『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道

文字の大きさ
25 / 25

第25話(最終話)「ここが俺の居場所」

しおりを挟む
 俺の『炎帝の剣』は、ジェネラルオーガの脇腹――鎧の隙間に露出した『赤い点』に吸い込まれた。  筋肉の抵抗、骨の硬度。それら全てを、剣から噴き出す爆炎と、俺自身の膂力がねじ伏せる。

「貫けッ!」

 ズドォッ!!

 手応えがあった。  剣先が魔力の核を捉え、粉砕した瞬間、ジェネラルオーガの巨体がビクリと痙攣した。  奴の口から漏れようとした咆哮は、体内で暴発した炎によって焼失する。

 次の瞬間、山のような巨体は内側から光を放ち、音もなく崩れ落ちた。  大量の光の粒子が舞い上がり、夜空を煌びやかに彩る。  まるで祝砲のようだった。

 カラン……コロン。

 光の中から現れたのは、巨大な戦斧と鎧、そして指先ほどの小さな金色の輪だった。  俺は息を整える間もなく、その指輪を拾い上げる。

【覇王の指輪】 
【レアリティ:UR】 
【効果:全ステータス+50%、状態異常無効、スキル『威圧』『指揮』を使用可能。装備者は魔物に対して上位存在として認識される】

 全ステータス50%アップ。  ぶっ壊れ性能だ。  俺は迷わずそれを指にはめた。  体中から無限の力が湧いてくる感覚。疲労が一瞬で吹き飛び、精神が研ぎ澄まされる。

「……終わった……の?」

 サラが盾に寄りかかりながら呟く。  指揮官を失ったことで、魔物の群れは統率を失い、蜘蛛の子を散らすように逃げ始めていた。  スタンピードは鎮圧されたのだ。

 城壁の上から、割れんばかりの歓声が沸き起こる。  冒険者たちが帽子を投げ、衛兵たちが槍を掲げて俺たちを称えている。  だが、そんな喧騒は俺にとってはどうでもよかった。

「マスター!」 
「カズヤ!」

 ミオとリーナが駆け寄ってくる。サラもボロボロの体を引きずって歩いてくる。  三人とも泥と血にまみれ、満身創痍だ。  だが、その表情は最高の笑顔だった。

「やりましたね! あの大軍を、本当に私たちだけで……!」 
「信じられない……あんた、本当に化け物を倒しちゃったわね」 
「すごい……。マスターは、やっぱり最強だ」

 彼女たちは俺を取り囲み、興奮冷めやらぬ様子で口々に俺を称賛する。  俺は彼女たちを見回した。  エルフの射手、人間の重戦士、猫人族の斥候。  出会った頃はただの「効率的な手駒」だったが、今の彼女たちは違う。  俺が求めた以上の働きをし、俺の背中を完璧に守り切った「最強のパーティ」だ。

「よくやった。お前たちのおかげだ」

 俺が短く労うと、三人は顔を見合わせ、照れくさそうに笑った。

 ふと、視界の端で光が瞬いた気がした。  女神だ。  最初に俺をここに送った、あの銀髪の女神が一瞬だけ見えた気がした。  彼女は何かを言うわけでもなく、ただ満足げに微笑んで、すぐに消えた。  『貴方の物語を期待しています』  あの時の言葉を思い出す。

 元の世界へ戻る道はない。  だが、戻りたいとも思わない。  あちらの世界で、俺はただの歯車だった。  だが、ここでは違う。  欲しいものは力で奪い取れる。理不尽な運命も、確定ドロップという理(ことわり)でねじ伏せられる。

 俺は自分の手を見る。  『剛力の腕輪』、『炎帝の剣』、そして『覇王の指輪』。  数々の伝説級装備が、俺の体を飾っている。  そして周囲には、俺を絶対的に信頼し、愛してくれる優秀な女たちがいる。

 ここが、俺の居場所だ。

「帰るぞ。今日は最高級の宿で祝宴だ。代金はギルド持ちだ」 
「やったー! お肉! お肉食べたい!」 
「私はお酒ね! 高いワイン開けてやるわ!」 
「お風呂に入りたいです……。汗と返り血でベタベタですから」

 騒がしい仲間たちを引き連れ、俺は凱旋する。  まだ見ぬ大地には、もっと強力な魔物が、もっと希少なアイテムが眠っているはずだ。  それら全てを手に入れるまで、俺の冒険は終わらない。

 俺はニヤリと笑い、この世界で生きていく覚悟を新たにした。  最強の装備と、最高の仲間と共に。



(了)
しおりを挟む
感想 6

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(6件)

ケンティ
2026.01.20 ケンティ

これからも頑張ってくださいめちゃくちゃおもろいです

解除
八神 風
2026.01.09 八神 風

岩も切れる
  斬れるのか

ドロップした時に試し斬りで岩斬ってるのに
この発言ってw

解除
八神 風
2026.01.09 八神 風

ここが通行止めよ
ここで
ここは

解除

あなたにおすすめの小説

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

異世界に召喚されたら職業がストレンジャー(異邦”神”)だった件【改訂版】

ぽて
ファンタジー
 異世界にクラスごと召喚された龍司だったが、職業はただの『旅人』?  案の定、異世界の王族貴族たちに疎まれて冷遇されていたのだが、本当の職業は神様!? でも一般人より弱いぞ、どゆこと?  そんな折に暗殺されかけた挙句、どさくさに紛れてダンジョンマスターのシータにプロポーズされる。彼女とともに国を出奔した龍司は、元の世界に戻る方法を探すための旅をはじめた。……草刈りに精を出しながら。 「小説家になろう」と「ノベルバ」にも改定前版を掲載中です。

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

【完結】魔術師なのはヒミツで薬師になりました

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 ティモシーは、魔術師の少年だった。人には知られてはいけないヒミツを隠し、薬師(くすし)の国と名高いエクランド国で薬師になる試験を受けるも、それは年に一度の王宮専属薬師になる試験だった。本当は普通の試験でよかったのだが、見事に合格を果たす。見た目が美少女のティモシーは、トラブルに合うもまだ平穏な方だった。魔術師の組織の影がちらつき、彼は次第に大きな運命に飲み込まれていく……。

冤罪で山に追放された令嬢ですが、逞しく生きてます

里見知美
ファンタジー
王太子に呪いをかけたと断罪され、神の山と恐れられるセントポリオンに追放された公爵令嬢エリザベス。その姿は老婆のように皺だらけで、魔女のように醜い顔をしているという。 だが実は、誰にも言えない理由があり…。 ※もともとなろう様でも投稿していた作品ですが、手を加えちょっと長めの話になりました。作者としては抑えた内容になってるつもりですが、流血ありなので、ちょっとエグいかも。恋愛かファンタジーか迷ったんですがひとまず、ファンタジーにしてあります。 全28話で完結。

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。