202 / 237
第3章 宿敵の家と宿敵でなくなってから
第202話 父に、母になる
しおりを挟む
「お姉様!」
廊下をかける音が聞こえ、しばらくすると扉が勢いよく開く音が部屋に響いた。そちらの方を見てみれば、息を切らしたオーロラちゃんが部屋の入り口に立っていた。
「オーロラちゃん……」
急に現れた彼女に驚いていると、ユティさんが説明をしてくれた。
「便箋で先ほど伝えたのですが、ゲートの魔法を使って駆け付けてくれたようですね」
「そうだったんですね……」
オーロラちゃんはシアの元へ駆け寄り、俺の隣に立つ。握っていたシアの手を差し出すと、それを両手で握った。
「ユティお姉様から聞きました、子宝に恵まれたと……」
「……はい」
シアが応えると、オーロラちゃんは涙を流す。
「おめでとうございますっ……本当に……」
「オーラ……ありがとうございます」
「お兄様もおめでとうっ」
「うん、ありがとうオーロラちゃん」
まるで自分の事のように喜んでくれるオーロラちゃんに、俺も目頭が熱くなる。ユティさんといい、オーロラちゃんといい、今日一日で色々な人の優しさに触れた。シアの妊娠が一番嬉しいのはもちろんだけど、それをこんなにも喜んでくれる人がいることもまた嬉しかった。
オーロラちゃんはシアの方を……正確には胎児がいるお腹の方を見て、優しい表情で呟いた。
「きっとこの子は幸せな子になるわ……ううん、アークゲート家で一番幸せな子にしないとだめよ? お兄様?」
最後は俺の方を向いて確認するように聞いてくる。それに対して、はっきりと頷いた。
「もちろんだよ」
「ふふっ……いえ、アークゲートじゃなくてフォーゲートかしら?」
「誰よりも幸せだと感じられるように、愛を注ぐつもりさ」
自分の決意を口にするように強くそう言うと、オーロラちゃんは少しだけ目を見開いた後に、そうね、と小さく呟く。そして視線をもう一度シアのお腹の方に向けた。
「お姉様とノヴァお兄様の子供だもんね……きっと強くて優しい、素晴らしい子になるわ。……君は幸せものでちゅねー」
シアのお腹を優しく撫でるオーロラちゃん。その様子に、当のシアは苦笑いした。
「もうオーラ……いくらなんでも早すぎますよ」
「えへへっ……嬉しくて、つい」
それに対してオーロラちゃんも笑顔で返し、俺やユティさん、メイドさん達やお医者さんの先生も笑顔になる。
俺もまたオーロラちゃんと同じようにシアのお腹に目を向けて、そして心の中で思った。
――まだまだ早いと思うけど、皆君を待っているからね
そう思ったときの俺の表情は、きっと穏やかなものだっただろう。
不意に視界の隅に移るユティさんが一歩前に出て、シアに声をかけた。
「当主様、体調の方はどうですか? 薬の効果で楽になっていると良いのですが……」
「概ね問題ありません。普段通りに動けそうではありますよ」
シアはそう言って上体を起こそうとする。それを、俺は慌てて止めた。
「シ、シア……今日くらいは安静にしておいた方が良いんじゃ……」
「いえ、でももう大丈夫で……」
「今日くらいは……ね?」
「……ノヴァさんがそう言うなら」
渋々といった感じでシアはベッドに体を戻す。大丈夫だろうとは思うけど、これまでの疲れだってあるだろう。今日くらいはもう休んで欲しいっていう思いが伝わったみたいで、俺はほっと胸を撫でおろした。
「……当主の業務量についても調整する必要がありますね。これまで通りというわけにはいかないので、ほとんどの業務は私が一時的に引き継ぎましょう。当主様の作業が必要な部分だけやって頂くという形で」
「それは本当に助かります。ありがとうございますユティさん」
シアの業務量が多いのは俺もよく知っていることだ。それをユティさんが一時的に代行してシアの負担を減らしてくれるのはとてもありがたかった。
「夜は俺の屋敷でもなるべく側にいるようにしますし、手厚いサポートをします……あ、そもそもゲートの魔法を使わずにアークゲートの屋敷に居た方が良いのでしょうか?」
「いえ、流石にそこまでは。もちろん出産直前になるとこちらの屋敷に居てもらう形になるとは思いますが、それまでは今まで通りで大丈夫です。当主様程の魔力ならばゲートの魔法で疲れるという事もないでしょうし」
「なるほど」
どうやらすぐに生活を変えることはないみたいで安心だ。初めての経験だから分からないことだらけだけど、ユティさんが丁寧に教えてくれてありがたい。本当、彼女には感謝してもし足りないなと感じた。
「……というか、そのギリギリまではこれまで通りが良いです」
「当主様もこうおっしゃっていることですしね」
「……ははっ」
意外と強情なシアの言葉に苦笑いする俺とユティさん。その様子を見て、オーロラちゃんが声を上げた。
「お姉様の業務の手伝いだけど、私も出来るところはやるわ」
「とてもありがたいですが、大丈夫なのですかオーラ? 自分の領地の事もあるでしょうに」
オーロラちゃんの申し出はありがたいけど、ユティさんと同じ心配は俺もしていた。けれどオーロラちゃんはにっこりと笑顔を浮かべる。
「もうだいぶ慣れてきて、ちょっとは余裕があるくらい。むしろ無理をしてでも手伝わせてほしいくらいだわ」
「いや、無理はダメだよ……」
苦笑いで伝えるものの、オーロラちゃんは意見を変えるつもりはないらしい。流石に無理をしすぎることはないだろうし、彼女の好意に甘える方が良いのかも、なんて思ったりした。
そんな話をしていると、ふとシアの様子に気づいた。彼女は困ったような顔をして俺達を見ていた。
「どうかした? シア」
「あ、えっと……」
声をかけると、彼女は俺を見て乾いた笑みを浮かべて頬を掻いた。
「なんだか私がこうしてベッドに寝ていて、周りに人がこんなに居る状況に慣れないと言いますか……」
「そうなの?」
「はい、子供の頃は魔力の暴走で寝込んでも周りに誰もいませんでしたし、魔力の暴走が無くなってからは寝込むことはありませんでしたから」
「あー、なるほど……」
ユティさんもシアが体調不要になるのは当主になってからは初めてだって言っていたし、シアの幼い時が寂しく辛いものだったっていうのも知っている。だからシアの気持ちが少しだけ推し測れる気がした。でもそれはきっと慣れないだけじゃなくて、嬉しいってことだとも思う。
「……でもこれからはずっとこうだよ。もしシアの体調が悪くなっても、いろんな人がこうしてシアの事を心配してくれるから。もちろん俺もね。……まあ、体調不良にならないのが一番ではあるんだけど」
シアの手を再度握ってそう告げる。少し小恥ずかしくなって最後は取り繕ったけど、シアはにっこりと微笑んだ。
「……ノヴァさんと再会してから、新しく体験することばかりですね。ありがとうございますノヴァさん。私を……母にしてくれて」
「まだ早いよ……」
そうまだ早い。お腹の子が成長して姿を見るまでまだまだ時間がある。けど。
「でも、どういたしまして。そして俺の方こそありがとう。父にしてくれて」
「ふふっ、こちらこそどういたしまして、ですね」
俺達は二人してお互いに感謝して、そして微笑みあった。
シアのお腹に目を向けて、心の中で思う。
――そしてありがとう。俺を父親にしてくれて、シアを母親にしてくれて
まだ小さな、けれどこれから確実に大きくなる命に対して、感謝を告げた。
廊下をかける音が聞こえ、しばらくすると扉が勢いよく開く音が部屋に響いた。そちらの方を見てみれば、息を切らしたオーロラちゃんが部屋の入り口に立っていた。
「オーロラちゃん……」
急に現れた彼女に驚いていると、ユティさんが説明をしてくれた。
「便箋で先ほど伝えたのですが、ゲートの魔法を使って駆け付けてくれたようですね」
「そうだったんですね……」
オーロラちゃんはシアの元へ駆け寄り、俺の隣に立つ。握っていたシアの手を差し出すと、それを両手で握った。
「ユティお姉様から聞きました、子宝に恵まれたと……」
「……はい」
シアが応えると、オーロラちゃんは涙を流す。
「おめでとうございますっ……本当に……」
「オーラ……ありがとうございます」
「お兄様もおめでとうっ」
「うん、ありがとうオーロラちゃん」
まるで自分の事のように喜んでくれるオーロラちゃんに、俺も目頭が熱くなる。ユティさんといい、オーロラちゃんといい、今日一日で色々な人の優しさに触れた。シアの妊娠が一番嬉しいのはもちろんだけど、それをこんなにも喜んでくれる人がいることもまた嬉しかった。
オーロラちゃんはシアの方を……正確には胎児がいるお腹の方を見て、優しい表情で呟いた。
「きっとこの子は幸せな子になるわ……ううん、アークゲート家で一番幸せな子にしないとだめよ? お兄様?」
最後は俺の方を向いて確認するように聞いてくる。それに対して、はっきりと頷いた。
「もちろんだよ」
「ふふっ……いえ、アークゲートじゃなくてフォーゲートかしら?」
「誰よりも幸せだと感じられるように、愛を注ぐつもりさ」
自分の決意を口にするように強くそう言うと、オーロラちゃんは少しだけ目を見開いた後に、そうね、と小さく呟く。そして視線をもう一度シアのお腹の方に向けた。
「お姉様とノヴァお兄様の子供だもんね……きっと強くて優しい、素晴らしい子になるわ。……君は幸せものでちゅねー」
シアのお腹を優しく撫でるオーロラちゃん。その様子に、当のシアは苦笑いした。
「もうオーラ……いくらなんでも早すぎますよ」
「えへへっ……嬉しくて、つい」
それに対してオーロラちゃんも笑顔で返し、俺やユティさん、メイドさん達やお医者さんの先生も笑顔になる。
俺もまたオーロラちゃんと同じようにシアのお腹に目を向けて、そして心の中で思った。
――まだまだ早いと思うけど、皆君を待っているからね
そう思ったときの俺の表情は、きっと穏やかなものだっただろう。
不意に視界の隅に移るユティさんが一歩前に出て、シアに声をかけた。
「当主様、体調の方はどうですか? 薬の効果で楽になっていると良いのですが……」
「概ね問題ありません。普段通りに動けそうではありますよ」
シアはそう言って上体を起こそうとする。それを、俺は慌てて止めた。
「シ、シア……今日くらいは安静にしておいた方が良いんじゃ……」
「いえ、でももう大丈夫で……」
「今日くらいは……ね?」
「……ノヴァさんがそう言うなら」
渋々といった感じでシアはベッドに体を戻す。大丈夫だろうとは思うけど、これまでの疲れだってあるだろう。今日くらいはもう休んで欲しいっていう思いが伝わったみたいで、俺はほっと胸を撫でおろした。
「……当主の業務量についても調整する必要がありますね。これまで通りというわけにはいかないので、ほとんどの業務は私が一時的に引き継ぎましょう。当主様の作業が必要な部分だけやって頂くという形で」
「それは本当に助かります。ありがとうございますユティさん」
シアの業務量が多いのは俺もよく知っていることだ。それをユティさんが一時的に代行してシアの負担を減らしてくれるのはとてもありがたかった。
「夜は俺の屋敷でもなるべく側にいるようにしますし、手厚いサポートをします……あ、そもそもゲートの魔法を使わずにアークゲートの屋敷に居た方が良いのでしょうか?」
「いえ、流石にそこまでは。もちろん出産直前になるとこちらの屋敷に居てもらう形になるとは思いますが、それまでは今まで通りで大丈夫です。当主様程の魔力ならばゲートの魔法で疲れるという事もないでしょうし」
「なるほど」
どうやらすぐに生活を変えることはないみたいで安心だ。初めての経験だから分からないことだらけだけど、ユティさんが丁寧に教えてくれてありがたい。本当、彼女には感謝してもし足りないなと感じた。
「……というか、そのギリギリまではこれまで通りが良いです」
「当主様もこうおっしゃっていることですしね」
「……ははっ」
意外と強情なシアの言葉に苦笑いする俺とユティさん。その様子を見て、オーロラちゃんが声を上げた。
「お姉様の業務の手伝いだけど、私も出来るところはやるわ」
「とてもありがたいですが、大丈夫なのですかオーラ? 自分の領地の事もあるでしょうに」
オーロラちゃんの申し出はありがたいけど、ユティさんと同じ心配は俺もしていた。けれどオーロラちゃんはにっこりと笑顔を浮かべる。
「もうだいぶ慣れてきて、ちょっとは余裕があるくらい。むしろ無理をしてでも手伝わせてほしいくらいだわ」
「いや、無理はダメだよ……」
苦笑いで伝えるものの、オーロラちゃんは意見を変えるつもりはないらしい。流石に無理をしすぎることはないだろうし、彼女の好意に甘える方が良いのかも、なんて思ったりした。
そんな話をしていると、ふとシアの様子に気づいた。彼女は困ったような顔をして俺達を見ていた。
「どうかした? シア」
「あ、えっと……」
声をかけると、彼女は俺を見て乾いた笑みを浮かべて頬を掻いた。
「なんだか私がこうしてベッドに寝ていて、周りに人がこんなに居る状況に慣れないと言いますか……」
「そうなの?」
「はい、子供の頃は魔力の暴走で寝込んでも周りに誰もいませんでしたし、魔力の暴走が無くなってからは寝込むことはありませんでしたから」
「あー、なるほど……」
ユティさんもシアが体調不要になるのは当主になってからは初めてだって言っていたし、シアの幼い時が寂しく辛いものだったっていうのも知っている。だからシアの気持ちが少しだけ推し測れる気がした。でもそれはきっと慣れないだけじゃなくて、嬉しいってことだとも思う。
「……でもこれからはずっとこうだよ。もしシアの体調が悪くなっても、いろんな人がこうしてシアの事を心配してくれるから。もちろん俺もね。……まあ、体調不良にならないのが一番ではあるんだけど」
シアの手を再度握ってそう告げる。少し小恥ずかしくなって最後は取り繕ったけど、シアはにっこりと微笑んだ。
「……ノヴァさんと再会してから、新しく体験することばかりですね。ありがとうございますノヴァさん。私を……母にしてくれて」
「まだ早いよ……」
そうまだ早い。お腹の子が成長して姿を見るまでまだまだ時間がある。けど。
「でも、どういたしまして。そして俺の方こそありがとう。父にしてくれて」
「ふふっ、こちらこそどういたしまして、ですね」
俺達は二人してお互いに感謝して、そして微笑みあった。
シアのお腹に目を向けて、心の中で思う。
――そしてありがとう。俺を父親にしてくれて、シアを母親にしてくれて
まだ小さな、けれどこれから確実に大きくなる命に対して、感謝を告げた。
8
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので
ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。
しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。
異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。
異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。
公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。
『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。
更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。
だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。
ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。
モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて――
奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。
異世界、魔法のある世界です。
色々ゆるゆるです。
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
親友に恋人を奪われた俺は、姉の様に思っていた親友の父親の後妻を貰う事にしました。傷ついた二人の恋愛物語
石のやっさん
恋愛
同世代の輪から浮いていた和也は、村の権力者の息子正一より、とうとう、その輪のなから外されてしまった。幼馴染もかっての婚約者芽瑠も全員正一の物ので、そこに居場所が無いと悟った和也はそれを受け入れる事にした。
本来なら絶望的な状況の筈だが……和也の顔は笑っていた。
『勇者からの追放物』を書く時にに集めた資料を基に異世界でなくどこかの日本にありそうな架空な場所での物語を書いてみました。
「25周年アニバーサリーカップ」出展にあたり 主人公の年齢を25歳 ヒロインの年齢を30歳にしました。
カクヨムでカクヨムコン10に応募して中間突破した作品を加筆修正した作品です。
大きく物語は変わりませんが、所々、加筆修正が入ります。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
私の手からこぼれ落ちるもの
アズやっこ
恋愛
5歳の時、お父様が亡くなった。
優しくて私やお母様を愛してくれたお父様。私達は仲の良い家族だった。
でもそれは偽りだった。
お父様の書斎にあった手記を見た時、お父様の優しさも愛も、それはただの罪滅ぼしだった。
お父様が亡くなり侯爵家は叔父様に奪われた。侯爵家を追い出されたお母様は心を病んだ。
心を病んだお母様を助けたのは私ではなかった。
私の手からこぼれていくもの、そして最後は私もこぼれていく。
こぼれた私を救ってくれる人はいるのかしら…
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。
❈ ざまぁはありません。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
お飾り公爵夫人の憂鬱
初瀬 叶
恋愛
空は澄み渡った雲1つない快晴。まるで今の私の心のようだわ。空を見上げた私はそう思った。
私の名前はステラ。ステラ・オーネット。夫の名前はディーン・オーネット……いえ、夫だった?と言った方が良いのかしら?だって、その夫だった人はたった今、私の足元に埋葬されようとしているのだから。
やっと!やっと私は自由よ!叫び出したい気分をグッと堪え、私は沈痛な面持ちで、黒い棺を見つめた。
そう自由……自由になるはずだったのに……
※ 中世ヨーロッパ風ですが、私の頭の中の架空の異世界のお話です
※相変わらずのゆるふわ設定です。細かい事は気にしないよ!という読者の方向けかもしれません
※直接的な描写はありませんが、性的な表現が出てくる可能性があります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる