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国王陛下に王妃陛下。そして王太子殿下という錚々たる顔ぶれを前に怯えることなく、というか、国王陛下を怯ませながら事と次第を確認する令嬢に、護衛騎士達も驚きを隠せない。
「……まずは久方振りであるな。ナディージュ・シャリエ伯爵令嬢」
「あら。腹が立つあまりご挨拶ができておらず大変失礼をいたしました。
ナディージュ・シャリエ、只今戻りました。両陛下にお目もじ仕り、光栄でございます」
美しいカーテシーで恭しく挨拶する様はしっかりと淑女教育を受けた令嬢だ。
「それで先程の質問の答えは頂けますでしょうか」
口さえ開かなければ。
普通の令嬢は間違っても王太子殿下に求婚されて腹が立つとは言わないし、国王陛下に向かってさっさと弁明しろと圧を掛けたりはしない。
「んん゙っ、ナディージュ嬢は婚約者はいないのだな?」
「はい。オリアーヌ・カルノー公爵令嬢、ペトロニーユ・リサジュー侯爵令嬢と同じでございます」
「ぐっ、……バスチアンとは同い年で気心も知れていよう」
「どうでしょうか。殿下は6歳で出会った幼少の頃から、同じ学園に通っていた17歳まで、一貫して私を小馬鹿にしておられました。
まあ、どれだけ貶そうがへこたれない所がお気に召していたのかもしれませんわね」
あ、好きな女の子には素直になれない男子か。
護衛騎士は思わず恋に不器用な殿下に生温かい視線を向け、心の距離が(一方的に)縮まった。
だが、バスチアンとしては自分の黒歴史を両親に暴露され心穏やかでない。
「どうしてお前はそういうことを平気で口にするのだっ!」
「今が告げ口のチャンスだからですよ?」
シレッと言ってのける令嬢の心臓は確かにオリハルコン製かもしれない。
謁見の間にいる人達の心がひとつになった瞬間だった。
「……まずは久方振りであるな。ナディージュ・シャリエ伯爵令嬢」
「あら。腹が立つあまりご挨拶ができておらず大変失礼をいたしました。
ナディージュ・シャリエ、只今戻りました。両陛下にお目もじ仕り、光栄でございます」
美しいカーテシーで恭しく挨拶する様はしっかりと淑女教育を受けた令嬢だ。
「それで先程の質問の答えは頂けますでしょうか」
口さえ開かなければ。
普通の令嬢は間違っても王太子殿下に求婚されて腹が立つとは言わないし、国王陛下に向かってさっさと弁明しろと圧を掛けたりはしない。
「んん゙っ、ナディージュ嬢は婚約者はいないのだな?」
「はい。オリアーヌ・カルノー公爵令嬢、ペトロニーユ・リサジュー侯爵令嬢と同じでございます」
「ぐっ、……バスチアンとは同い年で気心も知れていよう」
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まあ、どれだけ貶そうがへこたれない所がお気に召していたのかもしれませんわね」
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「どうしてお前はそういうことを平気で口にするのだっ!」
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謁見の間にいる人達の心がひとつになった瞬間だった。
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