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第2章 宿敵の家の当主を妻に貰ってから
第72話 彼女が今、幸せなら
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その日は全ての事を前倒しで終わらせた。
朝まで起きていて、疲れが抜けきっていなかったからだ。
朝の内に実家の方にゼロードの兄上とカイラスの兄上を集めてくれるように父上に頼もうとしたら、シアが代わりに届けてくれた。父上は特に何かを言うことなく了承して、日時が決まれば連絡してくれるらしい。意外とあっさり決まって、少し拍子抜けしたくらいだ。
その後は仕事を素早く終わらせて、剣の稽古も軽くではあるけどしっかりとやって、シアと事前に軽く打ち合わせた通りに早めの夕食を食べた。
朝の俺達の会話を聞いていたからか、ターニャが向けてくる目線も決意に満ちたものになっている。
そうして一日を終えた俺はシアと一緒に疲れた体で自室のテーブルについた。シアも本を読みつつも少し眠そうにしているし、寝間着姿にも着替えている。それは俺も同じだ。
「……ねえシア、実は話しておきたいことがあったんだ」
「なんでしょう?」
本から目線を俺に向けて、シアは首を傾げる。本当は昨日の夜に伝えておきたかったことを、今ここで伝えておきたかった。
「昨日の昼間の事だけど、ナタさんに作ってもらった機器でアークゲート家に行ったとき、オーロラちゃんに会ったんだ。そこでシアにティアラとのことが気付かれていたことを話した。
……で、そのあとで、オーロラちゃんが話してくれたんだ。彼女と……シアの母親の事を」
「……そうでしたか」
ソニアちゃんの件がなければすぐに伝えるつもりだったことも伝えると、シアは少しだけ目じりを下げた。
「オーラは大丈夫そうでしたか?」
「……いや、大丈夫じゃなかったよ。聞いたけど、生まれてから一度も父親に会ったことがないって……それで寂しさをずっと抱えていて、最後は声を上げて泣いてた。
いてもたってもいられなくて抱きしめたけど、本当に寂しかったんだと思う。泣き止むのに時間がかかったくらいだから……」
「そう……ですか。オーラは賢い子です。けれど自分の中に感情を閉じ込めてしまう子でもあります。そんなあの子の心を、ノヴァさんは引き出してくれたんですね……」
少し寂しげだけど、安心した表情を浮かべたシアは続ける。
「私がアークゲート家の当主になって最初に行ったのは家の内部の処理です。オーラに関してはその一環として、塔に行って彼女を解放しました。
彼女は当時、最強のアークゲートを作るために監禁され、どう見てもやりすぎな指導を受け続けていました。本当、人の事を何だと思っているんだって感じですよね」
シアの言っていることは、以前王都であったティアラが言っていた事なんだろう。彼女はオーロラちゃんの事を母親の最高傑作だって言っていた。
結局母親もティアラも、オーロラちゃんをオーロラちゃんとしては見ていなかったってことだ。
それを知って、沸々と怒りがこみ上げてくる。
「初めてオーラに会ったときの事はよく覚えています。今とは全く違って、光のない目で私を見上げていました。ざっくりとした報告はリサから受けていますが、苦しい幼少期を過ごしたんだと思います」
「……オーロラちゃんも、ってことだよね?」
才能に満ち溢れたオーロラちゃんがそういった扱いだったなら、才能が全くないとみなされていたシアだって同じくらい、あるいはそれ以上の扱いだったかもしれない。
けどシアはにっこりと微笑んで、首を横に振った。
「私はそこまででもありません。何もできなくて、期待もされていませんでしたから。
それよりもオーラの事、ありがとうございました。姉として、これからもあの子を見てもらえると嬉しいです。今でも十分すぎるくらいにノヴァさんはあの子を気にかけてくれていますけどね」
「あ、ああ……」
流れるような話題の変え方だったけど、これ以上自分の事について触れて欲しくないっていうシアからの拒絶だって感じた。いや、拒絶っていう強い感情ではなくてお願いのような、縋るような。
シアは自分の過去をあまり語ろうとしない。というよりも、アークゲート家の話をあまりしない。過去に俺がなぜかシアの魔力を安定させて、そしてその結果シアが当主になったっていうのは聞いたけど、その過程がどんな道のりだったのかは、ほとんど知らない。
「…………」
聞けばきっと、シアは教えてくれるだろう。けど聞き出すようなことはしたくなかった。なにより今はその時じゃないような気がした。
オーロラちゃんは話してくれた。それならシアも話してくれる日が来るかもしれない。
だから今は。
「ねえシア。シアは今、幸せ?」
「え? はい、とても幸せですけど……」
「それは今までよりも?」
「…………」
俺の言いたいことが分かったのか、シアは目を一瞬だけ見開いて、微笑んだ。
「はい、今の私は、これまでの人生の中で一番幸せです。だってこんなにも私の事を思ってくれるノヴァさんがいるんですから」
「……そっか」
それなら、それでいい。シアの過去に何があったとか、アークゲートの過去とかは気になることではあるけど、結局、今のシアが幸せに感じているのが一番大事だと思うから。
「そろそろ寝ようか。昨日あまり寝てないから、眠くてさ」
「ふふっ、私もです」
椅子から立ち上がってベッドへと向かう途中で、シアは「あっ」と声を上げる。
何事かと振り返ると、彼女は満面の笑みを俺に向けていた。
「ノヴァさん、これから始まるであろうゼロードとの当主争いですが、それが一段落着いたら一緒に王都に行きませんか?」
「王都に?」
「はい。オーラとユティとはカフェに行って楽しそうにお話したのに、私とはまだじゃないですか。私だってノヴァさんとデートしたいです。
私達三人にサリアの街を案内してくれる前に、条件は同じにしておくべきです」
「条件って……でも、デートか……」
直接的な言葉に少しだけ照れる。オーロラちゃんやユティさんとの時はそんなこと考えなくて、ただ話をしただけだった。カフェにいたとはいえ店員さんも多かったし。
けどシアと一緒に出掛けるのは確かにデートって感じだ。サリアの街を一緒に歩いたとき以来だし、あのときもとても楽しかった。それに。
「……シアと一緒に王都を歩くのは、初めてだしな」
一回目は路地裏で出会った。二回目は路地裏に駆け付けた。その後も研究所に行ったりはしたけど、王都を歩いて回ったことはない。
「一緒に街を歩いて、カフェにでも入って、ゆっくりとした休日を過ごしましょうね。
あ、カフェについては任せてください。オーラの時よりも良い店に連れていきますよ」
「妹と張り合ってどうするのさ……でも、楽しみにしてる」
意外と負けず嫌いかもしれない妻の言葉に苦笑いして、俺はベッドに向かう。
シアとのデートの約束は楽しみだし、そのためには片付けないといけないこともある。
決意を胸に、俺はシアと一緒にベッドに入った。
その日はそれ以上語る元気もなく、俺達二人は深い眠りへと落ちていった。
朝まで起きていて、疲れが抜けきっていなかったからだ。
朝の内に実家の方にゼロードの兄上とカイラスの兄上を集めてくれるように父上に頼もうとしたら、シアが代わりに届けてくれた。父上は特に何かを言うことなく了承して、日時が決まれば連絡してくれるらしい。意外とあっさり決まって、少し拍子抜けしたくらいだ。
その後は仕事を素早く終わらせて、剣の稽古も軽くではあるけどしっかりとやって、シアと事前に軽く打ち合わせた通りに早めの夕食を食べた。
朝の俺達の会話を聞いていたからか、ターニャが向けてくる目線も決意に満ちたものになっている。
そうして一日を終えた俺はシアと一緒に疲れた体で自室のテーブルについた。シアも本を読みつつも少し眠そうにしているし、寝間着姿にも着替えている。それは俺も同じだ。
「……ねえシア、実は話しておきたいことがあったんだ」
「なんでしょう?」
本から目線を俺に向けて、シアは首を傾げる。本当は昨日の夜に伝えておきたかったことを、今ここで伝えておきたかった。
「昨日の昼間の事だけど、ナタさんに作ってもらった機器でアークゲート家に行ったとき、オーロラちゃんに会ったんだ。そこでシアにティアラとのことが気付かれていたことを話した。
……で、そのあとで、オーロラちゃんが話してくれたんだ。彼女と……シアの母親の事を」
「……そうでしたか」
ソニアちゃんの件がなければすぐに伝えるつもりだったことも伝えると、シアは少しだけ目じりを下げた。
「オーラは大丈夫そうでしたか?」
「……いや、大丈夫じゃなかったよ。聞いたけど、生まれてから一度も父親に会ったことがないって……それで寂しさをずっと抱えていて、最後は声を上げて泣いてた。
いてもたってもいられなくて抱きしめたけど、本当に寂しかったんだと思う。泣き止むのに時間がかかったくらいだから……」
「そう……ですか。オーラは賢い子です。けれど自分の中に感情を閉じ込めてしまう子でもあります。そんなあの子の心を、ノヴァさんは引き出してくれたんですね……」
少し寂しげだけど、安心した表情を浮かべたシアは続ける。
「私がアークゲート家の当主になって最初に行ったのは家の内部の処理です。オーラに関してはその一環として、塔に行って彼女を解放しました。
彼女は当時、最強のアークゲートを作るために監禁され、どう見てもやりすぎな指導を受け続けていました。本当、人の事を何だと思っているんだって感じですよね」
シアの言っていることは、以前王都であったティアラが言っていた事なんだろう。彼女はオーロラちゃんの事を母親の最高傑作だって言っていた。
結局母親もティアラも、オーロラちゃんをオーロラちゃんとしては見ていなかったってことだ。
それを知って、沸々と怒りがこみ上げてくる。
「初めてオーラに会ったときの事はよく覚えています。今とは全く違って、光のない目で私を見上げていました。ざっくりとした報告はリサから受けていますが、苦しい幼少期を過ごしたんだと思います」
「……オーロラちゃんも、ってことだよね?」
才能に満ち溢れたオーロラちゃんがそういった扱いだったなら、才能が全くないとみなされていたシアだって同じくらい、あるいはそれ以上の扱いだったかもしれない。
けどシアはにっこりと微笑んで、首を横に振った。
「私はそこまででもありません。何もできなくて、期待もされていませんでしたから。
それよりもオーラの事、ありがとうございました。姉として、これからもあの子を見てもらえると嬉しいです。今でも十分すぎるくらいにノヴァさんはあの子を気にかけてくれていますけどね」
「あ、ああ……」
流れるような話題の変え方だったけど、これ以上自分の事について触れて欲しくないっていうシアからの拒絶だって感じた。いや、拒絶っていう強い感情ではなくてお願いのような、縋るような。
シアは自分の過去をあまり語ろうとしない。というよりも、アークゲート家の話をあまりしない。過去に俺がなぜかシアの魔力を安定させて、そしてその結果シアが当主になったっていうのは聞いたけど、その過程がどんな道のりだったのかは、ほとんど知らない。
「…………」
聞けばきっと、シアは教えてくれるだろう。けど聞き出すようなことはしたくなかった。なにより今はその時じゃないような気がした。
オーロラちゃんは話してくれた。それならシアも話してくれる日が来るかもしれない。
だから今は。
「ねえシア。シアは今、幸せ?」
「え? はい、とても幸せですけど……」
「それは今までよりも?」
「…………」
俺の言いたいことが分かったのか、シアは目を一瞬だけ見開いて、微笑んだ。
「はい、今の私は、これまでの人生の中で一番幸せです。だってこんなにも私の事を思ってくれるノヴァさんがいるんですから」
「……そっか」
それなら、それでいい。シアの過去に何があったとか、アークゲートの過去とかは気になることではあるけど、結局、今のシアが幸せに感じているのが一番大事だと思うから。
「そろそろ寝ようか。昨日あまり寝てないから、眠くてさ」
「ふふっ、私もです」
椅子から立ち上がってベッドへと向かう途中で、シアは「あっ」と声を上げる。
何事かと振り返ると、彼女は満面の笑みを俺に向けていた。
「ノヴァさん、これから始まるであろうゼロードとの当主争いですが、それが一段落着いたら一緒に王都に行きませんか?」
「王都に?」
「はい。オーラとユティとはカフェに行って楽しそうにお話したのに、私とはまだじゃないですか。私だってノヴァさんとデートしたいです。
私達三人にサリアの街を案内してくれる前に、条件は同じにしておくべきです」
「条件って……でも、デートか……」
直接的な言葉に少しだけ照れる。オーロラちゃんやユティさんとの時はそんなこと考えなくて、ただ話をしただけだった。カフェにいたとはいえ店員さんも多かったし。
けどシアと一緒に出掛けるのは確かにデートって感じだ。サリアの街を一緒に歩いたとき以来だし、あのときもとても楽しかった。それに。
「……シアと一緒に王都を歩くのは、初めてだしな」
一回目は路地裏で出会った。二回目は路地裏に駆け付けた。その後も研究所に行ったりはしたけど、王都を歩いて回ったことはない。
「一緒に街を歩いて、カフェにでも入って、ゆっくりとした休日を過ごしましょうね。
あ、カフェについては任せてください。オーラの時よりも良い店に連れていきますよ」
「妹と張り合ってどうするのさ……でも、楽しみにしてる」
意外と負けず嫌いかもしれない妻の言葉に苦笑いして、俺はベッドに向かう。
シアとのデートの約束は楽しみだし、そのためには片付けないといけないこともある。
決意を胸に、俺はシアと一緒にベッドに入った。
その日はそれ以上語る元気もなく、俺達二人は深い眠りへと落ちていった。
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