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第2章 宿敵の家の当主を妻に貰ってから
第38話 穏やかな日々
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太陽も登りきる頃、執務室の机に座って書類を片付ける。シアと籍を入れてからというもの、生活が激変するかと思いきやそんなことはなかった。相変わらず朝は剣の訓練、それ以降は少し時間があれば領地に関する仕事をこなすだけだ。補佐についてくれているジルさんもいるから仕事をする時間なんてほんの僅かではあるんだけど。
一方で、屋敷に住むことになったシアは昼間はアークゲート家に行っていることがほとんどだ。俺と違って彼女は大貴族の当主だし、仕事量だって俺なんかの比ではないからだ。南のフォルス領と北のアークゲート領を行き来するのは大変かと最初は思ったんだけど、ゲートの魔法で移動時間は無いに等しいから気にならないんだとか。
「隣の部屋に行くようなものですよ」というシアの言葉を聞いて、なるほどなって思ったくらいだ。ちなみに夜は俺の屋敷に戻ってくるから一緒に夕餉の時間は過ごすし、そうでなくてもお互いに仕事が休みの日はゆっくりと過ごしたりする。
その……もちろん夜もだ。どっちから言ったとかじゃなくて、自然に同じ寝室を使うようになっていた。まぁつまり、シアとの仲は相変わらず良いってことで。
「旦那様、こちらが最後の書類です」
「……早いなぁ」
専属侍女から渡された最後の書類を受け取る。ターニャは俺がシアと籍を入れた後も継続して専属の地位にいてもらっている。この屋敷を統括するような立ち位置だ。彼女はシアと元々面識があったから関係性も悪くはない。俺よりも先にシアに会っていたっていうのはちょっと悔しいけど。
そういったわけで、何かが大きく変わったわけじゃない。環境も、仕事も、周りの人も変わらない中で、それらに何の影響も与えることなくシアがすっと入って来てくれた感じだ。
ターニャから渡された書類に目を通して、内容に問題がないために印を押して彼女に返す。これで今日の仕事は終了、相変わらず短かった。
なんとなく気分で腕を伸ばして伸びをしたけど、そこまで長時間仕事を頑張ったわけじゃないから背筋が伸びる感覚もあまりなかった。
「お疲れさまでした、旦那様」
「ターニャもね」
「私は書類を渡していただけですので」
ニコリと笑った彼女はポケットから小さな紙を取り出し、目を通す。
「奥様は今日も夜には帰ってきますね。この後は特に予定はありませんし、とりあえず昼食を済ませて、また剣の稽古でもしますか? ……あぁ、そうでした」
暇な一日の予定を伝えてくれていたターニャは不意に声を上げて部屋を出て行く。首を傾げて彼女が出て行った扉を見ていると、しばらくして再び扉が開き、戻ってきた。
ターニャの手には一通の手紙。
「大旦那様の屋敷のローエンさんからです。ソニアちゃんの手紙ですね」
「……ソニアちゃんの?」
頭に灰色の髪をした小さなメイドの事を思い浮かべる。実家で一度だけ会話をしたけど、もしかしたら何かあったのか。
ターニャから手紙を受け取って開く。書かれた文字は丸っこくて、小さくて、ソニアちゃんの性格を表しているように思えた。目を通してみれば俺が思ったようなことは一切なくて、ローエンさんに伝えてくれたことを純粋に感謝しているようだった。
それまでは仕事がいっぱいで大変だったけど、今は余裕をもって楽しく出来ているようだ。言葉の節々に喜んでいる様子が現れていて、つい笑みがこぼれた。
「彼女は元気にやっていそうですか?」
「あぁ……楽しそうなことばかり書いてあるよ」
「それは良かったです。ローエンさんに言った甲斐がありましたね」
「小さなことだとは思うけど、それでここまで喜んでくれるなら俺も嬉しいかな」
椅子の斜め後ろに立って微笑むターニャに笑いかける。再び手紙に視線を落として最後まで読んでみても、文字からソニアちゃんの笑顔が浮かんでくるくらいだ。そして手紙の最後には、「ソニア」という文字で締めくくられていた。
三文字を目にして、俺はふと思う。背後に立つターニャに目線を向けて声をかけた。
「ソニアちゃんって、どんな子なのか知ってる?」
同じメイドの立場であるターニャなら知っているかと思って声をかけたけど、ターニャは首を横に振った。
「いえ、少なくとも大旦那様の屋敷にいる時にはいなかった筈です。彼女ほど小さい子が働いていれば、いくらあの広い屋敷でも目に付くと思いますので」
「やっぱりそうか……」
父上の屋敷でソニアちゃんの事を知ったとき、ターニャもあまり親しくない様子だったからもしかしたらと思ったけど、俺が実家を出た後に雇われた子ってことか。
手紙の最後に書かれた文字もソニアだけだし、家名が無いということは書きたくないとか? いや、考えすぎか。単純にソニアちゃんくらいの子なら家名を書かないこともあるだろう。
「……でも、なんで雇ったんだろうな。弟や妹が出来たなんて聞いてないし」
「……確かに不思議ですね。大旦那様のお子がまだ小さければ専属侍女として雇うことはありますが、彼女は一般的な侍女のようですし」
自分自身がその立場だったターニャも不思議そうな顔をしている。じっと彼女の顔を見てみたけど、本当に不思議そうな顔だ。少なくとも以前のシアの話のように、何かを知っていそうな様子はない。
しばらくそうしてじっと見ていると、ターニャは溜息をついて苦笑いをした。
「あの……旦那様、本当に知りませんよ。この屋敷の事ならともかく、あの忌々しい屋敷の事までは管轄外です」
「……な、なんのことやら」
どうやら見すぎて感づかれたようだ。あんまり慣れないことはするべきじゃないなと思った。一方でターニャはまったく気にしていない様子で、指を顎において何かを考えていた。
「あー、でも奥様なら何か知っているかもしれません。知らなくても頼めばすぐに調べてくれると思いますよ」
あっけからんとそんなことを言うターニャ。確かにシアの凄さはここ最近分かっていることだし、何でもできる彼女ならソニアの過去とかも分かりそうだ。
「いや、流石にそこまではいいよ。ちょっと気になっただけだし」
けどソニアちゃんについてちょっと気になっただけで、わざわざシアに頼んでまで調べてもらうようなつもりはなかった。というか、調べてもらったとしても結果は大したことじゃないだろうし、そのためにシアの力を使いたくはない。探られるソニアちゃんとしてもいい気分じゃないだろう。
ただ……まあ気になることと言えば。
「家名はなんなんだろうな。いや、別にソニアちゃんって呼ぶからいいんだけどさ」
「あ、それならガーディらしいですよ。手紙の入っていた封筒に、ローエンさんの名前の横に小さく書かれていました」
「……そうだったのね」
なるほど、彼女の名前はソニア・ガーディというらしい。ガーディという家名は聞いたことがないけど。
こうして俺のちょっとした気になることは、あっさりとターニャによって解消されてしまった。
「……どうせなら返事の手紙を書くか」
簡潔ではあるけど、ソニアちゃんの状況を聞けて良かったということと、何かあれば何でも言ってね、という旨を書き記して小さな封筒に詰める。宛先を書いてターニャへと渡すと、彼女はにっこりと微笑んだ。
「しっかりとローエンさんに渡しますね」
そう言ってターニャがポケットに手紙を仕舞うのを見て、俺は立ち上がる。一仕事終えてちょうど腹も減ってきた。昼食を食べるのには良い時間帯かな。
窓から入り込む強い日差しを感じながら、ターニャの後を追うように俺は自分の執務室を後にした。
一方で、屋敷に住むことになったシアは昼間はアークゲート家に行っていることがほとんどだ。俺と違って彼女は大貴族の当主だし、仕事量だって俺なんかの比ではないからだ。南のフォルス領と北のアークゲート領を行き来するのは大変かと最初は思ったんだけど、ゲートの魔法で移動時間は無いに等しいから気にならないんだとか。
「隣の部屋に行くようなものですよ」というシアの言葉を聞いて、なるほどなって思ったくらいだ。ちなみに夜は俺の屋敷に戻ってくるから一緒に夕餉の時間は過ごすし、そうでなくてもお互いに仕事が休みの日はゆっくりと過ごしたりする。
その……もちろん夜もだ。どっちから言ったとかじゃなくて、自然に同じ寝室を使うようになっていた。まぁつまり、シアとの仲は相変わらず良いってことで。
「旦那様、こちらが最後の書類です」
「……早いなぁ」
専属侍女から渡された最後の書類を受け取る。ターニャは俺がシアと籍を入れた後も継続して専属の地位にいてもらっている。この屋敷を統括するような立ち位置だ。彼女はシアと元々面識があったから関係性も悪くはない。俺よりも先にシアに会っていたっていうのはちょっと悔しいけど。
そういったわけで、何かが大きく変わったわけじゃない。環境も、仕事も、周りの人も変わらない中で、それらに何の影響も与えることなくシアがすっと入って来てくれた感じだ。
ターニャから渡された書類に目を通して、内容に問題がないために印を押して彼女に返す。これで今日の仕事は終了、相変わらず短かった。
なんとなく気分で腕を伸ばして伸びをしたけど、そこまで長時間仕事を頑張ったわけじゃないから背筋が伸びる感覚もあまりなかった。
「お疲れさまでした、旦那様」
「ターニャもね」
「私は書類を渡していただけですので」
ニコリと笑った彼女はポケットから小さな紙を取り出し、目を通す。
「奥様は今日も夜には帰ってきますね。この後は特に予定はありませんし、とりあえず昼食を済ませて、また剣の稽古でもしますか? ……あぁ、そうでした」
暇な一日の予定を伝えてくれていたターニャは不意に声を上げて部屋を出て行く。首を傾げて彼女が出て行った扉を見ていると、しばらくして再び扉が開き、戻ってきた。
ターニャの手には一通の手紙。
「大旦那様の屋敷のローエンさんからです。ソニアちゃんの手紙ですね」
「……ソニアちゃんの?」
頭に灰色の髪をした小さなメイドの事を思い浮かべる。実家で一度だけ会話をしたけど、もしかしたら何かあったのか。
ターニャから手紙を受け取って開く。書かれた文字は丸っこくて、小さくて、ソニアちゃんの性格を表しているように思えた。目を通してみれば俺が思ったようなことは一切なくて、ローエンさんに伝えてくれたことを純粋に感謝しているようだった。
それまでは仕事がいっぱいで大変だったけど、今は余裕をもって楽しく出来ているようだ。言葉の節々に喜んでいる様子が現れていて、つい笑みがこぼれた。
「彼女は元気にやっていそうですか?」
「あぁ……楽しそうなことばかり書いてあるよ」
「それは良かったです。ローエンさんに言った甲斐がありましたね」
「小さなことだとは思うけど、それでここまで喜んでくれるなら俺も嬉しいかな」
椅子の斜め後ろに立って微笑むターニャに笑いかける。再び手紙に視線を落として最後まで読んでみても、文字からソニアちゃんの笑顔が浮かんでくるくらいだ。そして手紙の最後には、「ソニア」という文字で締めくくられていた。
三文字を目にして、俺はふと思う。背後に立つターニャに目線を向けて声をかけた。
「ソニアちゃんって、どんな子なのか知ってる?」
同じメイドの立場であるターニャなら知っているかと思って声をかけたけど、ターニャは首を横に振った。
「いえ、少なくとも大旦那様の屋敷にいる時にはいなかった筈です。彼女ほど小さい子が働いていれば、いくらあの広い屋敷でも目に付くと思いますので」
「やっぱりそうか……」
父上の屋敷でソニアちゃんの事を知ったとき、ターニャもあまり親しくない様子だったからもしかしたらと思ったけど、俺が実家を出た後に雇われた子ってことか。
手紙の最後に書かれた文字もソニアだけだし、家名が無いということは書きたくないとか? いや、考えすぎか。単純にソニアちゃんくらいの子なら家名を書かないこともあるだろう。
「……でも、なんで雇ったんだろうな。弟や妹が出来たなんて聞いてないし」
「……確かに不思議ですね。大旦那様のお子がまだ小さければ専属侍女として雇うことはありますが、彼女は一般的な侍女のようですし」
自分自身がその立場だったターニャも不思議そうな顔をしている。じっと彼女の顔を見てみたけど、本当に不思議そうな顔だ。少なくとも以前のシアの話のように、何かを知っていそうな様子はない。
しばらくそうしてじっと見ていると、ターニャは溜息をついて苦笑いをした。
「あの……旦那様、本当に知りませんよ。この屋敷の事ならともかく、あの忌々しい屋敷の事までは管轄外です」
「……な、なんのことやら」
どうやら見すぎて感づかれたようだ。あんまり慣れないことはするべきじゃないなと思った。一方でターニャはまったく気にしていない様子で、指を顎において何かを考えていた。
「あー、でも奥様なら何か知っているかもしれません。知らなくても頼めばすぐに調べてくれると思いますよ」
あっけからんとそんなことを言うターニャ。確かにシアの凄さはここ最近分かっていることだし、何でもできる彼女ならソニアの過去とかも分かりそうだ。
「いや、流石にそこまではいいよ。ちょっと気になっただけだし」
けどソニアちゃんについてちょっと気になっただけで、わざわざシアに頼んでまで調べてもらうようなつもりはなかった。というか、調べてもらったとしても結果は大したことじゃないだろうし、そのためにシアの力を使いたくはない。探られるソニアちゃんとしてもいい気分じゃないだろう。
ただ……まあ気になることと言えば。
「家名はなんなんだろうな。いや、別にソニアちゃんって呼ぶからいいんだけどさ」
「あ、それならガーディらしいですよ。手紙の入っていた封筒に、ローエンさんの名前の横に小さく書かれていました」
「……そうだったのね」
なるほど、彼女の名前はソニア・ガーディというらしい。ガーディという家名は聞いたことがないけど。
こうして俺のちょっとした気になることは、あっさりとターニャによって解消されてしまった。
「……どうせなら返事の手紙を書くか」
簡潔ではあるけど、ソニアちゃんの状況を聞けて良かったということと、何かあれば何でも言ってね、という旨を書き記して小さな封筒に詰める。宛先を書いてターニャへと渡すと、彼女はにっこりと微笑んだ。
「しっかりとローエンさんに渡しますね」
そう言ってターニャがポケットに手紙を仕舞うのを見て、俺は立ち上がる。一仕事終えてちょうど腹も減ってきた。昼食を食べるのには良い時間帯かな。
窓から入り込む強い日差しを感じながら、ターニャの後を追うように俺は自分の執務室を後にした。
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