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第四章 悪女と誘拐
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クライドを見送った後、ダリアも自分の部屋に向かった。
自分の部屋に入ると、安心したせいか体の疲れを自覚した。
寝室には浴室が備え付けられているので、さっさとお風呂に入って寝ることにする。
普段は一人で入浴を済ますが、今日は手首に包帯を巻いているのでメイドのニッキーに介助してもらいながら入浴をする。
包帯を濡らさないように高い位置まで両腕を挙げ慎重に浴槽に浸かると、包帯の白さが嫌でも目に入った。
その様子を、ダリアの髪を洗いながら見ていたニッキーは
「今日はいろいろありましたね」と声をかけた。
「ええ。長い長い一日だったわ。稀代の悪女って大変なのね」
ダリアがクスリと笑った。
「クライド様がいてくれて助かりましたね」
「そうね。一人だったらきっと余裕がなくて、今日と同じような対応はできなかったと思うわ」
今回の事件で、ニッキーは何もできなかった。ただのメイドなので仕方がないのはわかっている。だが屋敷でダリアの無事を祈ることしかできない自分が悔しかった。だからこそ、平和な夜を迎えられたことが本当に嬉しかった。
「本当によかったです」
目を閉じてリラックスした表情のダリアを見て、ニッキーも安心したようにつぶやいた。
入浴が終わると、ニッキーは、何かあったら必ず知らせるようにと念を押して部屋を出ていった。
ダリアは部屋に一人になるとベッドに横になり、手首の包帯に目をやった。
倉庫で助けられた後、傷はたいしたことないから病院は後でいいと言ったが、クライドに強制的に医者に連れて行かれた。
内出血をしてできたあざや擦り傷は全身にあったが、特に酷いのはやはり両手首で、後ろ手で縄をナイフで切る時に誤って自分で傷つけた箇所が無数の切り傷となって血が滲んでいた。
「傷は見た目ほど酷くはないですね。後遺症などは大丈夫でしょう。でも、これだけ傷があると痛いんじゃないですか?」と医者に言われてようやく、今まで感じなかった傷の痛みが襲ってきた。
医者に手当をしてもらい今は包帯を巻いているが、動かすとひきつるような痛みが起きる。
その痛みで昼間の出来事を思い出してしまい、胸に不安が巻き起こった。
大丈夫だ。事件は解決した。そして、今この屋敷にはクライドがいる。
何かあってもきっと彼が助けてくれる。
そう思うと手首の痛みも和らぐような気がしてきた。
翌朝、朝食を二人でとると、クライドは王都に帰っていった。
ダリアは馬に乗って去っていく後ろ姿を見えなくなるまで眺めていた。
自分の部屋に入ると、安心したせいか体の疲れを自覚した。
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包帯を濡らさないように高い位置まで両腕を挙げ慎重に浴槽に浸かると、包帯の白さが嫌でも目に入った。
その様子を、ダリアの髪を洗いながら見ていたニッキーは
「今日はいろいろありましたね」と声をかけた。
「ええ。長い長い一日だったわ。稀代の悪女って大変なのね」
ダリアがクスリと笑った。
「クライド様がいてくれて助かりましたね」
「そうね。一人だったらきっと余裕がなくて、今日と同じような対応はできなかったと思うわ」
今回の事件で、ニッキーは何もできなかった。ただのメイドなので仕方がないのはわかっている。だが屋敷でダリアの無事を祈ることしかできない自分が悔しかった。だからこそ、平和な夜を迎えられたことが本当に嬉しかった。
「本当によかったです」
目を閉じてリラックスした表情のダリアを見て、ニッキーも安心したようにつぶやいた。
入浴が終わると、ニッキーは、何かあったら必ず知らせるようにと念を押して部屋を出ていった。
ダリアは部屋に一人になるとベッドに横になり、手首の包帯に目をやった。
倉庫で助けられた後、傷はたいしたことないから病院は後でいいと言ったが、クライドに強制的に医者に連れて行かれた。
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「傷は見た目ほど酷くはないですね。後遺症などは大丈夫でしょう。でも、これだけ傷があると痛いんじゃないですか?」と医者に言われてようやく、今まで感じなかった傷の痛みが襲ってきた。
医者に手当をしてもらい今は包帯を巻いているが、動かすとひきつるような痛みが起きる。
その痛みで昼間の出来事を思い出してしまい、胸に不安が巻き起こった。
大丈夫だ。事件は解決した。そして、今この屋敷にはクライドがいる。
何かあってもきっと彼が助けてくれる。
そう思うと手首の痛みも和らぐような気がしてきた。
翌朝、朝食を二人でとると、クライドは王都に帰っていった。
ダリアは馬に乗って去っていく後ろ姿を見えなくなるまで眺めていた。
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