『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道

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第16話「空飛ぶ脅威」

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ギルドの中は、蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。  東の街道で大規模な商隊が襲われたという報せは、瞬く間に冒険者たちの間に広がった。

「ワイバーンの群れだと!? そんなの、俺たちじゃ手が出せねえぞ!」 
「弓使いと魔法使いを集めろ! 飛んでる相手に剣は届かねえ!」

 冒険者たちが口々に不安を叫ぶ。  ワイバーンは空の王者だ。上空からの急降下攻撃と、鋼鉄のように硬い鱗、そして何より「飛んでいる」という絶対的な優位性を持つ。近接職がメインの一般的なパーティでは、一方的に嬲り殺しにされるのがオチだ。

 ギルドマスターと思しき壮年の男が、カウンターの上で声を張り上げている。

「落ち着け! 現在、討伐隊を編成中だ! Aランクパーティ『雷光の牙』の到着を待って――」 
「待っていられるか」

 俺は掲示板から依頼書を剥ぎ取ると、そのまま受付へ叩きつけた。

「えっ? あ、あの、カズヤさん? これは推奨ランクが……」 
「俺たちが受ける。手続きを頼む」

 受付嬢が戸惑っている間に、俺はさっさと出口へ向かう。  後ろで「おい、あの新人たち、死ぬ気か?」という声が聞こえたが、無視だ。

「マスター、そんなに急いでどうしたんですか?」 
「他の連中に獲物を横取りされたくない」

 俺は走りながら答える。  ワイバーンは厄介な魔物だが、その分ドロップ品は魅力的だ。  特に、一般種であるワイバーンが稀に落とす『飛竜の槍』。  これは投擲しても手元に戻ってくる魔法の槍であり、対空攻撃において絶大な威力を発揮する。今後の冒険で、空を飛ぶ敵に対する切り札になり得る武器だ。

「それに、ちょうどいい的だ。お前たちの新スキルのテストにはな」

 俺たちは馬車を借りず、自らの足で街道を走った。  【神速の脚】で強化された俺の速度に、レベルアップとスキル強化を経た三人が遅れることなくついてくる。  以前とは移動速度が段違いだ。

 数十分後。  黒煙が上がる街道が見えてきた。  横転した馬車、散乱する荷物。そして、上空を旋回する十数体の影。  ワイバーンだ。  翼開長五メートルはある巨体が、獲物を探して優雅に滑空している。時折、急降下しては逃げ惑う生存者を爪で弄んでいるのが見えた。

「うわぁ……いっぱいいますね」 
「空高いわね。私の挑発、届くかしら」

 サラが手で庇を作って空を見上げる。  ワイバーンたちは高度五十メートル付近を飛んでいる。剣や槍はもちろん、普通の弓矢でも有効打を与えるのは難しい距離だ。

 俺は目を細める。  【鑑定】が発動し、上空の魔物たちの情報が表示される。

【種族:ワイバーン】 
【討伐推奨レベル:30】 
【ドロップアイテム:飛竜の皮、竜の牙、飛竜の槍(SR)】

 そして、俺の視界には、奴らの翼の付け根や首元に、小さな赤い点が無数に輝いているのが見えていた。

「作戦を伝える」

 俺は三人を集める。

「敵は空にいるが、降りてこなければ攻撃できない。そこを狙う」 
「囮になれってことね?」

 サラがニヤリと笑う。  話が早くて助かる。

「サラ、お前は街道の真ん中に立って派手に暴れろ。盾を鳴らして注意を引け。奴らは光り物に目がない」 
「任せて。一番美味しそうな獲物を演じてやるわ」

「リーナ、お前は馬車の陰に隠れろ。サラに釣られて降下してきた奴の翼を狙え。【千里眼】があれば、翼膜の薄い部分が見えるはずだ」 
「はい! 片翼さえ潰せば、あとは墜落します!」

「ミオ、お前は遊撃だ。落ちてきた奴が暴れないように、腱を切って無力化しろ。トドメは俺が刺す」 
「了解。影から飛び出してザクッといけばいいんだな」

 役割分担は決まった。  俺たちは散開する。

 サラが街道の中央に進み出る。  彼女は『絶対防御の大盾』を地面に叩きつけ、ガンガンと大きな音を立てた。さらに、自身の鎧を剣で叩き、大声を上げる。

「こっちよトカゲ共! ここにとびきり上等な肉があるわよ! 食えるものなら食ってみなさい!」

 スキル【挑発】が発動し、赤い波紋のようなオーラが空へ拡散していく。  上空を旋回していたワイバーンたちの動きが変わった。  一斉にサラの方を向き、金切り声を上げる。

 キシャァァァァッ!

 三体のワイバーンが翼を畳み、弾丸のような速度で急降下を開始した。  風を切り裂く音と共に、鋭利な爪がサラの頭上へ迫る。

「来たぞ! 準備しろ!」

 俺は物陰で剣の柄を握りしめる。  空対地の戦いが始まる。  一方的な狩りになるのは、どっちだか教えてやる。
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