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衝撃の告白 その弐(第三者目線)
しおりを挟む「「「「・・・・」」」
コンコンコンッ
「失礼致します。」
「「「ッ!?」」」
驚きのあまり誰も何も発しない空間に、突然ドアをノックする音が響く。
侍従らしき男がドアの隙間から半身を覗かせた。
男は、部屋の中に視線を這わせ、目的の男を見つけると簡潔に用件を述べた。
「シーナ様、言付けを預かっておりますので少しお時間宜しいでしょうか。」
いまだ静かな空間に椅子をひく音が響き、シーナが部屋を出た。
バタンと閉まる音が聞こえた時点でやっと部屋の中の時が動き出す。
「おいっ、さっきのなんだ!?」
「お前、シーナとどんな関係なの??」
「いやいやいやいや、まともに話したこともないすよっ!!」
「じゃあ、なんでお前のこと好きなわけ!?」
「知らないっすよ!!」
特に悪いことをしているわけでもないのに何かを弁解するかのごとく、必死に関係性を否定するポーラールのすぐ横で、その光景をニヤニヤ楽しそうに観察していた白豹獣人の北軍団長 レウ・リオーネが口を開いた。
「で??お前はどうすんの??」
「どうすんのってどうしようもないっすよ。」
「告白されてんだから返事しねーとだろ」
「いやあれ、告白なんすか!?
アロペークス殿に向かって言ってませんでした!?!?」
ねっ??っと同意を求めるがごとくポラールがこちらを見てくる。
「いやぁ、でも聞いちゃったからには....ねぇ?
何かしらのアクションが必要かも...とか考えちゃったり?あはは...」
アロペークスがそう言った瞬間、ポーラールのほうから舌打ちが聞こえた気がしたが、多分気のせいだろう。
彼は気のいい若者だったはずだ。
アロペークスにはシーナに告白まがいなことをさせてしまった責任がある。
好きな人に好きだと知られているのに、無視されるのはシーナが可哀想な気がした。
「お前、試しに付き合えよ。あの堅物無表情男が恋人相手だとどんな感じなのか興味ある。」
自分は今心底楽しんでます。という顔を隠しもせず、リオーネが言葉を発する。
「俺デカい男は対象外なんすけど。抱けないっすよ!!」
ポーラールは言葉を濁すことなくストレートに言い切った。
この国の恋愛に性別が問われることはない。
男同士でも女同士でも基本的に自由恋愛だ。
しかし、浮き名の多いポーラールは、妖艶な体つきのお姉さま好きと専らの噂である。
「お前、妹が超上級貴族に嫁ぐのに持参金用意しなきゃだろ?
1ヶ月付き合ったら特別にボーナスを出してやろう。」
「…………まじっすか?」
ポーラールはごくりと唾を飲み込む。
リオーネは相変わらずの悪人顔でニヤニヤ笑っていた。
ガチャリ
ちょうどその時、シーナが絶妙なタイミングで部屋へと戻ってきた。
部屋にいる一同がシーンと静まり返り、じっとシーナを見てる異常な状況だというのにシーナは気付いていない。
自席の資料をまとめると荷物を片付けていく。
「よぉ、アルクがお前に話があるってよ」
リオーネは言え言えと促すようにポラール殿の腕を肘でガンガンと小突いた。
「その前に俺からいいだろうか。」
意外にも、話し始めたのはシーナだ。
「ポーラール殿、1ヶ月間だけでいいので俺と交際してほしい。」
告白……なんだろうが、いつもと同じ温度の感じられない口調、無表情で告げられるそれは、あれっ?業務連絡かな?と勘違いしそうになるほどである。
「い、いいっすよ。
その代わり、俺、他にも恋人いるんで束縛はなしで。
あと、デカい男は抱けないんでセックスもなしで。
デート費用はそっち持ち。
この条件でもいいなら付き合ってもいいっす。」
「「「・・・・」」」
えー、こんな条件飲む奴いる??
ポーラール、なんて正直すぎる奴なんだ。
と思いつつ、みんなが固唾をのんで見守った。
そんな中、シーナはいつもの無表情でポラールを見つめていた。
というか、いつもよりも眼孔が鋭い気すらする。
星屑が散りばめられた藍色の瞳はポラールをジッと見据えて、何を考えているのか全く思考が読めない。
「...あぁ、それで問題ない。宜しく頼む。」
おぉ、と皆が小さくどよめくなかシーナは、
「さっそくだが、明日の夜空けといてくれ。」と言い、部屋を後にした。
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