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第2章 宿敵の家の当主を妻に貰ってから
第69話 彼女をここには置いておけない
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「父上、ノヴァです。失礼します」
執務室の扉を乱暴にノックして、部屋の扉を開ける。返事の言葉を聞いている暇なんてなかった。
中に入れば父上は執務机のところにいて、ゆっくりと俺の方を見る。
「父……上?」
疲れ切った表情に、少しやせたように見える顔。俺が小さい頃に恐れていた厳格な父上の姿は、そこには欠片も無くなっていた。
「あぁ、ノヴァか……アークゲートの当主様が来ていることは感じていたのだが、顔を出せなくてすまない。最近、少し体調が悪くてな」
そう言って笑う父上には、どこか力を感じられなかった。
今の父上の様子には少し驚いたけど、それは一旦置いて一歩前に出る。
「父上、今日は話があってきました。この屋敷で雇っているソニアという名前のメイドを、俺の屋敷に連れていきたいんです」
「…………」
音を立てて、父上が握っていたペンが机に落ちた。さっきまでは疲れた顔をしていた彼は、今は目を大きく見開いて俺を見ている。
「……な、なぜ?」
「父上?」
「なぜ……彼女を?」
様子がおかしいけど、理由を説明することにした。
「……理由は、この屋敷はソニアちゃんを苦しめるからです。多数のメイドからは虐められ、仕事を押し付けられ、ローエンさんの助けがあっても改善がしないくらいまで追いつめられていました。今、彼女は倒れて俺の部屋で休んでいます。
正直、こんな劣悪な環境にソニアちゃんを置いておくことは出来ない」
「待て……待ってくれ……ローエン……ローエンどうなっている?」
俺の説明に対して、父上は縋るような視線をローエンさんに送った。ローエンさんは頭を深く下げて、返事をする。
「申し訳ありません旦那様。ゼロード様に口止めされ、言えませんでした」
「ゼロード……に?」
「彼はメイド達にソニア達を虐めさせただけではなく、私に旦那様や奥様への報告を禁じました。もしも破れば、当主になった暁には私とソニアを苦しめるという強迫付きで」
「ゼロードが……馬鹿な……なぜ……なぜあの子なのだ……馬鹿者……あれほど……あれほど……」
頭を抱える父上は、うわごとのように何かを呟いている。
「ローエン……なぜ報告してくれなかった? もし報告してくれたらこんなことになる前に私が――」
恨めしそうにローエンさんを見る父上は、けど途中で言葉を切った。何かに気づいたように目を見開いて、息を吐く。背もたれに体を預ける様子は、観念したようにも思えた。
「……いや、お前がそんな状態になっていることに今更気づくような私に、話せるはずもないか。もしかしたら、もっと前に私はお前からの信頼を失っていたのかもしれないな。本当に、馬鹿者だったか」
「……旦那……様」
失意の中での「馬鹿者」という呟きは、ゼロードの兄上ではなく父上自身に言っているように思えた。
シアが一歩前に出る。
「トラヴィス義父様、メイドであるソニアの環境改善が出来なかった以上、改善が出来る者に任せるのが道理です。さらにあなたはゼロード・フォルスの暴走を止めることはおろか、認知することすらできなかった。ソニアをノヴァさんの屋敷に移すことの正当な理由だと私は考えます。同意していただけますね?」
「……あなたほどの人ならば、こんなことにはならなかったのでしょうな」
「実際にこういった状況になっていないので分かりませんが、そもそもこういった状況を引き起こさせないために行動したはずです」
「……そう……ですか……」
大きく息を吐いた父上は、ゆっくりと、けどはっきりと頷いた。
「……ああ……わかった」
「……感謝します、父上」
頭を下げて、部屋を出るために踵を返す。その時に見た父上の表情は相変わらず疲れ切っていたけど、全てが終わったかのような、そんな表情をしていた。
×××
フォルス家の屋敷の俺の部屋へと戻ってくれば、ターニャ達による措置はもう終わっていて、彼女達はソニアの周りに集まっていた。部屋の脇には纏められた荷物もあって、きっとターニャ達がソニアの荷物を纏めておいてくれたんだろう。
「旦那様、どうなりましたか?」
「父上に話して、ソニアちゃんを俺の屋敷に連れていくことにしたよ。彼女は俺の屋敷で雇う。皆は彼女をフォローしてあげて欲しい」
「もちろんです。あ、ソニアちゃんの荷物はそちらに纏めてあります」
「ありがとう」
「ノヴァさん、いつまでもここにいる必要もありませんし、ノヴァさんの屋敷に向かいましょう。ソニアちゃんを寝かせるならそっちでいい筈です」
「そうだね」
シアの言葉に頷くと、彼女はすぐにゲートの魔法の準備に取り掛かってくれる。俺はベッドに近づいて、ソニアちゃんの軽い体を持ち上げた。
開いたゲートへと近づく途中で、ローエンさんが寄ってくる。
「ノヴァ様……今回は本当にありがとうございました。ソニアのこと、よろしくお願いします」
「……ローエンさん」
深く頭を下げるローエンさんの名前を呼んだ時、腕の中でソニアちゃんが身じろいだ。
「……んっ」
「ソニアちゃん!?」
「ソニア!?」
俺とローエンさんが呼びかけると、ソニアちゃんはゆっくりと目を開けた。俺とローエンさんの顔を見るけど、まだ意識がぼんやりしているようだ。
「ノヴァ様と……ローエン……さん?」
「ソニアちゃん、もう大丈夫。こんな場所にいなくていいからね。これからは俺の屋敷で楽しく過ごしてほしい」
「そうですソニア……ノヴァ様の屋敷なら大丈夫です……もう、大丈夫……」
「…………」
俺とローエンさんの言っていることが分かったのか、少しだけ安心した笑みを浮かべるソニアちゃん。彼女は頭を動かしてローエンさんを見た。
「ローエンさん……」
「ソニア……本当にすまない……私がもっと早くノヴァ様に連絡をしていればこんなことには……本当に、すまなかった!」
「大丈夫……です」
頭を深く下げるローエンさんにソニアちゃんは返事をする。
ゆっくりと頭をあげた彼にソニアちゃんは微笑みかけた。
「ローエンさんは私を手伝ってくれましたし、私を守ろうとしてくれたのも知っています。だから大丈夫です……ありがとうございます、ローエンさん」
「……ソニア」
ローエンさんは今回、間違えたかもしれない。けど彼が助けたいと思った気持ちは助けたかったソニアちゃんには、十分すぎる程届いていたみたいだ。
「……ノヴァ様……ソニアを、よろしくお願いします」
「ああ、分かった」
もう一度念押しされてはっきりと頷く。ソニアちゃんを抱えて、俺は黄金のゲートを潜り抜けた。
ゲートを潜り抜ければそこは屋敷の中で、すぐにターニャに案内されて空いている部屋へ行く。誰も使っていない部屋のベッドにソニアちゃんを横にさせると、彼女はお礼を言うよりも早く眠りについてしまった。
きっとローエンさんに感謝の言葉を伝えたいから、気合で起きたんだろう。小さいけど凄い子だなって、そう思った。
「旦那様、ソニアちゃんは私が見ていますので」
「いや、今日だけは俺も見ているよ。ちょっと苦しそうだし」
ベッドに眠るソニアちゃんは安らかな表情をしているけど、さっきまで倒れるくらいの状態だったんだ。いつ苦しんでもおかしくない。せめて今日くらいは一緒にいてあげたかった。
肩に感触を感じて顔だけを振り返ると、シアが心配そうな目で俺を見ていた。
「ノヴァさん……あまり無理しないでくださいね」
「ああ、ありがとう……大丈夫だよ」
「……ちょっと色々片付けたり、準備してきますね」
「うん」
そう言って、シアは部屋から出て行った。あの様子を見るに、彼女も俺に付き合ってくれるってことだろう。
優しい彼女に感謝して、ソニアちゃんの手を強く握った。
執務室の扉を乱暴にノックして、部屋の扉を開ける。返事の言葉を聞いている暇なんてなかった。
中に入れば父上は執務机のところにいて、ゆっくりと俺の方を見る。
「父……上?」
疲れ切った表情に、少しやせたように見える顔。俺が小さい頃に恐れていた厳格な父上の姿は、そこには欠片も無くなっていた。
「あぁ、ノヴァか……アークゲートの当主様が来ていることは感じていたのだが、顔を出せなくてすまない。最近、少し体調が悪くてな」
そう言って笑う父上には、どこか力を感じられなかった。
今の父上の様子には少し驚いたけど、それは一旦置いて一歩前に出る。
「父上、今日は話があってきました。この屋敷で雇っているソニアという名前のメイドを、俺の屋敷に連れていきたいんです」
「…………」
音を立てて、父上が握っていたペンが机に落ちた。さっきまでは疲れた顔をしていた彼は、今は目を大きく見開いて俺を見ている。
「……な、なぜ?」
「父上?」
「なぜ……彼女を?」
様子がおかしいけど、理由を説明することにした。
「……理由は、この屋敷はソニアちゃんを苦しめるからです。多数のメイドからは虐められ、仕事を押し付けられ、ローエンさんの助けがあっても改善がしないくらいまで追いつめられていました。今、彼女は倒れて俺の部屋で休んでいます。
正直、こんな劣悪な環境にソニアちゃんを置いておくことは出来ない」
「待て……待ってくれ……ローエン……ローエンどうなっている?」
俺の説明に対して、父上は縋るような視線をローエンさんに送った。ローエンさんは頭を深く下げて、返事をする。
「申し訳ありません旦那様。ゼロード様に口止めされ、言えませんでした」
「ゼロード……に?」
「彼はメイド達にソニア達を虐めさせただけではなく、私に旦那様や奥様への報告を禁じました。もしも破れば、当主になった暁には私とソニアを苦しめるという強迫付きで」
「ゼロードが……馬鹿な……なぜ……なぜあの子なのだ……馬鹿者……あれほど……あれほど……」
頭を抱える父上は、うわごとのように何かを呟いている。
「ローエン……なぜ報告してくれなかった? もし報告してくれたらこんなことになる前に私が――」
恨めしそうにローエンさんを見る父上は、けど途中で言葉を切った。何かに気づいたように目を見開いて、息を吐く。背もたれに体を預ける様子は、観念したようにも思えた。
「……いや、お前がそんな状態になっていることに今更気づくような私に、話せるはずもないか。もしかしたら、もっと前に私はお前からの信頼を失っていたのかもしれないな。本当に、馬鹿者だったか」
「……旦那……様」
失意の中での「馬鹿者」という呟きは、ゼロードの兄上ではなく父上自身に言っているように思えた。
シアが一歩前に出る。
「トラヴィス義父様、メイドであるソニアの環境改善が出来なかった以上、改善が出来る者に任せるのが道理です。さらにあなたはゼロード・フォルスの暴走を止めることはおろか、認知することすらできなかった。ソニアをノヴァさんの屋敷に移すことの正当な理由だと私は考えます。同意していただけますね?」
「……あなたほどの人ならば、こんなことにはならなかったのでしょうな」
「実際にこういった状況になっていないので分かりませんが、そもそもこういった状況を引き起こさせないために行動したはずです」
「……そう……ですか……」
大きく息を吐いた父上は、ゆっくりと、けどはっきりと頷いた。
「……ああ……わかった」
「……感謝します、父上」
頭を下げて、部屋を出るために踵を返す。その時に見た父上の表情は相変わらず疲れ切っていたけど、全てが終わったかのような、そんな表情をしていた。
×××
フォルス家の屋敷の俺の部屋へと戻ってくれば、ターニャ達による措置はもう終わっていて、彼女達はソニアの周りに集まっていた。部屋の脇には纏められた荷物もあって、きっとターニャ達がソニアの荷物を纏めておいてくれたんだろう。
「旦那様、どうなりましたか?」
「父上に話して、ソニアちゃんを俺の屋敷に連れていくことにしたよ。彼女は俺の屋敷で雇う。皆は彼女をフォローしてあげて欲しい」
「もちろんです。あ、ソニアちゃんの荷物はそちらに纏めてあります」
「ありがとう」
「ノヴァさん、いつまでもここにいる必要もありませんし、ノヴァさんの屋敷に向かいましょう。ソニアちゃんを寝かせるならそっちでいい筈です」
「そうだね」
シアの言葉に頷くと、彼女はすぐにゲートの魔法の準備に取り掛かってくれる。俺はベッドに近づいて、ソニアちゃんの軽い体を持ち上げた。
開いたゲートへと近づく途中で、ローエンさんが寄ってくる。
「ノヴァ様……今回は本当にありがとうございました。ソニアのこと、よろしくお願いします」
「……ローエンさん」
深く頭を下げるローエンさんの名前を呼んだ時、腕の中でソニアちゃんが身じろいだ。
「……んっ」
「ソニアちゃん!?」
「ソニア!?」
俺とローエンさんが呼びかけると、ソニアちゃんはゆっくりと目を開けた。俺とローエンさんの顔を見るけど、まだ意識がぼんやりしているようだ。
「ノヴァ様と……ローエン……さん?」
「ソニアちゃん、もう大丈夫。こんな場所にいなくていいからね。これからは俺の屋敷で楽しく過ごしてほしい」
「そうですソニア……ノヴァ様の屋敷なら大丈夫です……もう、大丈夫……」
「…………」
俺とローエンさんの言っていることが分かったのか、少しだけ安心した笑みを浮かべるソニアちゃん。彼女は頭を動かしてローエンさんを見た。
「ローエンさん……」
「ソニア……本当にすまない……私がもっと早くノヴァ様に連絡をしていればこんなことには……本当に、すまなかった!」
「大丈夫……です」
頭を深く下げるローエンさんにソニアちゃんは返事をする。
ゆっくりと頭をあげた彼にソニアちゃんは微笑みかけた。
「ローエンさんは私を手伝ってくれましたし、私を守ろうとしてくれたのも知っています。だから大丈夫です……ありがとうございます、ローエンさん」
「……ソニア」
ローエンさんは今回、間違えたかもしれない。けど彼が助けたいと思った気持ちは助けたかったソニアちゃんには、十分すぎる程届いていたみたいだ。
「……ノヴァ様……ソニアを、よろしくお願いします」
「ああ、分かった」
もう一度念押しされてはっきりと頷く。ソニアちゃんを抱えて、俺は黄金のゲートを潜り抜けた。
ゲートを潜り抜ければそこは屋敷の中で、すぐにターニャに案内されて空いている部屋へ行く。誰も使っていない部屋のベッドにソニアちゃんを横にさせると、彼女はお礼を言うよりも早く眠りについてしまった。
きっとローエンさんに感謝の言葉を伝えたいから、気合で起きたんだろう。小さいけど凄い子だなって、そう思った。
「旦那様、ソニアちゃんは私が見ていますので」
「いや、今日だけは俺も見ているよ。ちょっと苦しそうだし」
ベッドに眠るソニアちゃんは安らかな表情をしているけど、さっきまで倒れるくらいの状態だったんだ。いつ苦しんでもおかしくない。せめて今日くらいは一緒にいてあげたかった。
肩に感触を感じて顔だけを振り返ると、シアが心配そうな目で俺を見ていた。
「ノヴァさん……あまり無理しないでくださいね」
「ああ、ありがとう……大丈夫だよ」
「……ちょっと色々片付けたり、準備してきますね」
「うん」
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