『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道

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第22話「防衛戦開始」

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防壁の前、平原を埋め尽くす魔物の波が、轟音と共に押し寄せた。  先頭を走るのは、数百体のオーク騎兵とゴブリンソルジャー。それぞれが粗末な武器を振り回し、殺到してくる。

「サラ、止めろッ!」 
「任せなさい! ここが通行止めよ!」

 サラが『絶対防御の大盾』を地面に突き立て、スキル【挑発】を全開にする。  赤いオーラが広範囲に放たれ、先頭集団のヘイトを一心に集めた。

 ズドォォォォォン!!

 数十体のオークが、サラの盾に激突した。  通常の物理法則なら、サラは肉片になって吹き飛んでいるはずだ。  だが、現実は違った。

「っ……重いけど、止まる!」

 サラは一歩も引かない。  盾の表面に展開された光の壁が、突撃のエネルギーを完全に遮断している。  後続の魔物たちが止まれずに追突し、団子状態になっていく。

「今だ、リーナ!」 
「はいッ! 【アローレイン】!」

 城壁の上に陣取ったリーナが、空へ向かって矢を放った。  一本の矢が上空で分裂し、雨のように降り注ぐスキルだ。さらに『無限の矢筒』の効果で、その密度は桁違いになっている。

 ヒュヒュヒュヒュッ!

 数千の矢が、団子になった魔物の群れに降り注いだ。  次々と頭を射抜かれ、オークたちが倒れていく。

「ミオ、指揮官を潰せ!」 
「了解!」

 ミオがサラの影から飛び出した。  【シャドウステップ】。  彼女は影渡りで敵陣の只中へ移動し、混乱するオークたちの背後に回る。  狙うは、集団を率いるオークリーダー。

 シュッ。  目にも止まらぬ速さで喉を掻き切り、反撃される前に次の影へと消える。  指揮系統を失った小隊が、烏合の衆となって立ち往生する。

「いい動きだ。なら、俺も稼がせてもらうか」

 俺は防壁から飛び降りた。  着地と同時に、『炎帝の剣』を真横に薙ぎ払う。

「消えろ」

 ゴオオオオッ!

 剣から扇状の炎が噴出した。  ただの炎ではない。魔力を帯びた爆炎だ。  前方にいた数十体のゴブリンが、悲鳴を上げる間もなく炭化し、光の粒子となって消滅する。

 カラン、カラン、カラン。  大量のドロップ品が地面に散らばる。

「回収、回収っと」

 俺は戦場のど真ん中で、光るアイテムを次々とインベントリに放り込んでいく。  周囲の魔物が襲い掛かってくるが、俺にはスローモーションに見える。  【神速の脚】で躱し、すれ違いざまに急所を突く。  敵が倒れ、ドロップ品に変わる。それを拾う。

 完全に作業だ。  効率的なライン作業のように、俺の周囲だけ死体の山ではなく、宝の山が築かれていく。

「な、なんだあいつら……!」

 城壁の上で見ていた他の冒険者たちが、信じられないものを見る目でざわめいているのが聞こえる。

「あの盾、オークの突撃を全部止めてるぞ!」 
「あの剣士、戦いながらアイテム拾ってやがる! 正気か!?」

 正気だとも。  俺にとって、ここは戦場ではなく収穫場だ。  ドロップ品を放置して腐らせるなんて、もったいないことはしない。

「ギャオオオッ!」

 その時、敵陣の奥から巨大な岩石が飛んできた。  投石機代わりのトロールだ。  岩は放物線を描き、アイテム回収中の俺の頭上へ迫る。

「危ない、カズヤ!」

 サラが叫ぶが、俺は動じない。  【鑑定】で軌道は見えている。

「邪魔だ」

 俺は『炎帝の剣』を上段に構え、迫り来る岩石を真っ向から両断した。  ズンッ!  刃が岩に触れた瞬間、爆発属性が付与された斬撃が岩を内側から粉砕する。  砕け散った礫(つぶて)が、周囲の魔物たちに降り注ぎ、逆に敵へダメージを与えた。

「岩も切れるのか。便利だな」

 俺はニヤリと笑う。  UR武器の性能テストは良好だ。  この剣なら、どんなに硬い装甲を持つ敵が来ても問題ない。

「押せ押せ! 今のうちに数を減らすわよ!」

 サラが盾を構えたまま前進を始める。  歩く要塞と化した彼女に、リーナの援護射撃とミオの攪乱が加わり、防衛ラインはむしろ押し返していた。

 だが、敵はまだ無数にいる。  そして、群れの奥深くから、今までとは違う質の魔力が膨れ上がっているのを、俺の肌と【鑑定】眼は感じ取っていた。

「……そろそろ、親玉のお出ましかな」

 俺は剣についた煤を払い、平原の彼方を睨み据えた。  雑魚狩りの時間は終わりだ。  真の「当たり」を引き当てに行くとしよう。
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