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それで、大叔父様。その後、偽聖女はどうなりましたか?
しおりを挟む「わし、そんな酷いこと言ったかのっ!?」
「はい。仰いました」
「大叔父様、凄い剣幕だったそうじゃないですか。簡易的な神前裁判までしたのでしょう? わたしも見たかったなぁ……大叔父様の勇姿」
「はい。猊下は神聖魔術を行使した簡易の神前裁判をなさりました。それで見事、シスター・ソフィアの無実の証明に加え、王太子ゲスナーの王太子位が不適格であることを示されました」
「わし、そんなことしたのかの……?」
「覚えていらっしゃらないのですか?」
「覚えていないというよりは、大叔父様にはその自覚が無いのでは? だって大叔父様。他国の王太子が誰になろうと、全く興味無いでしょ」
「……まあ、最低限。戦を仕掛けるような愚か者でなければな」
「そうだろうと思っていました。ですが、一応ご報告を。元王太子ゲスナーは、その偽聖女との不貞で婚約破棄をしていますね。国許ではもう支持者がいません。更には、偽聖女を王妃にと望んで国王に無断で教会に殴り込み。大叔父様に、娘が偽聖女であることが証明され、偽聖女との不貞と淫行とを自分で暴露。挙げ句、偽聖女を教会に置き去りにして自国へ逃げ帰ったそうじゃないですか」
ぁ~……まあ、なんじゃ。教会に殴り込みに来る時点で愚かだとは思ったんじゃが……おそらくは大分、シスター・カスリンの房中術にやられとったんじゃのぅ。
シスター・カスリンとの不貞に励んだのはゲスナー王太子自身とは言え、房中術は……人を色情狂いにする危険性が高いからのぅ。もう、本当俗物はなにしてくれとんじゃ。頭痛いわ。
色情狂い、ギャンブル狂い、アルコール依存症などは、元がどんなに賢かろうと、それに陥った時点で、知能が大分低下するらしいからのぅ。
つか、エクソシストのエキスパートであるレンブラントに頼んだ、他国に危険を及ぼす人材回収を拒否りよった国の一つじゃったな。とりあえずは、危険を少なくすることを優先で、まだ回収できとらん危険人物も居ったわ。
ほんに、溜め息しか出て来んのぅ。
「ゲスナー元王太子は帰国後、速やかに身柄を拘束されてそのまま王族籍剥奪。その後、どこかへ幽閉されているみたいですよ。近衛などは平民落ちの後に監獄行き。まあ、普通に考えて毒杯一択でしょうね。ある意味、偽聖女へ国を明け渡そうとした王位簒奪行為、とも取れるので」
「そうかの……」
まあ、ある種、色狂いになりそうな王子の国王就任を回避できた、ということになるんかの?
「近々第二王子か第三王子が次期王太子に就任するのではないか、と」
「そうか……」
「それで、大叔父様。その後、偽聖女はどうなりましたか?」
すっと、眇めた目がわしへ向けられる。成る程、聞きたいのはそれであったか。
「教会内で隔離され、精進潔斎しておるの」
「処分はしないのですか? なんでも、偽聖女は房中術を使うそうじゃないですか」
「修道女しか居らぬ場所に軟禁状態じゃからの。男を誑かして……というのは、無理じゃろうよ」
「確証はあるのですか?」
「確証、という程でもないがの。房中術の危険性を説いてあるでの。このまま房中術を行使し続ければ、腹上死確実じゃと教えたら、若くして死ぬのは嫌じゃと。まあ、これ以上早死にしたくなくば、精進潔斎し、他人へ分け与えた己が生命力を回復するより他ないからの」
「万が一、脱走したらどうなさるおつもりでしょうか? ロマンシス教皇猊下」
教皇としてどういう処分を科すのか、という問い掛け。
「そうじゃのぅ。万が一、脱走すれば……仕方あるまい。自身の意志で教会を離れるのであればシスター・カスリンは修道女であることを辞めるということじゃ。教会所属でない女人を、無理に拘束することはできまい」
「そうですか。わかりました。であれば、犯罪者は国の管轄というワケですね。国で対処させて頂きます」
まあ、あれじゃの。教会を自らの意志で出て行くなれば、関知しない。ジークハルトは、国王として危険人物を処理する、と言うておるのじゃな。
「罪を犯した者が、その罪を償うのは当然のことじゃ」
「わかりました。ありがとうございます」
とは言え、房中術、房閨術には色情狂いになる、性病に罹る危険性が高い。という以外にも、更なる禁忌があったりするんじゃよなぁ……
秘された禁忌。
――――――――
誰もあんまり気にしてないと思うけど、アレでも一応他国の王太子だったので。国王的には気にしないワケには行かないよね……みたいな?ꉂ(ˊᗜˋ*)
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