信じていたんだ。大切な娘が幸せになるのは王子様との結婚なんだと。
君が幼い頃、絵本を見て王子様に憧れ王子様と結婚するのが夢なんだと語っていたから、馬鹿な父親はそれを信じていたんだって」
「………わたしの幼い頃……あっ、確かにお父様に買っていただいた絵本を見て、そんなことを言ったかも……でもあれは4、5歳の頃の話ですよ?」
「父親にとってはそれでも娘の大切な想いだとそう信じていたんだよ」
「……お父様って馬鹿なんですね。わたしのことを想ってくれていた……」
うーん、上手いこと丸め込まれそうだけど。
「ノエル様?お父様とわたしの関係はそんな簡単に元に戻れないのですよ?結構溝は深いのです。だけど、少しは蟠りも取れたかも、です」
ノエル様はこうして今度は結婚しようとわたしを懐柔していった。
そして一年後、やはりノエル様に押し切られてからのお嫁さんになることが決まった。
ノエル様の公爵家の一輪の青い薔薇が今ではたくさん咲き誇っている。
今日、わたしは青い薔薇のブーケを持ち、ウェディングドレスを着て彼のお嫁さんになる。
ユリウス殿下やシェリーもお祝いに駆けつけてくれた。
そして、数年ぶりにお会いしたお父様。
お互い何も話すことはなかった。でもお父様はずっと涙ぐみわたしを嬉しそうに見ていた。
「アイシャ、世界で一番君を幸せにするよ。愛してるよ」
彼のまっすぐな愛情に絆されて素直になれなくなったわたしの心はいつの間にか溶かされていた。
「ノエル様、わたしもあなたを愛しています」
お父様と元婚約者に裏切られたわたしは、もう二度と恋なんてしないと決めていたのに。
ミラーネ様、わたし、もう一度恋をします。
あなたも今度は全て忘れて、新しい幸せを未来をどうか、どうか、生まれ変わって生きて欲しい。そう祈って青い薔薇にキスを落とした。
終
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ラストを楽しみのしてます。
感想ありがとうございます😊