『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道

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第24話「将軍級の魔物」

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ジェネラルオーガの巨大な戦斧が、風を切り裂く轟音と共に振り下ろされた。  それは単なる物理攻撃ではない。斧に纏わりついた赤黒いオーラが、破壊のエネルギーを増幅させている。

「サラッ!」 
「分かってる! 【絶対防御】・最大展開ッ!」

 サラが『絶対防御の大盾』を頭上に掲げ、腰を深く落として衝撃に備える。  盾の宝石が眩いほどの光を放ち、分厚い光の障壁を展開した。

 ドォォォォォォォォン!!

 世界が揺れたかのような衝撃。  サラの足元の地面が爆散し、半径十メートル以内の土砂がクレーター状に吹き飛んだ。

「ぐ、ぐゥゥゥゥッ……!!」

 サラの苦悶の声が漏れる。  これまでの戦闘で見せた余裕はない。彼女の膝がガクガクと震え、血管が切れそうなほど筋肉が隆起している。  防御力1500の盾をもってしても、衝撃を完全には殺しきれていないのだ。

「重い……ッ! ふざけんじゃないわよ……山でも降ってきたみたい……!」

 サラの口から鮮血が垂れる。  内臓へのダメージ。  だが、彼女は膝をつかない。意地だけで耐えている。

「よく耐えた! 反撃だ!」

 俺は爆風の中を突っ切る。  ジェネラルオーガは斧を押し込むことに集中しており、側面がガラ空きだ。  俺は『炎帝の剣』に魔力を注ぎ込み、炎の刃を最大出力にして、奴の足の鎧めがけて薙ぎ払った。

 ガガガガッ!  爆発と共に炎が舞うが、黒鉄の鎧は赤熱するだけで砕けない。  硬い。ミスリル以上の硬度だ。

「硬いわね! 私の矢も弾かれる!」

 リーナが連射した矢も、鎧の表面で火花を散らすだけで弾き返される。  関節の隙間を狙っているようだが、奴の動きが予想以上に速く、的確に急所を隠しているのだ。  ただの力馬鹿ではない。こいつは戦いの技術を持っている。

「オオオッ!」

 ジェネラルオーガが斧を引き戻し、今度は横薙ぎに振るった。  範囲攻撃。  サラだけでなく、周囲に展開していたミオや俺も巻き込む軌道だ。

「っ! 【シャドウステップ】!」

 ミオが影に潜って回避する。  俺も【神速の脚】でバックステップし、暴風のような一撃をギリギリで躱す。  だが、回避できないサラは再び盾で受けるしかない。

 ガンッ!  鈍い音がして、サラの体が数メートル弾き飛ばされた。  靴底が地面を削り、火花が散る。

「はぁ、はぁ……あいつ、化け物ね……」

 サラが肩で息をする。  盾を持つ手が微かに震えているのが見えた。  回復スキルがあるとはいえ、このままではジリ貧だ。どこかで決定的な一撃を入れなければ、スタミナ切れで潰される。

 俺は冷静に敵を観察する。  【鑑定】眼を凝らす。  分厚い鎧、強靭な筋肉。  だが、どんな強固な守りにも、必ず「穴」はある。  システムが定めた、絶対の死点。

 奴が斧を構え直した瞬間、鎧の脇腹部分、装甲板が重なり合うわずかな隙間が開いた。  そこだ。  黒い鎧の奥底に、針の先ほどの小さな『赤い点』が明滅している。

 あそこしかない。  だが、位置が高い上に、奴の腕が邪魔で剣が届かない。  奴の体勢を崩し、あの脇腹を無防備に晒させる必要がある。

「サラ、もう一度耐えられるか」 
「……愚問ね。あんたが私の後ろにいる限り、私は倒れないわよ」

 サラが血を拭い、ニカっと笑う。

「ミオ、リーナ、合わせろ。サラが攻撃を受けた直後、奴が一瞬硬直する。そこに全てを叩き込め」 
「分かった!」 
「任せてください!」

 俺は剣を構え直す。  ジェネラルオーガが、トドメとばかりに戦斧を高く振り上げた。  全身の筋肉が膨張し、黒いオーラが最高潮に達する。  来る。最大の一撃が。

「来いッ! 鉄屑野郎!」

 サラが吼える。  同時に、ジェネラルオーガが斧を振り下ろした。  空気の壁が破裂する音。

 ズガァァァァァァァァンッ!!!

 先ほどを上回る衝撃がサラを襲う。  盾がきしみ、サラの足元の地面が陥没する。  だが、サラは叫び声を上げながら、盾をわずかに傾け、斧の刃を強引に滑らせた。  受け流し(パリィ)。  斧が地面に深々と突き刺さり、ジェネラルオーガの体が前のめりになる。

「今だッ!」

 サラの合図。  リーナが放った渾身の一矢が、奴の顔面、兜の隙間にある目に突き刺さった。

「グアッ!?」

 ジェネラルオーガが顔を背ける。  その死角から、ミオが飛び出した。  彼女は突き刺さった斧の柄を駆け上がり、奴の腕の関節を短剣で斬りつけた。  腱が断たれ、奴の腕力が一瞬緩む。

 体勢が崩れた。  奴の脇腹、鎧の隙間が大きく開く。  赤い光が、俺を招いている。

「そこだァッ!」

 俺は地面を蹴った。  爆発的な加速。  俺の体は一直線に、その一点へ向かって突き進む。  ジェネラルオーガが気づいて腕を戻そうとするが、もう遅い。  俺の切っ先は、既に『急所』の目前に迫っていた。
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