『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道

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第23話「戦場の支配者」

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戦場は、赤と黒のコントラストに染まっていた。  赤は『炎帝の剣』が撒き散らす爆炎の色。黒は押し寄せる魔物の波だ。

「はぁぁぁぁッ!」

 俺は剣を一閃させる。  刀身から伸びた炎の刃が、十数メートルの長さに達し、扇状に群がるオークたちを薙ぎ払った。  ズドォォン!  爆発音と共に、魔物たちが宙を舞い、燃え尽きて光の粒子に変わる。

 チャリン、カラン。  大量のドロップ品が雨のように降り注ぐ。  俺はその中を歩きながら、目ぼしいものだけを拾い上げていく。

「牙は安いからパス。革はかさばるからパス。……お、魔石(大)か。これは拾う」

 戦場のど真ん中で選別作業を行う俺の姿は、傍から見れば狂気だろう。  だが、襲い掛かってくる敵はいない。  俺の間合いに入った瞬間、ミオが影から現れて喉を掻き切るか、リーナの矢が眉間を貫くからだ。

「マスター! 左翼からウルフの群れが来ます!」 
「サラ、任せた」 
「はいよ! 通行止めだっつーの!」

 サラが『絶対防御の大盾』を構えて突進する。  ドガガガガッ!  トラックのような勢いで突っ込んできたウルフたちが、サラの盾に弾き飛ばされ、ボールのように転がっていく。  サラは無傷だ。むしろ、盾の反撃効果でウルフたちがダメージを受けている。

「な、なんだあのパーティは……」 
「たった四人で、千以上の魔物を抑え込んでやがる……」

 城壁の上で震えていた冒険者たちが、呆然とした声を漏らす。  彼らは恐怖を忘れ、ただ圧倒的な「暴力」に見入っていた。  俺たちが通り過ぎた後には、魔物の死体すら残らない。あるのは、俺が拾い残した低ランクのドロップ品だけだ。

「おい、あれを見ろ! あいつらが倒した跡に、アイテムが落ちてるぞ!」 
「拾え! あれを拾うだけで大金になるぞ!」

 現金なものだ。  俺たちの戦いぶりを見て、勝利を確信した冒険者たちが、城壁から飛び出してき始めた。  彼らは俺たちが倒し損ねた瀕死の敵を叩いたり、俺が放置した素材を回収したりして、戦線に参加し始める。

「ふん、掃除屋が増えて助かる」

 俺は鼻で笑う。  雑魚の相手は彼らに任せればいい。俺の狙いは、もっと質のいい獲物だ。

 その時、戦場の空気が変わった。  雑多な魔物たちが、恐れをなしたように左右へ道を開ける。  その奥から、重苦しい足音と共に、一際巨大な影が現れた。

 身長五メートル。  全身を分厚い黒鉄の鎧で覆い、手には身の丈ほどもある巨大な戦斧を持っている。  顔は鬼のような形相で、口からは二本の牙が天を突くように伸びていた。

【種族:ジェネラルオーガ(スタンピード指揮官)】 
【討伐推奨レベル:60】 
【ドロップアイテム:鬼神の戦斧、剛毅の鎧、覇王の指輪(UR)】

 出た。  今回の騒動の元凶にして、最高の宝箱だ。  レベル60。単体戦力としては、イフリートをも凌ぐ物理特化の怪物だ。  周囲の冒険者たちが、その威圧感に飲まれて足を止める。

「ば、化け物だ……!」 
「あんなの勝てるわけねえ! 退却だ!」

 ジェネラルオーガが大きく息を吸い込み、咆哮した。

 ゴアアアアアアアアアッ!!

 衝撃波を伴う叫び声が、周囲の冒険者たちを吹き飛ばす。  鼓膜が破れそうな音圧だ。  だが、俺たちは一歩も引かない。

「うるさいわね。口臭がキツイわよ、デカブツ」

 サラが盾を地面に突き立て、不敵に笑う。  『絶対防御』の守りの中では、状態異常を伴う咆哮も無効化される。

「マスター、あいつの首、狙いますか?」

 ミオが短剣を逆手に持ち、低い姿勢を取る。

「弱点は見えてます。膝の裏と、脇腹の鎧の隙間です」

 リーナが矢をつがえ、冷静に報告する。  俺のパーティは、この程度の絶望では動じないほどに成長していた。

「ああ、やるぞ。あいつが持っている指輪……『覇王の指輪』は、俺のものだ」

 俺は『炎帝の剣』を正眼に構える。  ジェネラルオーガが俺たちに気づいた。  自分よりも遥かに小さな存在が、逃げもせずに立ち塞がっていることに、苛立ちを覚えたようだ。  奴が戦斧を振り上げる。

「来るぞ。全員、死ぬ気で働け。報酬は山分けだ(ただしドロップ品は除く)」

 俺の言葉に、三人が同時に飛び出す。  戦場を支配するのは、数ではない。  質だ。  最強の装備と、最適なスキルを持った俺たちが、この場のルールだということを教えてやる。
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