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交際20日目 雷雨に注意です
しおりを挟む3日間の夜勤も終わり、次の日は日勤だった。
夕方に仕事を終わらせ、帰宅しようと席を立つ。
ここ最近は早く仕事が終わってもまっすぐ家に帰ることが多い。
前までだったら空いている恋人を捕まえて、ホテルや相手の家に直行していたというのに……
いつから自分はこんなに丸くなってしまったのか。
荷物をまとめ、部屋を出たところでシーナがこちらに向かって歩いてくるのが見えた。
「今帰りか?」
「そうっすよ。
あっ、弁当ありがとうございました。
一昨日のもめちゃくちゃ旨かったっす。
これ弁当箱。」
「あぁ。」
シーナは弁当箱を取りに来ただけのようで、受け取るとすぐ来た道を帰ろうとする。
「あのっ、シーナ団長ももう上がりっすか?」
「あぁ。」
「じゃあ、一緒に帰らないっすか。
シーナ団長の家どっちっすか?」
そう言うと、有無を言わさず出口まで向かった。
過去2回、紳士なシーナは自分よりデカいポーラールを律儀に家まで送っていった。
ならば今回は自分が。とポーラールはシーナの家まで着いていくつもりだ。
シーナは否定も肯定もせぬうちにポーラールに誘われ、帰宅の途につく。
雲が厚く、夕暮れにしては暗い空模様だった。
道中、ポーラールはポツポツととりとめのない質問をシーナに投げ掛けながら、二人でゆっくり道を歩く。
10分ほど歩くと、"ぽつり"と頬に何かがあたった。
頬を手で拭うと、どうやら水滴のようだ。
ポツ、ポツ、と雨が振り出したと思ったら、すぐにザーザーと音が変わり、瞬時に地面の色が様変わりするほど大量の雨が体に叩きつけてくる。
「あと少しで家に着く。走るぞ。」
シーナはポーラールの手首を掴み、視界の悪い雨のなか、細い道を右に左にと何度か曲がりながら走る。
3分ほど走っただろうか。
こじんまりした一軒家に着くと、胸ポケットから鍵を取り出し、扉を開けた。
二人ともびしょびしょの濡れ鼠状態である。
「タオルを取ってくる」
シーナは髪をかき上げ、適当に服の水気を玄関で絞ると、どこかの扉に消え、大判のタオルを二枚抱えて戻ってきた。
シーナに礼を言い、タオルを受け取るとガシガシ頭を拭いていく。
ポーラールが頭を拭いていると、シーナのいるほうから強い視線を感じた。
あんまり熱心に見つめられるとさすがに気まずい。
「どうしたんすか?」
「......いや」
声を掛けると、フイっと視線が逸らされた。
そして、シーナが再び先程の扉の奥に消えていくのを見て、ポーラールはほっと息を吐く。
「風呂を沸かしている。入ってくれ。」
「いやいやいや、シーナ団長先に入ってください。」
シーナの家は玄関で靴を脱ぐ方式らしく、ポーラールもそれに習って靴を脱いだ。
靴下もグショグショだったため、上がる前に、水滴が垂れない程度に軽く絞る。
その間も何度か、風呂にどちらが先に入るかで押し問答が続いた。
しかし、ポーラールが断固先に入る気がないと分かると、適当に寛ぐよう言い残しシーナは足早に風呂場に向かった。
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