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11話 勝利
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現在、製造しているビーム兵器は着実に増産が進んでいる。
そして、地球外生命体の他を疑う能力は低いので、最後には、自爆テロで優位に立つはず。
「このシナリオで十分なのかしら?」
「澪、どういうこと? だって、この方法で敵を倒せるって澪が言ったんじゃない。」
「でも、それって、地球にいる地球外生命体だけを排除できるだけ。もしかしたら、地球にいる地球外生命体は、母星の奴隷で、兵隊として送り付けられているかもしれない。もともと、地球外生命体がいる惑星には大勢の地球外生命体がいて、地球にいる地球外生命体がいなくなっても、痛くも痒くもないかもしれない。そうすれば、また攻めてきて、今度は、人類は本当に支配されてしまうと思う。」
誰もが黙り込み、不安のドス黒い闇が部屋を包み込む。
「確かに。じゃあ、どうすればいいの?」
「地球外生命体の母星まで叩き壊さないと。そうしないと、母星は、この地球をまた攻撃して、殲滅するか、私たちを奴隷にするまで、その攻撃は永遠に続くと思う。」
「でも、母星がどこにあるかわからないし、そんな遠くまで行けるテクノロジーは私たちにはないじゃない。地球外生命体の宇宙船に入り込むことはできるかもしれないけど、すぐに捕まって殺されるだけだと思う。」
「そうよね。どうしたらいいかしら。」
「あのう・・・」
日頃、滅多にしゃべらない結菜が口を開いた。
「なんなの? 結菜。」
「いえ、やっぱりいいです。」
「気になることがあったら、遠慮なく言ってよ。」
「子供っぽい単なるアイディアなんだけど、地球外生命体って疑う能力が低いんでしょう。」
「よくわからないけど、その可能性は高いわ。」
最近、結菜と仲良くしている翠は、結菜に笑顔を送る。
自信をもって話してと。
他のメンバーも結菜が話しやすいように、暖かく見守る。
「それなら、地球外生命体のネットワークにウィルスを入れ込むのはどうかしら。多分、どこかに巨大エネルギーセンターとかあるはず。その負荷を上げて爆破できれば、当面は機能低下をさせられるし、爆破を連鎖させて母星自体を破壊できるかも。そのために、エネルギーセンターの場所を把握し、その負荷をコントロールする機能に入り込めれば勝てると思うの。」
誰もが、そんな方法があったのかと驚き、勝てる道筋が浮かぶ。
専門分野でなくても、このメンバーの頭の回転は早いから、はっきりと理解できた。
「結菜、すごいじゃない。でも、どうやって、地球外生命体のネットワークに入れるかしら。」
「それは簡単。私たちから取り除いたAIチップは通信機能を持っているから、それから入れる。過去も入ったし。また、私たちが使っていた通信技術は、地球外生命体のものをベースにしているはずだから、母星にあるネットワークの構造も簡単に理解できるはず。」
「でも、いくら疑う能力が低いといっても、これだけ高度なテクノロジーを持った地球外生命体なら、ウィルスには気づくんじゃないの?」
「そうとも言えないわ。これまで地球外生命体のネットワークに入ったこともあるけど、ウィルスは見たことがない。そう思うと、実は、ウィルスって、人類の偉大な発明だったかもしれない。いずれにしても、このチップで調べてみる。」
結菜は、この前まで芽衣の脳に入っていたAIチップを手のひらにのせてみんなに見せた。
今は電源を切ってGPSでこの位置が分からないようにしている。
だから、調査するときは別の地点で電源を入れ、AIのネットワークに入り込むことになる。
「それに乗った。結菜、取り掛かってみて。」
「はい。」
これまで地味で、存在しているか分からなかった結菜が嬉しそう。
それから1週間後に、結菜が私たちのところに走ってきたの。
「できた。確かに、巨大エネルギーセンターがあったわ。この構造だと、間違いなく、母星のコアと、母星が回っている恒星のコアからエネルギーを得ているはず。シンプルな構造こそが効率性を実現できるもの。それなら、それらを破壊すれば、地球外生命体の生活圏はなくなるわ。」
結菜は日頃、自分の意見を言わないから、こんなことができるとは誰も気づかなかった。
結菜は自信をつけたのか、立ち上がり、両手を机に置いてみんなの顔を見渡す。
自分の作戦に間違いはないと。
「でも、宇宙にいる飛行船とかが、怒って地球を攻撃してこないの?」
「私の計算だと大丈夫だと思う。地球外生命体の飛行船は、定期的に宇宙空間を通じてエネルギーセンターからエネルギーを補給しているの。もし、補給ができないとすると、地球まで辿り着けないはず。つまり、現在、太陽系近辺にいる飛行船しか地球に辿り着けない。しかも、今、地球にいるものを除き、銀河系には地球外生命体の飛行船はいないとデータが証明している。それなら、地球が攻撃されることはない。」
結菜は、先日助けてくれた澪の顔を見て、顔に満遍の笑みが溢れる。
「結菜は天才ね。じゃあ、始めましょう。結菜、いいわね。」
「任せておいて。澪、これでやっと、この前の恩返しができる。」
それから、1ヶ月後、地球外生命体の母星と恒星は、爆発が連鎖して破壊し尽くされた。
結菜の対応は目を見張るものであり、迅速で正確に破壊を進めて行った。
一方で、地球外生命体は人間を侮っていたのか、大混乱に陥る。
地球からは見えないけど、ネットワーク上では混乱の様子が伝わってきた。
原因を究明しろとの多くの声も虚しく、母星から恒星が爆発したと悲痛な声で溢れる。
ネットワーク上で、総統らしい人から指示は次々と飛ぶものの、対応策の提案がない。
むしろ、被害を報告する情報が飛び交い、ネットワークが輻輳して停止してしまう。
母星では、数分遅れて、恒星が爆発する姿が空に映る。
恒星が炸裂する姿が見えた数時間後、そのエネルギー波が母星を包み込み、火の海となる。
3時間もないわずかな時間で、対処法を考え、対応する余裕はどこにもなかった。
その後、母星からの音信は途絶え、宇宙に点在する飛行船は孤立する。
エネルギーや食料は尽き、1週間もすると宇宙の墓場のようにただ漂うしかなかった。
そして地球では、澪が率いる兵士達が地球外生命体の駆逐を果たした。
地球外生命体は母星の消滅に戦意が低下していたからことも勝利の一因だった。
大勢の男性兵士は自爆して死んでいったけど、人類の勝利だった。
そして、地球外生命体の他を疑う能力は低いので、最後には、自爆テロで優位に立つはず。
「このシナリオで十分なのかしら?」
「澪、どういうこと? だって、この方法で敵を倒せるって澪が言ったんじゃない。」
「でも、それって、地球にいる地球外生命体だけを排除できるだけ。もしかしたら、地球にいる地球外生命体は、母星の奴隷で、兵隊として送り付けられているかもしれない。もともと、地球外生命体がいる惑星には大勢の地球外生命体がいて、地球にいる地球外生命体がいなくなっても、痛くも痒くもないかもしれない。そうすれば、また攻めてきて、今度は、人類は本当に支配されてしまうと思う。」
誰もが黙り込み、不安のドス黒い闇が部屋を包み込む。
「確かに。じゃあ、どうすればいいの?」
「地球外生命体の母星まで叩き壊さないと。そうしないと、母星は、この地球をまた攻撃して、殲滅するか、私たちを奴隷にするまで、その攻撃は永遠に続くと思う。」
「でも、母星がどこにあるかわからないし、そんな遠くまで行けるテクノロジーは私たちにはないじゃない。地球外生命体の宇宙船に入り込むことはできるかもしれないけど、すぐに捕まって殺されるだけだと思う。」
「そうよね。どうしたらいいかしら。」
「あのう・・・」
日頃、滅多にしゃべらない結菜が口を開いた。
「なんなの? 結菜。」
「いえ、やっぱりいいです。」
「気になることがあったら、遠慮なく言ってよ。」
「子供っぽい単なるアイディアなんだけど、地球外生命体って疑う能力が低いんでしょう。」
「よくわからないけど、その可能性は高いわ。」
最近、結菜と仲良くしている翠は、結菜に笑顔を送る。
自信をもって話してと。
他のメンバーも結菜が話しやすいように、暖かく見守る。
「それなら、地球外生命体のネットワークにウィルスを入れ込むのはどうかしら。多分、どこかに巨大エネルギーセンターとかあるはず。その負荷を上げて爆破できれば、当面は機能低下をさせられるし、爆破を連鎖させて母星自体を破壊できるかも。そのために、エネルギーセンターの場所を把握し、その負荷をコントロールする機能に入り込めれば勝てると思うの。」
誰もが、そんな方法があったのかと驚き、勝てる道筋が浮かぶ。
専門分野でなくても、このメンバーの頭の回転は早いから、はっきりと理解できた。
「結菜、すごいじゃない。でも、どうやって、地球外生命体のネットワークに入れるかしら。」
「それは簡単。私たちから取り除いたAIチップは通信機能を持っているから、それから入れる。過去も入ったし。また、私たちが使っていた通信技術は、地球外生命体のものをベースにしているはずだから、母星にあるネットワークの構造も簡単に理解できるはず。」
「でも、いくら疑う能力が低いといっても、これだけ高度なテクノロジーを持った地球外生命体なら、ウィルスには気づくんじゃないの?」
「そうとも言えないわ。これまで地球外生命体のネットワークに入ったこともあるけど、ウィルスは見たことがない。そう思うと、実は、ウィルスって、人類の偉大な発明だったかもしれない。いずれにしても、このチップで調べてみる。」
結菜は、この前まで芽衣の脳に入っていたAIチップを手のひらにのせてみんなに見せた。
今は電源を切ってGPSでこの位置が分からないようにしている。
だから、調査するときは別の地点で電源を入れ、AIのネットワークに入り込むことになる。
「それに乗った。結菜、取り掛かってみて。」
「はい。」
これまで地味で、存在しているか分からなかった結菜が嬉しそう。
それから1週間後に、結菜が私たちのところに走ってきたの。
「できた。確かに、巨大エネルギーセンターがあったわ。この構造だと、間違いなく、母星のコアと、母星が回っている恒星のコアからエネルギーを得ているはず。シンプルな構造こそが効率性を実現できるもの。それなら、それらを破壊すれば、地球外生命体の生活圏はなくなるわ。」
結菜は日頃、自分の意見を言わないから、こんなことができるとは誰も気づかなかった。
結菜は自信をつけたのか、立ち上がり、両手を机に置いてみんなの顔を見渡す。
自分の作戦に間違いはないと。
「でも、宇宙にいる飛行船とかが、怒って地球を攻撃してこないの?」
「私の計算だと大丈夫だと思う。地球外生命体の飛行船は、定期的に宇宙空間を通じてエネルギーセンターからエネルギーを補給しているの。もし、補給ができないとすると、地球まで辿り着けないはず。つまり、現在、太陽系近辺にいる飛行船しか地球に辿り着けない。しかも、今、地球にいるものを除き、銀河系には地球外生命体の飛行船はいないとデータが証明している。それなら、地球が攻撃されることはない。」
結菜は、先日助けてくれた澪の顔を見て、顔に満遍の笑みが溢れる。
「結菜は天才ね。じゃあ、始めましょう。結菜、いいわね。」
「任せておいて。澪、これでやっと、この前の恩返しができる。」
それから、1ヶ月後、地球外生命体の母星と恒星は、爆発が連鎖して破壊し尽くされた。
結菜の対応は目を見張るものであり、迅速で正確に破壊を進めて行った。
一方で、地球外生命体は人間を侮っていたのか、大混乱に陥る。
地球からは見えないけど、ネットワーク上では混乱の様子が伝わってきた。
原因を究明しろとの多くの声も虚しく、母星から恒星が爆発したと悲痛な声で溢れる。
ネットワーク上で、総統らしい人から指示は次々と飛ぶものの、対応策の提案がない。
むしろ、被害を報告する情報が飛び交い、ネットワークが輻輳して停止してしまう。
母星では、数分遅れて、恒星が爆発する姿が空に映る。
恒星が炸裂する姿が見えた数時間後、そのエネルギー波が母星を包み込み、火の海となる。
3時間もないわずかな時間で、対処法を考え、対応する余裕はどこにもなかった。
その後、母星からの音信は途絶え、宇宙に点在する飛行船は孤立する。
エネルギーや食料は尽き、1週間もすると宇宙の墓場のようにただ漂うしかなかった。
そして地球では、澪が率いる兵士達が地球外生命体の駆逐を果たした。
地球外生命体は母星の消滅に戦意が低下していたからことも勝利の一因だった。
大勢の男性兵士は自爆して死んでいったけど、人類の勝利だった。
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